やり抜く力(grit)とは?鍛える方法についても臨床心理士が解説します!

心理学

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

こんにちは!臨床心理士の西井です!

今回の記事では、最近注目されている「やり抜く力(grit)」 について、詳しく解説していきます。実は、成功している人の多くは、このやり抜く力(grit)を発揮していると考えられているんです。

「やり抜いたこと」というのは、必ず自分の人生にプラスの影響を与えてくれるもの。記事の前半ではgritについての詳しい説明をし、後半では私が考案した「gritの鍛え方」についてもご紹介しています。

この記事が何かをやり抜く「きっかけ」となってくれたら嬉しいです!

1. やり抜く力(grit)とは?

やり抜く力(grit)とは、1つのことに集中し、結果が出るまで諦めずに取り組む力のことを言います。

・とても練習の辛い部活を、3年間やり切った!

・5年以上同じ職場に就いており、管理職を任せられた!

・ブログの更新を定期的に続け、100記事に到達!


上記のような例は、「grit」を発揮できている例といえるでしょう。

実は、gritは「成功者が持つ共通特徴である」ともいわれています。例えば、プロ野球選手のイチロー選手は気の遠くなるような練習を「ルーティーン」として毎日こなしてきたことで有名ですよね。

一般的には「才能や知能(IQ)が優れた人が成功する」と世の中では思われていますよね。もちろんそれは真実でもあると思います。しかし、それよりも更に重要とされているのが、grit(やり抜く力)なのです。

2. やり抜く力(grit)が注目されている理由

やり抜く力(grit)という概念は今、ビジネス界を中心としてとても注目されています。そのきっかけとなったのが、ペンシルバニア大学の心理学教授であるアンジェラ・ダックワース氏による研究です。

彼女は、シカゴの学校に通う生徒を対象として調査を行い、グリットの高い傾向にある学生の退学率が低く、卒業するまできちんと通い続ける傾向にあることを明らかにしたのです。

こういった研究を通して明らかになったのは、以下のような事実です。

・才能や知能(IQ)よりも、グリットを持っていることが成功に影響する。

・グリットは、「情熱」と「粘り強さ」の総和である。

まず、才能や知能が成功にとって重要なのは否定できませんが、それ以上にやり抜く力を持っていることの方が重要であるということ。そして、gritが高い人は「情熱=ひとつのことに意識を向け続けること」「粘り強さ=結果が出るまで諦めないこと」という2つの特徴を持っていることが明らかになったのです。

3. やり抜く力(grit)の4つの構成要素

やり抜く力(grit)の構成要素として、以下のようなものがあると考えられています。

Guts(度胸)

これは、挑戦する姿勢を示します。出来るかどうか分からないことであっても、まずはチャレンジしてみることからすべてが始まりますよね。

例:必ずブログを100記事書くと決める。

Resilience(復元力)

これは、困難な事態に直面しても、柔軟な思考と行動を活用して立ち直ること。レジリエンスは、人の心のプラスの部分に焦点を当てる学問であるポジティブ心理学の中でも注目されている概念です。

例:ブログのアクセス数がなかなか伸びなくても、「もうどうせダメだ」と考えるのではなく、「まずは楽しく続けよう」と考え、毎日ちょっとずつ取り組む。

レジリエンスについては過去の記事でも詳しく解説しているので、載せておきますね♪

3. Initiative(自発性)

これは、目標を「自分で選ぶ」ということ。誰かに言われて目標を立てるのではなく、自分が心から「達成したい!」と思うものを目標に据えることが大切です。

例:ブログを書くことは、誰かに頼まれたのではなく、自分でやりたくてやっている。

Tenacity(執念)

これは、目標を達成するために確固たる意志を持つこと、確信を持って取り組むことです。「もしかしたらできるかもしれない」「できたらいいな〜」という心持ちではなく、「必ず達成する」と心に誓うことが大切なわけですね。また、「誓う」ということは、単なる精神論ではありません。実際に目標を達成するための無理のないスケジュールを立てるなど、システムを作ることもここに含まれます。

例:「必ずブログを150記事更新する!」と確信し、3日に1回記事を更新するスケジュールを立てる。

いかがでしょうか?単に「やり抜く!」と考えるよりも、上記のような「構成要素」があったほうが、具体的に取り組みやすくなりますよね♪

4. やり抜く力(grit)を鍛える方法

やり抜く力(grit) は、訓練によって鍛えていくことができると考えられています。そこで、ここからは、臨床心理士である私なりのアイデアも取り入れつつ、グリットの高め方について解説していきます。

結論、「gritの構成要素に沿って行動すりゃええやん」ということになるのではないでしょうか。つまり、先ほど上げたgritの構成要素に沿って、行動を起こしていけば良いのです。そこでおすすめなのが、「gritノート」をつけることです。お気に入りのノートを新たに購入し、そのノートを「生活の中心」にしてください。ちなみに、「ノートを買いに行くこと」も目標を達成するための1つの儀式と考えてください♪

ちなみに僕はこの方法で、「ブログ100記事更新」を達成しました!

