認知行動療法のおすすめアプリ5選 心理士が、良質なものだけを厳選しました。

心理学

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認知行動療法のおすすめアプリが知りたい!

そんな悩みを解決するために、この記事を書きました。この記事を読めば、安心して使える良質な認知行動療法のアプリを知ることができます。なぜなら、この記事を書いている私は心理士として認知行動療法を日々実践しており、「ちゃんと認知行動療法に基づいたアプリか」を判断することができるからです。

記事の中では、認知行動療法のアプリの現状、そして「心理士が選んだおすすめ認知行動療法アプリ5選!」などを紹介します。

この記事を読むことで、自分に合った認知行動療法アプリに出会うことができ、毎日を良い気分で過ごすことにつながるのではないかと思います。

また、このブログではこれから心理学を学んでみたいと思っている社会人の方に向けて、おすすめの勉強方法などについても解説にしています。ご興味がある方は、ぜひ過去の記事を読んでみてください。

1. 認知行動療法のおすすめアプリが知りたい!

この記事では、認知行動療法を自分で行えるアプリをご紹介していきます。ただその前に、そもそも認知行動療法とはどのようなものなのか?といった基本的知識を紹介していきますね!

そもそも認知行動療法って?

認知行動療法とは、ものごとの捉え方(=認知)や日々の行動にアプローチしていくことで、バランスのとれた考え方を身につけ、毎日を前向きに生きていくことを目指す心理療法です。

過去の記事では、認知行動療法の効果などについて詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。

認知行動療法って効果あるの?その悩みに心理士が応えます!

認知行動療法とアプリは相性が良い

認知行動療法では、ホームワークとして日々の生活の中で自分の考え(認知)を書き込んだり、それを振り返ったりすることを大切にします。

自ら、生活の中でコツコツと取り組むことが大切なので、それをスマホで気軽に行えるようにすることは、認知行動療法の特徴とマッチしていると言えます。

認知行動療法のオンライン化は専門家の中で注目度上昇中!

新型コロナウイルスの影響や、認知行動療法を行える専門家の数が少ないことなどを踏まえ、オンライン上で認知行動療法を受けられるようにするシステムの構築が注目を浴びています。

「オンライン認知行動療法」についての効果研究も行われており、「対面で行う認知行動療法と同程度に効果がある」というデータが示された研究もあるようです。

また、認知行動療法のアプリを、本格的に医療に導入する計画も実行段階に入っているようです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

2. 心理士がおすすめする、認知行動療法のアプリ5選!

それでは、おすすめの認知行動療法のアプリをご紹介していきたいと思います!これから紹介するアプリは、心理士である僕が実際に使ってみて、「いいな」「使えるな」と思ったものを厳選したものたちです。

これ1つで完結!基本的な認知行動療法から、マインドフルネスまで全て踏襲されているアプリ!

まずは、「これ一つで完結する」と言える、多機能&質の高い認知行動療法のアプリをご紹介します。

①Awarefy  おすすめ度:★★★★★


【Awarefy】は、認知行動療法の考え方をベースに、早稲田大学学術院熊野宏昭研究室と共同で開発されたアプリであり、科学的に根拠に基づいた認知行動療法を提供しています。

基本的な認知行動療法の要素である感情や自動思考を把握すること、行動にアプローチすることに加え、マインドフルネスやアクセプタンス&コミットセラピーをはじめとした「第三世代の認知行動療法」の要素が踏襲されており、それを一括に毎日の時間軸の中に記録していけるのがポイントです。まさに、「こんなアプリを待っていた!!」と言える代物です。

<機能の紹介>

①感情メモ

チャットボットの質問に答えていくだけで、感情や思考をまとめることが出来ます。そして、週に1回週間レポートとして自動でまとめてくれるため、1週間の気分の推移や気分が落ちたりした原因を把握することが出来ます。

②音声によるセルフケアコンテンツ

マインドフルネスや瞑想のガイド音声つきの動画が30種類以上(一部有料)も用意されており、「認知の機能」に注目する第三世代の認知行動療法と言われるワークを実践することもできます。

③セルフリレーションシップ測定

16の質問に答える中で、「自分自身との関係性」を分析することが出来ます。測定は何度でも行えるため、Awarefyを使いながら、たまに行うことで自分との関係性の変化を測定するのも良いかもしれません。

④気づきメモ

日々の生活の中で「気づいたこと」を、気軽にメモに残しておくことが出来ます。感情メモや瞑想などのワークに取り組んだ後、気づいたことをここに記録しておくのもおすすめです。

⑤セルフケアメモ

「ストレスフルな出来事やきっかけ」「その時の気分」「実施するセルフケア」「振り返り」の順に質問に答えていく中で、セルフケアの引き出しを増やしていくことが出来ます。

⑥セルフケアレパートリー

「深呼吸する」「感情メモを書く」などの具体的なセルフケアのレパートリーを記録しておくことが出来ます。参考レパートリーの中から選択することもできるため、「自分には思い付かない」という方でも安心です。

⑦チェックイン/チェックアウト機能

朝起きた時と夜寝る前に、心と体の状態をそれぞれ5段階の中から評定できる機能です。1週間の結果がグラフで表示されるため、後で振り返ることも出来ます。

使ってみての感想

個人的にとても良いと思ったのが、1日の中で記録したメモや行ったアクティビティなどを、時系列順に、自動的にアプリが表示してくれるところです。「感情や認知、セルフケアのために行った行動を、自動的にアプリが整理してまとめてくれる」というのが、このアプリの特質すべきポイントではないかと個人的には感じました!

