どうも!心理学的な視点から、幅広く色んなことについてブログを綴っている、臨床心理士のにっしーです!
今回の記事では、「うつ病を本気で治したい」方におすすめの本をご紹介します。また、「うつ病」でないとしても、「うつ的な気分」に悩まされている方、「もしかして自分はうつなのかな?うつから解放されたい」と思う方、「うつ病が回復したが、再発予防に努めたい」方にもおすすめです。
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「うつ病に本当に効く本」はどんな本なのか

今の社会、「うつ病」や「メンタル」に関する本は溢れていますよね。どのうつ病の本も素晴らしいものだと思いますが、治療的効果の高い「ほんまもん」のうつ病に効果のある本は、そう多くはない印象を受けます。一時的な効果はあるかもしれませんが、問題の根本に触れることができる本は多くありません。まずはうつ病に効く本はどんな本なのかを解説していきます。
2-1. うつ病に効く本は、認知行動療法をベースにしている

まず、うつ病に効く本というのは、認知行動療法をベースにしている必要があります。認知行動療法とは、思考や行動にアプローチしていく中で気分を改善する心理療法であり、現在の精神医療では、「うつ病治療の基本は薬物療法と認知行動療法である」とされています。よって、うつ病に効く本を探す際は、治療的なエビデンスがしっかりしている、認知行動療法をベースにしている本を選ぶとよいでしょう。
2-2. うつ病に効く本は、書き込みながら進めていくタイプである

うつ病に効くのは、書き込み式のワークが盛り込まれている本です。なぜなら、うつ病に特有の「認知の歪み」を修正し、適応的な認知を見つけるためには「書く」「話す」などのアウトプットが絶対的に必要になるからです。「情報を仕入れるだけ」「頭の中でグルグル考えるだけ」だと、不安や憂鬱感をあおり、逆にうつや不安が強くなることもあります。メンタルを調整するスキルを身に着けるうえで、「ペン」と「人と話すこと」は必須であることを覚えていただけると幸いです。
2. うつ病を治したい方におすすめの本をご紹介

お待たせしました!うつ病を治したい方や、「うつ的な気分」を治したい方におすすめの本を具体的にご紹介していきたいと思います。これからご紹介するうつ病におすすめの本は、他のメンタル本と比べて「分厚く文量が多い」という特徴があります。また、海外の本の和訳本であるため、人によっては「読みにくい」と感じる方もいるかもしれません。ですが、「近道は最大の遠回り」という言葉があります。本当に良いものというのは、遠回りを惜しまずに時間をかけて、初めて手に入るものなのです。
2-1. うつ病に効く本は、デイビット・D・バーンズ先生が著者のもの

(写真はイメージです)
デイビット・バーンズ博士はアメリカの精神科医であり、数多くの著書を発表しています。うつ病に効く本は何かと考えた時、まず最初に浮かぶのはバーンズ先生の著書です。認知行動療法のパイオニアである彼は、書き込みながら認知行動療法を習得していくスタイルの本を出版し、数多くのベストセラーを世に出し、そして数多くの人々を幸福へと導いていることで有名です。個人的に、バーンズ先生が本の中で言っていることは、変にメンタル面に偏りすぎていることもなく、「心地よい潔さ」があるように感じます。それでいて人間的な温かみを感じるので、僕はあっという間にファンになってしまいました。彼の本は、決して悩んでいる人を見捨てません!それでは、彼が出版している本のうち、代表的かつおすすめなものを3冊ほどご紹介していきます。
2-2. 嫌な気分よさようなら
この本は、アメリカで累計300万部の売り上げを記録した、「うつ病のバイブル」と呼ばれている本です。「物事の捉え方が気分を作る」という認知療法の考え方を元に、精神科医が分かりやすくうつ病に効くワークを紹介してくれています。この本を読んだうつ病患者のうち70%の人が、4週間以内に気分の改善を認め、その後の再発も予防したという研究があり、科学的にも裏付けられている本です。
2-3. 嫌な気分よさようなら コンパクト版
「嫌な気分よさようなら」を強くおすすめしたいですが、原著は824ページと非常に分厚い本です。こちらのコンパクト版は第7部の「抗うつ薬の化学」を省略したものであり、合計488ページと大幅にページ数が縮約されています。いきなり分厚い原著を読むのに抵抗がある方は、まずはコンパクト版から挑戦するのも良いかもしれません。
2-3. フィーリンググッド・ハンドブック
この本は、基本「嫌な気分よさようなら」に書いてあることと同じことが書かれていますが、扱っている「悩み」の範囲が更に広くなり、「対人関係」や「先延ばし防止」等の秘訣も紹介してくれています。うつを改善するだけでなく、「より広い範囲から人生を豊かにしたい」と思う方には、この本もおすすめです。
3. うつ病におすすめの本のエッセンス