Guts(度胸)をノートに書き込む

ここでやることは、「誓うこと」です。「絶対にやる!」と心に決めることが大切。gritノートの1ページ目に、明確な達成目標を記載してください。

例:5月4日に、「ブログ100記事」を達成して、夜空を眺めて幸せな気持ちになっている。

※「完了形」で書くこと、達成したときの「感情」を書くことを意識してみてください♪

Resilience(復元力)をノートに書き込む

レジリエンスを高めるためには、「柔軟な思考」が大切です。結果が出なくて、「やめてしまおうかな」と揺らいでしまった時、他のことに目移りしてしまった時などには、gritノートを取り出し、<後ろ向きな考え><それに対する反論>の2つを以下を書きこんでみてください。

例:

後ろ向きな考え

このまま記事を更新していても、結局アクセス数は増えず、時間のムダになるのでは・・?

それに対する反論

すでに月間アクセス数900人には到達している。だったら今後も結果は出るはず。これまでの人生で、ちゃんと結果が出ているのは、全て「継続したこと」だ。

Initiative(自発性)をノートに書き込む

これは、gritノートの1ページ目に書いた目標の下に書いてください。書く内容は、「自分はなぜ、この目標を達成したいのか」ということです。これを明確にすることで、「誰に言われているのでもなく、自分がやりたくて選択していることなんだ!」ということを実感しやすくなります。

例:ブログの更新を続けることで、心理学の知識を世の中の人々に届け、生活に生かしてもらいたい。ブログの更新を続けることで自由な生き方を実現したい。

Tenacity(執念)をノートに書き込む

執念とは、「必ず叶える」と心に刻み、それを維持するということ。実はこれ、「毎日gritノートに手を加える&書いた目標を眺める」ということにより維持しやすくなります。出かける時にもノートは持っておき、ただただ、ノートを読み直したり、目標達成のために必要な情報を追記したりしてみてください。

例:

毎日、ノートにブログ記事を書くために調べた情報を書いていく。そして、1ページ目に書いた目標を眺めて、「これのために生きているんだ」と自分に言い聞かせる。

gritの構成要素が分かっても、「じゃあ何をするか」という部分が分からないと行動に移しづらいのではないかと思います。そこで僕がおすすめするのは、上記でご紹介した「gritノート」をつけること。行動は1つ。明確ですよね!

5. やり抜く力(grit)の測り方

実は、gritを発揮できている程度を測るためのツールが存在します。それが「グリット・スケール」。これについての詳しいことは、「6.やり抜く力(grit)のおすすめ書籍」で紹介している書籍、「やり抜く力GRIT(グリット)ー 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」にて詳しく解説されていますので、ここではその中のいくつかの項目を紹介するに留めます。

  1. 新しいアイデアやプロジェクトが出てくると、ついそちらに気を取られてしまう。
  2. 私は挫折してもめげない。簡単には諦めない。
  3. 目標を設定しても、すぐべつの目標に乗り換えることが多い。
  4. 私は努力家だ。

上記のような質問が、原著では計10問紹介されており、それぞれの得点を集計することにより、「自分のgritの程度」を測ることができます。

gritは後天的に高めていくことができる」という考えが前提となっていますので、体重計のようなものかもしれないですね。今の自分の状態を把握することで、モチベーションにつながるのではないでしょうか。

6. やり抜く力(grit)のおすすめ書籍

やり抜く力(grit)についてもっと詳しく知りたい方には、今注目されている本である「やり抜く力GRIT(グリット)ー 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」をおすすめします。先程ご紹介したグリット・スケールについても詳しく紹介されていますし、もっと深みのある一次情報を知れるのではないかと思います。

やり抜く力GRIT(グリット)ー 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」を読んでみたい方は、上記の画像をクリックするとAmazonのサイトに飛びます。

7. まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました!この記事をきっかけに、1つの目標を決め、それに向かってやり抜くこと(grit)を実践していただけると嬉しいです。何かに本気で取り組むことは、深い幸福感をもたらしてくれます。充実感のある人生を歩むためにも、一緒にgritを高めていきたいですね!