【お申込みはこちら】

「心いき東大プロジェクト」が開発した認知行動療法アプリ

次に、東京大学の「心いき東大プロジェクト」が開発している認知行動療法のアプリをご紹介します。東京大学の臨床心理学研究科では、認知行動療法をはじめとした心理療法の理論をもとに、心理面のセルフケアのICT化に力を入れてきています。

②ぼちぼち記録 おすすめ度:★★★★☆

ぼちぼち記録

ぼちぼち記録

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ぼちぼち記録は、「行動活性化」という認知行動療法に基づいたアプリです。日々の活動と気分を記録することでモチベーションを上げたり、振り返ったりすることが出来ます。

僕は、なんだかんだでこのアプリを一番使っていますね。行動活性化は、回復期にあるうつ病患者をベースに開発されてきた認知行動療法の技法ですが、一般的にも十分使用可能だと思います。毎日記録をつけ、寝る前に表を振り返ることで、達成感を感じたり、改善点が見えたりして、日々がアップグレードされていく感覚があります。

ぼちぼち記録を使ってみての感想

「何も出来ていない」と感じていた日であっても、記録をとってみることにより、「意外と自分やる事やってるじゃん」「頑張ってるじゃん」と思えるようになる事が増えました。自己肯定感を高めるという意味でも、おすすめのアプリです。

③レジリエンスさがし おすすめ度:★★★★

レジリエンスさがし

レジリエンスさがし

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認知行動療法というよりは、ポジティブ心理学がもとになっているアプリです。ポジティブ心理学は、病や人間のネガティブな部分の克服することではなく、「より良く生きること(ウェル・ビーイング)を目指す心理学。中でも、「レジリエンス」は注目されています。

そのレジリエンスを、「強みコレクション」「回復アイテム」「できたこと日記」という3つの機能を使って高めていくことができるのがこのアプリ。それぞれ、とても素晴らしい機能なので1つずつ解説してみます!

強みコレクション

24の強みの中から自分に合うと思うものを3つ選ぶというものですが、歴史ある東大が作ったアプリであることを忘れてはいけませんよ?強みコレクションの中にリスト化されている24個の「強み」は、「ストレングスファインダー」というアメリカ心理学会お墨付きの性格テストの項目が使われているのです。

回復アイテム

自分が大切にしている人や趣味、場所などの写真を自分のスマホのフォトアルバムの中から保存したり、お気に入りの曲を保存したりして、アルバムのように眺めることができます。

できたこと日記

「出来たこと」を書いた上で、24個の強みの中から「使えた強み」を選択できるようになっています。「出来たこと日記」を使えば、「出来たこと」から逆算して、自分の強みを発見していくこともできます。

レジリエンスさがしを使ってみての感想

個人的に大好きなのが、「回復アイテム」です。回復アイテムに保存したスマホのフォトやお気に入りの曲をアルバムのように眺めるだけで、本当にあたたかい気持ちになって、気分が上がってきます。

④じぶん記録 おすすめ度:★★★★

じぶん記録

じぶん記録

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じぶん記録は、日々の生活を自分がとった「行動」と起こった「出来事」の2つで記録していくことができるアプリです。認知行動療法についての説明も、図を使いながら分かりやすくしてくれています。

認知行動療法で実際に使われている表をもとに記録していけるので、信頼性が高いと言えます。「行動記録」は行動活性化が背景理論になっており、「出来事記録」は認知行動療法の基本的な理論が背景理論になっているのです。両者を1日の時間軸の中に記録していくことができるので、振り返りもしやすいですね。

自分記録を使ってみての感想

自分が取った行動と、出来事が生じた時の自分の感情や認知を一緒に記録していけるのは画期的だと感じました。アプリはシンプルで使いやすく、認知行動療法の理論背景もしっかりと導入されているため、かなりおすすめです。

東大の認知行動療法アプリを使ってみての感想

全体的にシンプルな作りのものが多く、背景理論がしっかりとしているという特徴があります。個人的には、これくらいシンプルな方が使いやすいし、デザイン性も「ゆるい」ものが多く、個人的に好きです。どのアプリもとても使いやすかったです。

他にも、東大下山研究室では、素敵な認知行動療法のアプリをたくさん開発しています。今回は記事の構成上、とくにおすすめなものを3つ紹介したけど、東京認知行動療法センターのウェブサイトでは他にも色んなアプリが紹介されているので、ぜひチェックしてみてください!

