楽観的になるための7つの方法【心理士が解説】

ポジティブ心理学

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こんにちは!臨床心理士のにっしーです!

頭ではわかっていても、ついネガティブに考えてしまう

先行きが不安で仕方ない

この記事を読んでくださっているみなさんは、上記のようなお悩みを持ったことがありませんか?

でも大丈夫。実は、楽観性は自分で身につけることが出来るんです。僕は心理士ですが、もちろん悩むことはたくさんあります。でも、今回ご紹介する方法を自分自身に対して実践する中で、確かに前向きな自分になれたのではないかと思っています。

この記事では、楽観的になるための方法を心理学的な立場から厳選してお伝えするので、ぜひやってみていただけると幸いです。継続する中で、少しずつ前向きな自分を育てていけるでしょう。

1.楽観的とはどういう意味か

まず、「楽観的」とはどのような状態を示すのかを明確にしてみましょう。ネットでこの言葉を検索すると、以下のような定義が出てきます。

物事の成り行きをよい方に考えて心配しないさま。先行きを明るく考えてくよくよしないさま。

コトバンクより

では、反対に「悲観的」という言葉はどのような意味でしょうか。こちらもネットで検索してみました。

悲観する傾向にあるさま。また、悲観すべきさま。

コトバンクより

これらの定義をもとに考えると、「楽観的」「悲観的」という言葉は、「物事の捉え方の特徴」を示した言葉であることが分かってくると思います。

誰もが心の中に「空」を持っていると考えてみましょう。

心の空が晴れていることが多い人は楽観的で、心の空が曇っていることが多い人は悲観的です。しかし、それは「結果論」にすぎないのです。

心の天気を晴れにしたり、曇りにしたり、はたまた雨にしたりするのは、「自分の物事の捉え方」です。心の空は、晴れたり雨になったりするのではありません。自分自身が晴れにしたり雨にしたりしているわけですね。

2. 悲観的になってしまう理由

誰もが心に空を持っていて、そして誰の心の空であっても、曇ったり雨になったりすることもあれば、晴れることもあります。

しかし、悲観的な人の心の空は、曇っていたり雨が降っていたりする状態が明らかに長く、天気の回復に時間がかかり、晴れてもすぐに曇りに戻ってしまうという特徴があります。

その理由は?

なんとなく答えはおわかりかもしれませんが、自分の思考が常に空を曇りにしているからです。つまり、物事を悪く考えてしまう癖こそが悲観的であることの正体です。

でも、それはあなたが悪いわけではありません。これまで生きてきた中で、「〜すべきである」と言われてきていたりとか、過酷な環境に適応するために無理矢理身につけてきた「思考の癖」であることが多いからです。

今、ネガティブな思考の癖がついているのだとすれば、そこから前向きな癖に変えていけばいいだけです。少しずつやっていきましょう!

3. 楽観的になりたいあなたに知っておいてほしいこと

「何か画期的な考え方があって、それを実践すればすぐに楽観的になれる」というようなものがあれば良いのですが、残念ながらその望みは薄いと思います。しかし、楽観的になることのお手伝いをしてくれる分野というものはこの世に確かにあります。僕は、それは「認知行動療法」と「ポジティブ心理学」だと思います。

認知行動療法

認知行動療法とは、思考(ものごとの捉え方)や行動パターンの柔軟性を高めていくことにより気分の改善を図る心理療法であり、うつ病や不安障害への有効性が確認されています。

認知行動療法について詳しく解説している記事はこちら!※スマホの方はタイトルをダブルタップしてください。

認知行動療法ですが、はじめて取り組む方はまずはマンガでやさしくわかる認知行動療法を読んで概要を理解することがおすすめです。

また、認知行動療法の第一人者である慶應義塾大学教授の大野裕先生による書籍、心が晴れるノートでは、本に自分の考えを書き込んでいく中で、自然に前向きな考え方を身につけることができます。超おすすめ図書なので、一度取り組んでみることをおすすめします。

ポジティブ心理学

ポジティブ心理学は、自分の「良い部分」に注目し、それを伸ばしていくことで持続的な幸福を得ることを目指す心理学の一分野です。ポジティブ心理学について解説した過去の記事はこちら!

※スマホの方はタイトルをダブルタップしてください。

楽観主義は、ポジティブ心理学における主要な研究テーマでもあります。ポジティブ心理学が開発しているあらゆるワークに取り組む中で、楽観性は高めていくことができると考えられています。また、ポジティブ心理学の中に出てくる「レジリエンス(心理的柔軟性)」という概念は思考の柔軟性を高めていくうえでとても大切なので、まずはマンガで概要を理解してみることがおすすめです。

マンガでやさしくわかるレジリエンス

4. 楽観的になるための7つの方法

それでは、楽観的になるための7つの方法を、具体的に解説していきたいと思います!

