認知行動療法の資格とは?難易度・給料も解説

心理学

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認知行動療法を学んだり、受けたりしたことのある人の中には、

・認知行動療法の資格にはどんなものがあるの?難易度は?

・認知行動療法の資格を生かしてできる仕事や、給料などは?

という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事を読んでいただくことで、そういった疑問を一通り解決することができます。

なぜなら、この記事を書いている僕は臨床心理士という資格を持っており、医療機関にて認知行動療法を提供した経験もあるため、カウンセラー業界の諸事情を肌を持って経験しているからです。

記事の前半では認知行動療法の資格にはどんなものがあるのか、受験資格や難易度について解説し、後半では認知行動療法の資格を生かせる仕事や給料、認知行動療法の資格を取得するメリットなどについて解説していきたいと思います。

この記事を読み終えることで、認知行動療法の資格について全体像を知り、資格取得へのイメージを固めることができます。

1.認知行動療法の資格とは?

<認知行動療法とは>

認知(物事のとらえかた)や行動を変えていくことで、自ら気分を調節していくことを目指す心理療法。うつ病や不安障害への効果が高く、科学的な根拠もしっかりとしているため、多くの精神科、心療内科などで取り入れられている。

そんな認知行動療法ですが、「認知行動療法の専門家です」と名乗ることができるようになるための、専門の資格というものが存在します。資格を取らなくても認知行動療法を本などで学ぶことが出来ますが、資格を取ることで就職につながりやすくなったり、社会的な信頼性が増すこともあるようです。

2. 認知行動療法の資格を取ることが重要な理由

認知行動療法の資格を取ることにより、認知行動療法を実際に使って対人援助を行うためのまとまった知識、スキルを磨くことができます。そして、「自分は認知行動療法を専門的に使うことができるんだ」という自信につなげることができるのではないかと思います。

3. 認知行動療法の資格は、主に3つ!

認知行動療法の資格は、いくつか存在します。主に3つあるのですが、資格を発行している機関によって難易度、受験資格などが異なるようです。順番に解説していきますね!

1. 日本認知・行動療法学会「認定行動療法士」「専門行動療法士」

認知行動療法に関する資格の中で、最も権威あるものは、日本認知行動療法学会が認定している、「認定行動療法士」と「専門行動療法士」なのではないかと思います。なぜなら、日本認知行動療法学会は日本を代表する認知行動療法の学会であり、認知行動療法に関する研究の第一線と言えるからです。

認定行動療法士

認定行動療法士は、認知行動療法を実際に臨床で「使う」ことができることを証明する資格です。この資格を持っていれば、「認知行動療法を現場で使うことができる人である」と胸を張って言えると思います。

専門行動療法士

専門行動療法士は、認定行動療法士よりも更に上位の資格といえます。認知行動療法を臨床で「使える」だけでなく、データや先行研究等を示しながら、専門家に向けて効果を「説明」できることができるからです。

両資格は、日本認知行動療法学会が提示しているいくつかの要件を満たすことで取得できるのですが、詳細は後ほど解説しますね!

2. 日本推進カウンセラー協会「認知行動療法士」

日本推進カウンセラー協会も、「認知行動療法士」という専門的な資格を発行しています。日本認知行動療法学会の「認定行動療法士」や「専門行動療法士」と比べて、より一般に開かれた資格といえそうです。まずはこちらの資格を取得し、認知行動療法に関する一通りの理解を深めるのも1つかもしれません。

3. 内閣府認証特定非営利活動法人 日本認知行動カウンセリング協会 「認知行動療法専門カウンセラー」

日本認知行動カウンセリング協会の特徴は、日本認知行動療法学会の認定行動療法士が講師を行っている点にあると思います。この協会が用意している「認知行動療法専門カウンセラー育成コース」の全8クラスを受講し、審査を通過することで「認知行動療法専門カウンセラー」という資格の認定を受けることができます。

4. 認知行動療法の資格の難易度・費用・受験資格

認知行動療法の資格は主に3つあることをご紹介してきましたが、今度は各資格の難易度、必要な費用、受験資格などについて解説していきたいと思います!