シンプルに認知行動療法のワークシートに記録できるアプリ

「はい、認知行動療法で使われているワークシートを、そのままアプリにしましたよ!」というアプリを紹介します。用紙を印刷するのがめんどくさい!外にいる時にはいちいち用紙に書けない!という悩みに、「アプリ」という答えを出してくれています。

⑤セルフ認知行動療法 おすすめ度:★★★★★

セルフ認知行動療法

セルフ認知行動療法

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Awarefy、じぶん記録などは本当に優れたアプリだけど、実は認知行動療法の最もベーシックで重要なワークである、「適応的思考を考える」という機能がついていませんでした。

セルフ認知行動療法では、認知行動療法の代表的なワークである5つのコラム法7つのコラム法が素直に、シンプルに搭載されており、従来紙で行なっていた認知行動療法のワークを、そのままアプリにしてある感じです。だから、もちろん適応的思考を考える項目もあります。

そして、めちゃくちゃ強調したいのが、コミュニケーションを取るうえでの「上手な伝え方」について整理できる、アサーティブコミュニケーションのDESC法の機能が搭載されていることです!!DESC法の表に沿って「どのように伝えるか」を考えるだけで、コミュニケーション能力そのものを高めることにつながるからです。

ただし、シンプルにコラム法やDESC法の機能が搭載されているため、「認知行動療法ってなんですか?」という人には向かないかもしれません。「認知行動療法を受けたことがあります」「ある程度基本を押さえています」という方で、「日々の生活の中でスマホを使って気軽に記録したい」という方には、「おすすめ度星100」のアプリとなっています。

セルフ認知行動療法を使ってみての感想

「セルフ認知行動療法」は実は僕の中では「1位」かもしれません!!というのも、僕は認知行動療法の基本的な知識を知っているから。知識がある人にとっては、ハイテクになりすぎず、シンプルに認知行動療法のコラム法を行えるという意味で、とても良いと思います。

※iphoneの場合は「セルフ認知行動療法」という名前のアプリですが、Androidの場合は「思考日記」という名前のアプリになるようです。一応、アンドロイド版の思考日記のリンクも貼っておきますね!

思考日記

思考日記

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3. 認知行動療法のアプリを選ぶ際の2つのポイント

ここでは、認知行動療法のアプリを選ぶ際のポイントを2つ紹介してみたいと思います。今は多くのアプリがありますが、良質なアプリを選び、それを使っていくことが重要と思うからです。

ちゃんと認知行動療法の理論に基づいている

まず、ちゃんと認知行動療法の理論に基づいて作られているアプリが重要です。なぜなら、認知行動療法の効果は、理論に基づいたワークを行うことではじめて生じるものだからです。

そこでおすすめなのが、「認知行動療法の業界で著名な教授が監修しているアプリ」を使用するということ。今回ご紹介したアプリは、認知行動療法の業界の中でも超有名な方が監修しているものを中心にご紹介しています。

自分にとって使いやすい

機能が多くて便利なアプリが使いやすいのか、シンプルなアプリが使いやすいのか、自分が日々の生活に「取り入れやすい」ものを選ぶことが大切です。例えば僕は、機能が多すぎるアプリよりは、機能が多すぎないものの方がしっくりときます。どんなに優れたアプリであっても、継続できなければ意味がありません。

4. 知っておきたい!オンラインで認知行動療法を行う際の形態

現代では、オンライン上で認知行動療法をはじめとした「心のケア」を受けることができるようになりました。その際に知っておきたいのが、オンラインで認知行動療法を行う際の「形態」です。様々な形態のオンライン認知行動療法を知ることで、より充実したケアを受けられるようになると思うからです。

セルフヘルプ型

セルヘルプ型のオンライン相談とは、基本的には「自分で認知行動療法を行う」方法です。例えば、認知行動療法のセルフヘルプ本に取り組む場合、「本」を読み、自分で学んでいくことになりますよね。アプリで認知行動療法を行う場合も、基本的には同様です。オンタイムで誰かと会話をしながら行うわけではありません。「じっくり自分のペースで取り組める」というメリットがある反面、適宜相談しながら行えない、というデメリットもあります。

セルフヘルプ型の認知行動療法で代表的なのが、日本の認知行動療法の第一人者である大野裕先生が監修しているサイトである、「こころのスキルアップトレーニング」です。このサイトでは、認知行動療法のワークが網羅されており、ワーク形式で実践していくことができます。

相談型

相談型のオンライン認知行動療法とは、オンライン上で専門家と直接会話をしながら認知行動療法を進めていくパターンのことを言います。医療機関やカウンセリングルームのカウンセラーとオンラインで認知行動療法を行う場合がこれにあたりますね。

そして、最近ではオンライン上で心理相談を行うことに特化したサービスも発達してきています。個人的におすすめなのが、「うららか相談室」というサービスです。うららか相談室には認知行動療法を専門にしているカウンセラーも在籍しているため、気軽にオンライン上で相談することが可能です。

4. まとめ

最後にお伝えしたいのは、「まずは試しに使ってみよう!」ということです。今回おすすめしたアプリは、基本的な機能は全て無料で使えます。なので、まずはダウンロードして使ってみることが大切です。試してみて、「使いやすさ」や「効果」を実感したものに絞っていただけたらと思います。