うつ病や適応障害などにより休職をしている方におすすめの施設として、「リワーク」があります。リワークについては以前の記事で解説しているので、もしよろしければご覧ください。
そして、リワークの利用をより効果的に進めるためにご紹介したいのが、「復職準備性」という概念です。復職準備性は支援者側が評価するものでもあるのですが、リワークを利用する方一人一人が内容を理解していることにより、主体的に復職までの道のりをデザインすることができるようになるのではないかと思うのです。
1. 復職準備性とは?

復職準備性とは、再発することなく職場に復帰するための準備が整っている状態のことを示します。
・症状の安定
・健康的な生活習慣の維持
・労働に耐えることのできる体力の回復
・再発予防策の検討
などがその内容となりますが、これらを客観的に評価するためのツールとして復職準備性評価シートというものがあります。とくに、うつ病リワーク研究会が標準化を進めてきているものは、あらゆる職場に共通して必要な項目を網羅しています。それらの項目と、今の自分の状態を照らし合わせながらリワークで活動していくことで、効率的に準備性を高めていくことができます。
2. 復職準備性評価シートの内容
ここでは、標準的な復職準備性評価シートの各項目の内容をお伝えしていきます。
上記それぞれの項目について、①最も好ましくない〜④最も好ましいの4段階で評定していきます。
Ⅰ. 基本項目
1. 出席率
リワーク施設に出席している割合を評価します。厳密に評価する場合は、欠席を1、遅刻や早退を0.5とカウントし、出席日数/本来出席する予定であった日数でパーセンテージを出します。
2. 眠気・疲労
リワークプログラム参加時に、スタッフから見てどの程度眠気や疲労を感じていそうかを評価します。
3. 集中の持続
プログラム実施時に、どの程度集中力を持続できているか評価します。
Ⅱ. 対人交流
4. 他のメンバーやスタッフとの会話
リワークに通う他のメンバーやスタッフと、どの程度円滑に会話できているかを評価します。
5. 協調性
自主的に、他のメンバーと協調しながら活動できている程度を示します。
6. 適切な自己主張
自分の気持ちを、相手のことも尊重しながら伝えられている程度を示します。
7. 不快な行為
攻撃的な言動、大きすぎる声、話しが長すぎるなどにより、他者を不快な気持ちにさせてしまっている程度を示します。本人に自覚があるかどうかは問わないのが特徴です。
8. 役割行動
集団行動の中で自分の役割を認識し、その場に応じた行動を取れる程度を示します。
9. 対処行動
自分では判断できない状況の中で、自己努力をしつつスタッフや他利用者の援助を要請できている程度を示します。
※自主的に対処行動をとった上で、援助を求められる程度
Ⅲ. 心理的側面
10. 気持ちの安定
不安や緊張、気分の落ち込みや怒りなどによってプログラム参加にどの程度影響が出ているかを評価します。
※4週に1回以上、気分の変動による離席が認められる場合の評価は「1」となります。
11. 積極性・意欲
新しい課題や目標に取り組もうとする程度を示します。
12. 他のメンバーやスタッフからの注意や指摘への反応
他のメンバーやスタッフからの注意や指摘を理解し、自ら内省を行い、行動を改めることができる程度を示します。
参考: http://utsu-rework.org/info/no15_02.pdf
※上記サイトには、より詳細に評価基準が記されています。
評価は可能な限り「過去8週間」を振り返って行うのが望ましいと考えられています。
3. 復職準備性評価シートと合わせて使うもの

復職準備性評価シートと合わせて使うと良いものとして、「生活リズム表」があります。こちらは、リワークの施設にて配布されることが多いと思います。生活リズム表には就寝時刻や起床時刻、食事の内容やその日の気分などを記録していくのですが、復職準備性を自己評価する際のデータとして使うことができます。
4. 復職準備性を高めるには
復職準備性を高めるためには、復職準備性評価シートをもとに、施設のスタッフと話し合いながら今の自分の課題点を明確にし、そこに焦点を当てて改善していくことが有効です。リワークは、「生活リズム」「対人交流」「集中力」「業務遂行力」などの復職準備性を高めやすい環境と言えます。活動→復職準備性シートを使って評価→課題を明確にして改善のプロセスを繰り返していくことが重要です。
5. まとめ

今回は、これからリワークを利用しようと考えている方、今現在利用している方に向けて、復職準備性について解説させていただきました。具体的な項目や評価基準があることで、自分の課題が可視化されるため効率的に活動を行いやすくなります。ぜひ、日々の活動に取り入れてみていただけると嬉しいです!