「うつ病におすすめの本を買って読む前に、少しだけエッセンスを知りたい」という方に向け、いくつか重要な部分をお伝えしていきます。うつ病におすすめの本は認知行動療法をベースとしているため、認知(物事の捉え方)や、行動に焦点を当てて考えることが多くなります。
3-1. 自動思考を特定する
うつ病の認知療法は、まずは自動思考を特定することからはじめます。自動思考とは、アーロン・ベックという認知療法の考案者が豊富な臨床経験をもとに発見した「自然に頭に浮かぶ考え」のことであり、この自動思考がネガティブに偏ることにより、うつ的な気分が作り出されると主張されています。
3-2. 自動思考に含まれる「認知の歪み」を見つける
アーロン・ベックは、数多くのうつ病患者と接する中で、共通の「認知の歪み」があることに気づきます。例えば、人の心をネガティブに深読みしてしまう傾向や、ものごとを全か無かで捉えてしまう傾向などです。自分の自動思考の中にある「認知の歪み」を見つけることで、「自分のどのような思考が嫌な気分を作り出しているのか」明確に判断することが可能になります。これは、体の病気で言う患部を特定することと同じであり、とても大きな意味を持ちます。
3-3. より適応的な認知を再考する
自分の自動思考と認知の歪みを特定したら、今度はより現実的で、適応的な認知を再考していくプロセスに入ります。認知の歪みが「患部を特定すること」なのだとすれば、適応的思考を再考することは、「治療」や「施術」と言い換えられます。実際の認知療法では、カウンセラーと話し合いながら適応的思考を考えることが多いです。
3-4. バーンズ先生はアーロンベック先生の弟子だった
うつ病に対して効果の高い認知療法の開発者はアーロン・ベックであることで有名ですが、実は「いやな気分よさようなら」の著者であるデイビット・バーンズはベック先生の弟子でした。つまり、バーンズ先生は世界的なうつ病に効く心理療法である認知療法を、第一人者の一番近くで学んだ人なのです。彼の本の中には、「ほんまもん」の認知療法のエッセンスが組み込まれています。
4. まずはやってみることが大切

今回は、臨床心理士が厳選する、「うつ病に効くおすすめの本」をご紹介させていただきました。「嫌な気分よさようなら」は世界的に「うつ病のバイブル」と呼ばれる素晴らしい本ですが、出所がアメリカであるため、日本人には少しだけ違和感を感じさせる表現も出てくるといった特徴があります。それは文化的な違いから生まれる違和感だと思いますが、それでも僕はこの本を自信を持っておすすめします。文化的な違いはあれど、人間の本質はどこの国でも変わらず、少なくとも「うつ」を克服する上で重要なエッセンスがこの本には含まれていると思うからです。「すごく効いた」と思う人もいれば、「自分には合わなかった」と思う人もいるでしょう。しかし、大事なのはやってみること、試しに読んでみることです。この記事が、あなたが「良い気分」を手にし、充実した人生を歩むきっかけになることを願っています。