1. <難易度(高)!>:日本認知行動療法学会「認定行動療法士」「専門行動療法士」

日本認知行動療法学会の「認定行動療法士」や「専門行動療法士」の難易度は高いといえるでしょう。認定行動療法士や専門行動療法士の資格を取るためには、日本認知・行動療法学会に入会している必要があります。そして、入会には、学会員2名の推薦状が必要であるため、日本認知行動療法学会に入会している知り合いがいない場合は、まずは学会員の人と知り合いになる必要があるんです・・。

ここからの情報は、学会に入会していることを前提に読んでいただけたらと思います。

認定行動療法士

認定行動療法士の受験資格

・日本認知・行動療法学会に入会し、1年以上経っていること

・学会が主催している認知行動療法に関する研修を6時間以上受けていること

・学会にて認知行動療法に関係した研究発表を1回以上行っているか、研究論文などを一編以上公表していること

特にネックなのは、「研究発表」や「研究論文」だと思います。認知行動療法に関する知識や技能を習得しているだけでなく、研究を行えるようになる必要があるからです。

認定行動療法士の取得に必要な費用

・資格審査料:10,000円

・資格登録料:10,000円

これにプラスして、日本認知行動療法学会への入会費が5,000円、年会費が7,000円であるため、総額32,000ほどになるでしょう。

※認定行動療法士は3年ごとに更新する必要があるため、更新のたびに10,000円は発生します。

専門行動療法士

専門行動療法士の受験資格

・日本認知・行動療法学会に入会して5年以上経っているか、認定行動療法士を取得して2年以上経っていること

・学会が主催している研修を30時間以上受けていること

・認知行動療法に関する研究論文を一編以上公表していること

専門行動療法士を取得するには、認定行動療法士よりもより多くの時間を費やす必要があります。ただし、認定行動療法士を取得後も専門性の向上に努めていれば、自然に取ることができるとも言えるかもしれません。

専門行動療法士の取得に必要な費用

専門行動療法士の場合は、審査料が30,000円になりますが、認定行動療法士を持っている場合は審査料がかからないことになっているようです。

「認定行動療法士」や「専門行動療法士」は認知行動療法のスペシャリスト!

この記事は、これまで心理学を専門に学んできたわけではないけれど、認知行動療法の資格を生かして働くことに興味を抱いている方を対象に書かせていただいています。

なので、日本認知行動療法学会が発行している認定行動療法士や専門行動療法士は「 敷居が高い!」と感じたのではないでしょうか?

難しいが故に、認定行動療法士や専門行動療法士を持っていれば、胸を張って「専門家」と言うことが出来るのではないかと思います。本格的に認知行動療法の専門家を目指したい方には、こちらの資格をおすすめします。

2. <難易度(中)!>日本推進カウンセラー協会「認知行動療法士」

日本推進カウンセラー協会が発行している「認知行動療法士」は、より一般に開かれた認知行動療法士の資格といえるのではないかと思います。これから心理カウンセラーを目指す方は、まずはこちらを取ってみるのもおすすめです。

認知行動療法士の受験資格

日本推進カウンセラー協会の「認知行動療法士」を取得するには、同協会が発行している「心理カウンセラー」という資格を持っている必要があります。

「心理カウンセラー」資格は、ハートフルライフカウンセラー学院の「プロフェッショナルコース」を受講し、審査に通過することで取得することが出来るようです。

「心理カウンセラー」資格を取得したうえで、以下の2つの条件をクリアすることで「認知行動療法士」の受験資格を得ることができます。

(1)ハートフルライフカウンセラー学院が実施している「認知行動療法士養成講座」を修了している。

または、

(2)大学の心理学部または、それに隣接する学部を卒業している

ハートフルライフカウンセラー学院の認知行動療法養成講座を受講していなくても、大学の心理学部やそれに近い学部を卒業していれば、受験が認められるようです。

しかし、認知行動療法士の資格試験には「実技試験」というものがあり、実際に認知行動療法を用いたカウンセリングを試験官の前で行うことが求められるようです。

ハートフルライフカウンセラー学院の認知行動療法養成講座の中には、実技試験に備えて、カウンセリングを実践する授業も含まれており、独学で認知行動療法を使ったカウンセリングを学ぶことは困難であるため、こちらを受講する方が無難といえるかもしれません。

認知行動療法士の試験科目

読者様のイメージが湧きやすいよう、認知行動療法士の受験科目をお伝えしていきますね!

<学科>

・カウンセリング概要、カウンセラーの理念などの科目群

・心理学、心理療法各論などの科目群

・カウンセリング技法、実践などの科目群

・精神医学、心身医学、ストレス、メンタルヘルスなどの科目群

<実技>

・認知行動療法の実践方法により、カウンセラーとしての基本的態度、カウンセリング技法について審査

参考:日本推進カウンセラー協会(https://jp-ca.jp/publics/index/17/

<ちょこっと豆知識>

プロのカウンセラーは、治療や研修の際に「ロールプレイ」と呼ばれる技法を活用することがあります。

ロールプレイとは、来談者と一緒に実際の場面を演じることにより、そのときの感情や気分を再現させようとする技法です。認知行動療法士の実技試験も、このようなロールプレイが用いられるということですね。

ロールプレイを効果的に活用できるようになることは、カウンセラーとしての幅を広げることに繋がるかもしれません。

日本推進カウンセラー協会「認知行動療法士」は広く一般に開かれている!

