今回の記事では、ビジネスマンを中心に、ストレス解消や集中力・生産性アップが期待できることで話題となっている「瞑想」について、解説していきたいと思います。瞑想と一口に言っても、様々な種類があるようです。また、具体的なやり方や効果についても知っておきたいですよね♪この記事では、瞑想の効果・種類・やり方などを紹介していきたいと思います。
瞑想とは

瞑想とは、心を静め、今この時の感覚を俯瞰して観察したり、何か特定の対象に意識を集中させることなどによって、自分自身についての気づきを得たり、心身の健康を維持する一連の流れのことを言います。仏教の祖であるブッダの教えが原点ですが、現代では宗教的な教えから技術的な部分のみを独立させ、科学的にも効果が実証されています。
瞑想の習慣を持たないのは、今や「時代遅れ!?」

一昔前までは瞑想は宗教的なものとして考えられていましたが、瞑想の科学的な根拠が実証されてからは、一流企業のビジネスマンや世界の著名人たちが活用するようになっています。たとえば、有名な人で言うとスティーブジョブスなども瞑想を生活習慣の中に取り入れているようです。また、Google社は瞑想を積極的に取り入れていることで有名で、書籍も出版しているようです。また、アメリカでは瞑想産業が盛んになっており、今や瞑想は生活に根ざした習慣として確立しつつあります。情報化社会により脳を休める時間が減っている現代において、1日1分でも効果が期待できる瞑想に、今注目が集まっています。
価値判断をせず、今に集中する

瞑想には色々な種類があるのですが、あらゆる瞑想に共通していることは、1つ目に「自分が経験していることに価値判断をしない」という姿勢です。また、2つ目に、「今この時に集中する」ということも基本的な瞑想のエッセンスになっています。現実を価値判断することなく、今この時に集中する時、脳はストレスから開放され、睡眠とはまた違った種類の休息を得ることが出来るのです。
ありのままに、身体の感覚を観察する

瞑想を語る時、「感覚」という言葉がキーワードになってきます。息を吸ったり吐いたりする感覚、歩く感覚、味覚、視覚、嗅覚、触覚などの感覚が、瞑想状態を作るための1つの入り口のような役割を果たしているからです。良い悪いの価値判断はせず、自分が感じている身体感覚をありのままに観察する態度が、瞑想を行ううえで重要な姿勢といえます。
瞑想の効果

なぜこんなにも瞑想が注目されているのでしょうか。多くの社会人が瞑想に興味を持つのは、その効果の高さ故です。薬のように副作用がなく、お金もかからないうえに、短時間で様々なよい影響を脳に与えることが出来る瞑想が注目を浴びるのは、必然的といえるでしょう。ここでは、瞑想の代表的な効果をご紹介します。
不安・うつなどに効く

不安障害やうつ病に最も効果が高いとして知られているのは、認知行動療法という心理療法です。認知行動療法には様々なアプローチの仕方があるのですが、その中でも最先端のアプローチの仕方が、マインドフルネスストレス低減法というものです。これは、1979年にジョン・カバット・ジンという学者が考案したメンタル疾患へのアプローチであり、仏教から伝わる瞑想をヒントに考案されました。医療の現場では不安障害やうつ病にマインドフルネスをはじめとする瞑想が使われることがあり、その効果も高く評価されています。
集中力・生産性がアップ

精神疾患への治療だけでなく、一般的にも、瞑想を行うことによって集中力や生産性がアップすると脳科学的な見地から言われています。これは、瞑想を行うことによって脳の背外側前頭前野という箇所の機能が活性化することに起因するとのことです。仕事を行ううえで、高いパフォーマンスを発揮したいと思うのは当然の心理ですよね。瞑想を行うことで、集中力や生産性がアップし、結果的にワークライフを充実させることにつながります。
幸福感がアップ

瞑想を行うことにより、幸福感がアップすることも知られています。脳は無意識のうちに過去の記憶を整理しているのですが、その際にストレスフルな記憶を繰り返し再生させてしまうことで、自らストレスを作り出してしまうという側面もあります。瞑想は「今ここ」での経験にコミットすることが基本となるため、このような脳の活動を休止させ、結果として幸福感をアップさせることが出来ます。
瞑想の種類