①自分の思考を書き出し、反論する

まずはこれに尽きます。ネガティブな考えが浮かんだら、その考えを紙に書き出してみましょう。「ネガティブ思考ノート」を作ってみてもいいかもしれませんね。例えば、「自分は何もできないな・・」と思ったら、その思考をそのままノートに書いてみるのです。

ノートに思考を書き出したら、今度はその思考に反論してみてください。例えば、以下のように書いてみてください。

例)

自分は何もできないな。

→何も出来ないってことはないでしょう。例えば今日だってこうして出勤して、午前中の間だけでも多くの仕事を行っている。失敗することもあるけれど、それは自分が何も出来ないということではない。むしろ、挑戦してるからこそ失敗するんじゃないだろうか。

こんな感じです。ネガティブ思考というのは、長い年月をかけて形成されてきた「思考の癖」です。癖を直すためには、繰り返しネガティブ思考に反論することが大切です。癖を直すというよりは、新たな適応的な癖を作るイメージですね。自分自身が自分を認めていくことが何より大切なんです。

②寝る前に「良いこと3行日記」を書く

ネガティビティバイアスという言葉をご存知でしょうか。これは、ポジティブなことよりもネガティブなことに注意が向きやすいという人間の傾向のことです。

「今日1日」の中には良いことも嫌なこともあったはずですが、繰り返し嫌な気分になっている人は、「嫌なこと」ばかりに注意が向いてしまっていることが多いのです。

そこでおすすめなのが、1日の終わりに「良いこと3行日記」を書くこと。夜寝る前に、今日良かったことをノートに3つ書いて味わってみましょう。例えば以下のように。

例)

・○○さんと、楽しく趣味についての話ができた。

・昼休みに食べた新発売の肉まんが美味しかった。

・仕事で新規顧客を獲得した。

上記のように、大きな喜びでも良いし、小さな喜びでも良いので書き出してみてください。この作業を継続する中で、本来いるはずのポジティブな自分が顔を出し始めます。

③生活に運動を取り入れる

運動は体の健康に良いことで知られていますが、実は心の健康にも一役買ってくれるんです。とくに、ジョギングやウォーキングなどの「リズム運動」は、「幸せホルモン」として知られる神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促してくれます。また、運動にはストレスホルモンとして知られる物質であるコルチゾールを減らしてくれる役目もあります。上記のように「思考の癖」に焦点を当てていくことに加え、運動習慣を取り入れることにより、ベース(脳を含めた体)の部分から楽観性を育てていくことができます。

④目標を決め、コツコツ取り組む

ポジティブ心理学では、「何かに没頭すること」が幸福感を高め、ネガティブ感情を寄せ付けないことにつながると考えられています。人によって興味があることや、やりたい事は違うと思いますが、まずは自分が好きなことの中で目標を立ててみましょう。

人は、目標を持って何かに熱中している時にはネガティブな思考を抱きにくくなるものです。それも、周りに言われてやらされているものよりも、自分がやりたいと思ってやっているものが良いですね。自分が好きなことを再認識し、その中から目標を立ててみましょう。きっと生き生きとした気持ちが戻ってくるはずです!

⑤小さな達成を積み重ねる

こちらも、ポジティブ心理学が伝えている「幸せの構成要素」の1つです。人は、小さなことでも良いので「達成」することにより自己肯定感を高め、前向きな思考を抱きやすくなります。「お金持ちになる」「昇進する」などの社会的成功に限らず、「2キロのダイエットに成功する」「1日10分だけ運動をする」「1日30分だけ勉強をする」など、あくまで自分にとって大切な達成で大丈夫です。達成した時には、しっかり自分を褒めてあげましょうね。何かを達成するだけでなく、達成した自分をきちんと褒めてあげられる自分を育てることが大切なんです。

⑥比較をするなら自分自身と

前提として、心理学では人は他者と比較をする生き物だと言われています。なので僕は「比較してはいけない」とは言えません。しかし、あまりに他者と比較しすぎて自分の存在を疑ってしまうのは辛いですよね。そこでおすすめなのは、過去の自分と今の自分を比較することです。

前は電話対応が苦手だったけど、今ではリラックスして出れるようになったな

時間を意識して行動できるようになったな

など、以前と比べて自分が成長しているポイントを探してみましょう。

⑦自分の価値観を明確にする

価値観とは、自分が人生において大切にしたいことを示します。ポジティブ心理学では、「自分よりも大きな存在のために毎日生きている」という感覚、つまり毎日に「意味」を見出せていることも幸福の構成要素であると考えています。

例えば、僕は「何かを創り出していきたい」という価値観を持っているのではないかと、自己分析の結果分かりました。

それは、仕事で行っている心理学であったり、趣味の音楽やイラストであったり、そして人間関係であったりするのですが、何だか分かんないけど、とにかく創り出していきたいという思いが強いのです。思えば、幼稚園の頃から「園庭に川を作ろう」と言い出して本当に小さな川を作ったり、昔から何かをゼロから創ることが好きでした。

もしかしたら、そういった価値観は変わるかもしれません。でもそれでok。「今の自分が何を大切にしたいか」を明確にすることが大事なんです。

何か大きな「意味」を見出すことで、自分にとって大切なものが定まるので、小さなことでクヨクヨしなくなるということですね。心の中に柱を持てば、小さな揺れで家の存在価値まで案ずることはなくなります。

5. 大丈夫。楽観性は今からでも高めていけます!

最後に、僕なりの考えを伝えさせてください。僕は、最初から楽観的な人よりも、ネガティブな自分を乗り越えて前向きに生きる人が好きです。どんなに楽観的で本人が幸せでも、人から悩み相談を受けた時に、「そんなこといちいち気にしなくていいよ!」となるよりも、「辛いよね・・。でも大丈夫。君ならできるよ」と言われたほうが深い勇気が込み上げてきませんか?

今、自分が悲観的だと悩んでいる方は、そんな深みを持った人になれるのではないかと思います。そのままでも十分素敵だと思いますが、一緒に楽観的な自分も「プラス」していきましょう!