日本推進カウンセラー協会が発行している認知行動療法士は、最初にご紹介した日本認知・行動療法学会が発行している「認定行動療法士」や「専門行動療法士」と比べると、取得しやすい資格といえるかもしれません。

卒業生を対象とした「交流会」や「インターンシップ制度」、「学院に併設されたカウンセリングルームへのカウンセラー登録」など、卒業後のフォローアップもしっかりとしているようです。

3. <難易度(中)!>日本認知行動カウンセリング協会:認知行動療法専門カウンセラー

こちらの協会が発行している資格である「認知行動療法専門カウンセラー」は、同協会が開講している、「認知行動療法専門カウンセラー育成コース」を修了し、審査に合格することで資格の認定を受けることができるようです。

認知行動療法専門カウンセラー育成コースは、少人数制で、1単元あたり16時間、みっちりと学ぶことができるのが特徴です。1単元が16時間で、合計8単元も受けることになるため、合計120時間もの時間を、認知行動療法の専門性を高めるために費やすことになります。

認知行動療法専門カウンセラーの一押しポイント

個人的に興味深いのが、講師が日本認知・行動療法学会の「認定行動療法士」または、「専門行動療法士」の有資格者であるということです。この記事を書いている僕は臨床心理士であるためか、「講師が日本認知・行動療法学会の認定を受けた方」というだけで、かなり安心感があります。

講座の内容を見てみると、「うつ病の認知行動療法」「第三世代の認知行動療法」などの興味深い講座が用意されているとともに、「認知行動療法の面接法」など、かなり実践的な講座も用意されているようです。

講師が日本認知・行動療法学会の会員であるため、よりアカデミックな場である、日本認知・行動療法学会への道も開けるかもしれませんよ!

5. 認知行動療法の資格を生かせる仕事・給料など

さて、ここまで「認知行動療法の資格にはどんなものがあるの?」「難易度や受験資格は?」といった疑問にお答えしてきたわけですが、気になるのは、「就職」ではないですか?ここでは、そういった疑問に丁寧にお答えしていきたいと思います。

心理カウンセラーの就職事情

まず、日本の心理カウンセラーの就職事情について解説していくことが、認知行動療法の資格を生かして働くことに繋がるのではないかと思います。まず、心理カウンセラーとして常勤で働く場合、病院や教育機関、私設のカウンセリングルームなどで募集をしていることが多いです。

そして、これらの機関は、募集要項に「臨床心理士または公認心理士の資格を有していること」と記載していることがほとんどです。

精神科やメンタルクリニックにて心理検査やカウンセリングを担当しているのは臨床心理士や公認心理士が多く、スクールカウンセラーも、どちらかを持っている方が圧倒的に就職に有利です。ちなみに、医療機関や教育機関にて常勤で心理カウンセラーとして働いた場合、給料は月給20〜30万円ほどでしょう。

認知行動療法の民間資格を持っていることにより履歴書に書くことができますし、自信やアピールの材料になりますが、資格単体で直接的に心理カウンセラーとしての常勤職に就くのは稀なケースといえるかもしれません。

認知行動療法の資格は「活かす」もの

認知行動療法の資格を取ったからといって、直接就職に結びつくわけではないでしょう。しかし、それでも僕は、認知行動療法を集中的に学ぶことに賛成です。なぜなら、認知行動療法はどのような仕事にも活かすことができるからです。

例えば、

人事×認知行動療法

というスキルを持った人はどうでしょうか。人事として適切に人を評価できるとともに、認知行動療法の知識を使って、社員の「物事の捉え方」にアプローチするなど、とても素敵な人事になりそうです。

「心の専門家」は、本来誰でもなれるものだと思うのです。まずは、人の話を共感的に聞き、そこに認知行動療法の知識を使ってアプローチしていく、このプロセスと、ご自身のこれまでの経験を掛け合わせることで、あなたにしか出来ない職業が「生まれる」のではないでしょうか。

6. 本格的に認知行動療法の専門家を目指すなら、臨床心理士を取得することがおすすめ!