一言で瞑想とはいっても、色々な種類があるようです。基本的な考え方に大きな相違はないのですが、ここでは一応、どんな瞑想があるのか、基本的なものを紹介していきたいと思います。
サマタ瞑想
サマタ瞑想は、ある1つの対象に持続的に注意を向け続けるタイプの、伝統的な瞑想です。注意を向ける対象はどんなものでも構わないのですが、呼吸に注意を向けるのがより一般的なようです。全体を俯瞰して見る、というよりは、ある特定の対象に注意を集中させるのが特徴です。
ヴィパッサナー瞑想
ヴィパッサナー瞑想は、先ほど紹介したサマタ瞑想とは異なり、今この時の感覚を、ありのままに、俯瞰するようにして観察する瞑想です。サマタ瞑想では1つの対象に注意を向けますが、ヴィパッサナー瞑想の場合は注意を向ける対象が一つとは限らず、全体を俯瞰するように、呼吸や音、温度、身体感覚などを知覚していきます。また、心配事などの雑念が意識に浮かんできたら、「あ、雑念が浮かんできたな」と価値判断を付け加えることなくそのまま「気づき」、意識を再度感覚に移項させるのが特徴です。結果として、過去や未来の出来事をくよくよと考えることなく、メンタル面が安定してきます。
マインドフルネス瞑想
マインドフルネス瞑想は、考え方的にはヴィパッサナー瞑想とほとんど同じです。違うのは、ヴィパッサナー瞑想は仏教の中で用いられるものですが、マインドフルネス瞑想は医療の文脈の中で用いられるということ。ジョン・カバット・ジンという学者が、仏教の伝統的な瞑想から、一般的に用いることが可能な形にアレンジしたのがマインドフルネスストレス低減法なのです。今この時に意識を向け、現実を価値判断することなく観察する態度を持つ考えは、ヴィパッサナー瞑想と同じです。
歩行瞑想
歩行瞑想は、その名のとおり、歩きながら行う瞑想です。ただし、歩きながら目を閉じたりするわけではありません(笑)歩くときの身体感覚を観察するのが、歩行瞑想の特徴です。足が地面に着地するときの重量感、足を上げるときの筋肉感覚などに意識を向けていきます。呼吸に意識を向けてもOKです。一般的な瞑想を行う時間がとれない方には、とくにおすすめですよ♪出勤時に出来てしまいますからね!
食事瞑想
食事瞑想は、別名マインドフル・イーティング、ジャーナリングなどとも呼ばれています。先ほどご紹介したマインドフルネスストレス低減法のプログラムの中でも、実は食事瞑想がとても重要視されているんです。食事をする際、1時間~1時間半ほどかけて、テレビなどもつけずに、味覚、感触、香りなどをしっかりと意識しながら食べるだけでOKです。食事は人間にとってなくてはならない生活の根幹。重要視されているのも頷けますね。レーズンをしっかり味わって食べる、レーズンエクササイズも広く知られており、これも食事瞑想の一種です。
ムーブメント・メディスン
これは、音楽をかけながら、自由に身体を動かすタイプの瞑想です。振り付けがあるわけではないので、思うままに身体を動かしていただければOKです♪音楽に合わせて体を動かす際、身体の筋肉感覚などをしっかりと意識するようにしてみてください。基本的に瞑想はじっとして行うものですが、一定時間じっとしていることが苦手な方には、このムーブメント・メディスンがおすすめです!
マインドフルネス瞑想の具体的なやり方

ここまで、瞑想について詳しくお伝えしてきましたが、ここからは具体的な瞑想のやり方について解説していきたいと思います。今回は数ある瞑想の中でも、マインドフルネス瞑想のやり方をお伝えしまう。その理由は、マインドフルネス瞑想は科学的に効果が実証されている瞑想だからです。何も難しいことはありません。いたって単純ですよ♪ ただし、瞑想の感覚をつかむまでは多少時間がかかるかもしれないので、気軽な気持ちで行い、しっかり習慣化していくことが大切です。
調身・調息・調心
瞑想の基本は、調身・調息・調心です。姿勢を整え、息を整え、その結果として心が整います。まずはこの基本を実践していきましょう♪また、実施する際はなるべく静かな、落ち着ける場所がよいでしょう。時間帯はいつでも大丈夫ですが、おすすめは朝です。
①姿勢を正す
床の上であぐらをかくか、椅子に腰掛けてください。ここでポイントになるのが、しっかりと背筋を伸ばすことです。ただし、頑張って背筋を伸ばしすぎて筋肉を張ることはありません。あくまで肩の力を抜いて、まっすぐな姿勢を保ってください。
②呼吸に注意を向ける
よい姿勢がとれたら、ゆっくりと目を閉じ、呼吸に意識を向けてください。鼻から息を吸うときの感覚を、注意深く観察します。吸った空気は、下腹部に運ぶことをイメージしてみてください。そして、息を吐く際は口から吐き、この時も、空気の流れにしっかりと意識を向けてください。僕は、空気に色がついている視覚的なイメージを持ち、その空気が鼻からお腹、お腹から口へと流れている視覚的なイメージを作ることで、導入がスムーズになりました。また、空気が鼻や口を通るときの感覚に意識を向けることも効果的です。
③雑念が浮かんできたら、意識を呼吸に戻す
上記のプロセスを繰り返し行っていくうちに、頭の中にあれこれと雑念が浮かんでくることがあります。雑念の内容は、心配事や過去の出来事、今日の予定など、様々でしょう。このような雑念が浮かんできたら、「あ、雑念が出てきたな」と、価値判断することなくその事実をそのまま受け止め、再度意識を呼吸に戻すようにしてみてください。このプロセスを繰り返すうちに、次第に雑念が減っていき、瞑想状態を作り出すことができます。この状態が、脳に休息を与えている状態といえます。
まずは1日5分から!
簡単でしたよね?瞑想は決してテクニカルなものではないことをご理解いただけたと思います。最初から瞑想状態を作り出そうと気張りすぎず、ゆっくりと習慣化していくのがよいでしょう。まずは1日5分からはじめるのがおすすめです。5分ならやれる気がしてきますよね?また、1日5分でも十分に効果があります。大事なのは、続けることです。
瞑想のメカニズム

