電車の中で気軽に行える、仕事後の嫌な気分の改善法

認知行動療法

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どうも!こんにちは!

バンド活動をしながら都内のメンタルクリニックに勤めている臨床心理士、にっしーです♪

 

今回の記事では、「電車の中でできる、仕事後の嫌な気分の直し方」をご紹介します。

 

この記事を読んでくれているあなたは、現在進行形で人間関係の悩みを持っているかもしません。

仕事では、人間関係の悩みはつきものですよね。

 

人間関係のストレスは、とても嫌な気持ちになりますよね。

 

家に帰って、思い出さないように努めても、つい言われて傷ついたことや失敗してしまったことを繰り返し思い出しては、うじうじと落ち込んでしまうものです。

 

そして、「行きたくないな〜。。」と憂鬱な気持ちを抱えながら通勤する。そんな毎日を過ごしていませんか?

 

私は、そんな毎日を過ごしていた時期がありました。大学院を卒業し、はじめて常勤での勤務を開始した頃でした。

 

事務作業が苦手で、作業スピードや手際があまりよくない私は、同期の子からちょっときつく言われてしまう時期があったんですよね。

 

家に帰ってから、職場で言われて嫌だったことなどを繰り返し思い出し、とても嫌な気分になっていました。

 

朝起きるのもつらい時期がありましたね。

 

悩んだ私は、本屋さんで「うつっぽい気持ち」を改善できるような本を探してみました。

 

そこで出会ったのが、デビッドD.バーンズ著(関沢洋一訳・野村総一郎監訳)の「フィーリングGood ハンドブック」という本です。

 

この本は、「うつっぽい」気持ちに悩まされている方を対象に、実際にページに書き込みながら、ワーク形式で気分の改善の方法を学んでいくことができる本です。

また、「うつ」だけではなく、

不安

先延ばし

コミュニケーション

などの問題を改善させる効果があります。

 

うつ病への心理療法で最も効果があると言われている認知行動療法をもとに考えられた本であるため、かなり本格的な理論がベースになっています。

 

 

僕はこの本のワークを進めていく中で、バランスのとれた「ものごとの捉え方」を身につけ、気分を改善させることに成功しました。

 

また、「いっとき気分を改善させる」のではなく、自分の思考(=ものごとの捉え方)を調整し、自ら気分を改善させるスキルを身につけることが可能になるのがこの本のすごいところです。

 

気分を改善させるスキルを身につければ、同じように人間関係で悩んだ時、いつでも自分の力で気分を調整することができるようになります。

 

「自給自足の心理療法」といったところです。

 

ただし、この本はなかなか分厚い本で、忙しい方や、ストレスや疲れで分厚い本を読むだけの体力が残されていない方にはちょっと大変だと思います。

 

そこで、この本の中に出てくる「思考記録表」というワークのみを抽出し、更に私が簡単にアレンジした方法をご紹介したいと思います。

 

認知行動療法は、たしかに「うつ」に効くのですが、自分で継続的に記録をつけていく必要があるので、面倒くさくて治療ペースに乗らない事がけっこうあります。

 

でも、「記録する」ことをしないと効果を期待できないのも事実です。

 

だから、極力負担なく、仕事帰りの電車の中で気軽に行えるワークをご紹介します♪

 

このワークを習慣化すれば、仕事で嫌なことがあっても、その嫌な気持ちを家に持って帰らなくて済むようになります。では、以下に記載します!

 

①スマホのメモ機能に「魔法の5項目」を記入

 

まずはスマホのメモ機能を開き、以下の「魔法の5項目」を打ち込んでください!

 

  1. 出来事
  2. 思考(頭の中に浮かんだ考え)
  3. 気分(%)
  4. 自分が楽になる思考
  5. 気分(%)

 

これで、1つ目の課題はクリアです!

 

 

②5項目のそれぞれに出来事や気分などを書きとめる

 

嫌な事があったとき、予め打ち込んでおいた5項目に、嫌だった出来事や思考などを書き込んでください。

さぁ、今日は職場でいやなことがありました。気分が落ち込んでいます。イライラしているかもしれません。あなたはそんな気分で帰りの電車に乗っています。

一度窓の外の景色でも見て、「はぁ~」とため息でもつきましょう。

そして、スマートフォンを取り出し、メモ機能を開き、以前用意しておいた「魔法の5項目」を見つめるのです!

実際に5項目を埋める際の例を、以下に記載します。例を参考に、項目を埋めていってみてください。あまりしっかり書かなくても、一言で大丈夫ですよ♪

 

  1. 出来事

上司に挨拶をしたが、返ってこなかった

 

☆ここでは、実際に起きたストレスフルな出来事を記入してください。

「挨拶が返ってこなくて嫌だった」と言ったように、感情等を交えて書かず、客観的事実のみを書くのがポイントです。

 

 

2.思考(頭の中に浮かんだ考え)

→自分は上司に嫌われているのだろうか

 

☆ここでは、出来事に対し、自然に頭に浮かんだ思考を記入してください。このような思考のことを、専門用語では「自動思考」と言います。

 

 

3.気分(%)

不安: 60%

怒り: 70%

落ち込み: 90%

 

☆ここでは、出来事と思考の結果、どんな気分になったかを記入してください。また、100%が最もその気分が強い状態として、何%くらいだったかも記入してみてください。

 

4. 自分が楽になる思考

→上司は忙しくて自分の声が聞こえなかっただけかもしれない

 

☆ここでは、「こんな風に考えたら自分が楽になるな、と思う思考を書いてみてください。ここが最も重要です!

 

ポイントは、無理にポジティブに書く必要はないこと。「ちょっと楽になるな」程度に、自分の思考を書き換えてみてください!

 

5. 気分(%)

不安: 40%

怒り: 60%

落ち込み: 70%

 

☆ここでは、4.で「自分が楽になる思考」を考えてみた結果、どのくらい自分の気分が改善したかを知る作業を行います。

 

1回目に書いた気分よりも、パーセンテージが下がっていますね。気分が良くなっているということです。

わずかな差であったとしても、効果を実感することは大切です。

 

以上、これだけでOKです!

 

これなら、電車の中でも気軽に行えると思いませんか!?

 

最初に書いた項目をあらかじめコピー&ペーストしておくと、繰り返し使えて便利です♪

 

まとめ

以上、今回は「電車の中でも気軽に行える気分の改善方法」をご紹介しました♪

大切なのは、自分の思考を目に見える形で記入し、より適応的な思考を再考するプロセスを習慣にしていくことです。「ネガティブな思考」というのは癖であるため、習慣によって直すことができるわけですね!

自分に優しい思考を作り出すことが上手になってくると、その分だけ気分も改善していきます

すぐに効果を実感しなくても、繰り返し行っていく中で、少しずつ効果を実感できるようになるはずです。会社帰りの電車の中で5分だけ!これだけで嫌な気持ちを引きずることなく、家に帰ることができますよ!ぜひ、活用してみてくださいね♪