認知行動療法の専門家になりたい!と本気で思う方には、まず臨床心理士の資格を取り、日本認知・行動療法学会の会員になり、「認定行動療法士」を取得することをおすすめします。

「認知行動療法の専門家」の称号をもらう者として、最もふさわしいルートがこのルートだと思うからです。

臨床心理士と公認心理士

心理カウンセラーを「本業」にしていくのであれば、臨床心理士もしくは公認心理士は必須の資格といえるでしょう。なぜなら、多くの専門機関では求人の募集要項に臨床心理士もしくは公認心理士を持っていることを含めているからです。

認知行動療法の専門家になるなら臨床心理士を

臨床心理士と公認心理士はどちらも権威ある心理の資格ですが、臨床心理士は民間資格、公認心理士は国家資格という違いがあります。

国家資格である公認心理士のほうがより信頼性が高いようにも感じますが、僕は認知行動療法を専門に持つ心理カウンセラーを目指すなら、臨床心理士をおすすめします。

なぜなら、臨床心理士は研究を重視する傾向にあるからです。日本認知行動療法学会の認定行動療法士を取得する場合、研究を行うスキルが必須になってきますよね。そういった面からも、認定行動療法士と臨床心理士は非常に相性が良いのです。

臨床心理士を目指す場合、日本臨床心理士資格認定協会が定める大学院の修士課程(2年)を卒業する必要があるのですが、大学院なので、専門知識を身に着けるだけでなく、研究を行うことが重視されます。指導教授のもと、心理学に関する研究のやり方などを学ぶことができるのです。

指導教授は認知行動療法を専門にした教授を

臨床心理学会指定の大学院を選ぶ際は、「どんな教授がいるか」で選びましょう。認知行動療法を専門にしたいのなら、認知行動療法の研究を行っている教授がいる大学院を選ぶべきです。そして、教授に推薦状を書いてもらい、日本認知・行動療法学会に入会しましょう。

研究や臨床の経験を積んでいけば、日本認知・行動療法学会が発行している「認定行動療法士」や「専門行動療法士」への道が開けます。

僕は小さいころ、祖父から「遠回りは最大の近道だぞ」と教えられたことがあります。自分の夢に向かう際は、「すぐに手に入る妥協」を選ぶより、「時間がかかかる理想」を追うほうが、自分に正直になれるのではないでしょうか。

7. 認知行動療法を学ぶメリット

今回は認知行動療法の資格について解説していますが、資格を取るということは、当然ながら認知行動療法について深く学ぶことができるということです。ここでは、認知行動療法を集中的に学ぶメリットについて解説してみたいと思います。

1. 自分のメンタルヘルスに生かせる!

認知行動療法は、自分の考え方のクセに気づいたり、行動のパターンを変えることにより、前向きな気分で生活していくことを促すものです。当然、学んだ知識は自分自身に生かすことができるので、自らのメンタルヘルスを維持していくうえでも役に立ちます。

2. 最前線の心理療法なので、需要が高い!

認知行動療法は、国際的に見ても効果が実証されている心理療法です。研究により効果を検証しながら、根拠に基づいて実践していくという特徴を持っていることから、医療機関を中心に広く受け入れられています。

うつ病や不安障害の治療で最も効果をあげているようですが、今後はより対象が広まり、生活習慣病などの身体的な疾患にも応用されることが期待されています。つまり、社会からの需要が高い心理療法ということができ、今後さらに注目されていくでしょう。

3. 自分のメンタルヘルスの追求と、認知行動療法の専門家になることは分けて考える!

認知行動療法の専門家や心の専門家になるきっかけとして、「自分が悩んでいて救われたから」という動機があるのは素晴らしいことだと思います。しかし、専門家として認知行動療法を提供することと、自分のメンタルヘルスを追求することは分けて考えたほうがよいでしょう。「自分の悩み」と「援助」を混同してしまうことで、相談者が求めている援助を行えなくなってしまう可能性があるからです。

心の専門家になる際は、自己理解を深めておき、自分心の問題と、相談者の心の問題を客観的に眺め、分けて考えるようになることが重要です。

8. 認知行動療法は、可能性に満ちている!

以上、今回は認知行動療法の資格について、全体像が分かるように解説してみました。最後に強調して言っておきたいのは、「認知行動療法は可能性に満ちている!」ということです。現在進行形で研究が盛んに行われている分野であり、認知行動療法を学ぶことは、心の臨床の第一線に立つことと考えていいと思います。そして、多くの人を心や生活の問題から救うことができる心理療法でもあります。学んで損はない分野であると、自信を持ってお伝えしたいと思います!

また、今回の記事では、本格的に認知行動療法の専門家になるのであれば、日本認知行動療法学会が発行している認定行動療法士を取得することをおすすめしています。しかし、まずは集中して学ぶことが大切であるとも思っています。なので、今回ご紹介した、民間の認知行動療法に関する資格の取得から目指してみることもおすすめしておきたいと思います!