ここからは、瞑想のメカニズムを紹介していきます。「瞑想に効果があるのは分かったけど、なぜ効果があるの?」そんな疑問にお答えします。
人の脳は大人になっても進化し続けるという前提
瞑想研究が進んだきっかけとして、「神経可塑性」というキーワードがあげられます。これは、「人間の脳は大人になっても成長し続ける」という脳科学が導き出した前提のことです。この前提があるからこそ、瞑想を行うことによって、集中力を高めたり、生産性を高めたり、メンタル疾患を予防するための強い心を育んでいけるのではないか、という科学者たちの関心が集まったわけです。
DMNを抑制する
DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)とは、「ぼーっと」している時などに、自動運転で脳が働いている状態のことです。ソファに座り、ぼーっとテレビを見ているときなどに、心配事が頭に浮かんできたり、不安な気持ちになったりした経験は多くの人にあるのではないでしょうか。DMNは、頭の中の考えを整理してくれる働きを持っているのですが、現代社会はこのDMNの作動時間が長くなりすぎてしまい、脳に休息を与えにくい傾向にあります。とくに、不安や嫌だったことを繰り返し思い出してしまう「反すう」という状態に陥ってしまうと、うつになりやすくなります。
瞑想を行うことにより、不安や恐怖を司る扁桃体という脳部位の過剰活動を抑えたり、嫌な気分を作り出す脳の働きと、DMNとの関係性を薄くすることができることが分かっているそうです。瞑想は今この時に意識を集中させるものであるため、自分でストレスを生成してしまう傾向を断ち切ることができるわけですね。
瞑想とリラクゼーションは違う
エステやアロマなども、現代社会で注目されている「癒し」ですよね。しかし、実はエステやアロマなどの「リラクゼーション」と呼ばれるものと、瞑想では決定的に違う部分があるんです。それが脳波。リラクゼーションを行うことにより、リラックスしているときの脳波である「a波(アルファー波)」が優位になります。しかし、瞑想を行う際には、実はa波は弱まり、感覚がとり鋭敏に研ぎ澄まされるのです。瞑想で得られる状態というのは単なるリラックスではなく、「リラックスしながらも、世界をクリアに認識できるより高次な状態」ということです。それ故に、メンタル疾患を予防できるだけでなく、集中力や生産性などの「活動性」を高めることが出来るのですね。まさに、ビジネスマンにとって良いことだらけです。
瞑想やマインドフルネスに関するおすすめ書籍

この記事を読んで「もっと瞑想について詳しく知りたい!」を思ってくれた方のために、瞑想やマインドフルネスに関するおすすめ書籍をご紹介します♪本を読むことで、より瞑想についての理解を深めることができますよ!
サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法チャディー・メン・タン著 柴田裕之訳
グーグルのマインドフルネス革命 グーグル社員5万人の「10人に1人」が実践する最先端のプラクティス サンガ編集部著 サンガ出版
マンガでわかるグーグルのマインドフルネス革命 サンガ編集部著 サンガ出版
脳が老いない世界一シンプルな方法 久賀谷亮著 ダイヤモンド社
世界のエリートがやっている最高の休息法 久賀谷亮著 ダイヤモンド社
無理なくやせる”脳科学ダイエット” 久賀谷亮著 主婦の友社
1日10分で自分を浄化する方法 マインドフルネス瞑想入門 吉田昌生 WAVE出版
うつのためのマインドフルネス実践 慢性的な不幸感からの解放 マーク・ウィリアムズ、ジョン・ティーズデール・ジンデル・シーガル・ジョン・カバットジン著 星和書店
まとめ ~瞑想を習慣化するために必要な考え方~

今回の記事では、瞑想について詳しく解説させていただきました。瞑想には科学的な根拠があり、現代を生きる人にとって「よき友」になってくれる可能性があることを、ご理解いただけたのではないかと思います。最も大事なのは、「習慣化」です。瞑想を行ったからって、今日から人生が開花するわけではないかもしれません。しかし、瞑想を生活の中に「取り入れる」ことにより、人生が前向きな方向に進んでいくのではないかと思います。継続には、コツがあります。1つは、1回あたりの時間を少なくすること。なるべく負担の少ない最小単位からはじめていくようにしてみてください。もう1つは、いつも同じ時間に行うことです。例えば、歯磨きの後に瞑想、朝起きたら瞑想、お風呂から出たら瞑想、などです。時間を固定枠にすることで、習慣化しやすくなります。ぜひ実践してみてくださいね♪
