- 職場に怖い上司がいて、不安を感じながら仕事をしている
- 上司が怖くて萎縮する自分を「弱い」「情けない」と感じて責めてしまう
- 高圧的な上司に萎縮せず、受け流せる自分になりたい
本記事では、上記のお悩みを持つ方に向けて、臨床心理士が効果的な対処法や「怖い上司に萎縮してしまう自分」を変えていく方法をお伝えしています。
かくいう私も、過去に上司を怖いと感じ、萎縮してしまうことが何度もありました。
怖い上司がいると、職場にいる間はいつも不安を感じて、落ちつかなくなってしまいますよね…。
しかし、本記事に書いてある内容を実践することで、少しずつ自分らしく働けるようになっていったので、ぜひあなたも実践してみてください。
本記事の特徴は、臨床心理士だからこそお伝えできる、「上司に萎縮してしまう自分を変える方法」を解説していることです。
記事を読むことで、自分らしくリラックスして働く第一歩を踏み出すことができるようになるでしょう。
上司が怖くて萎縮してしまう悪循環

上司への恐怖感や萎縮は、仕事の「悪循環」を作ってしまいます。
どのような「悪循環」が生じているか、以下に記載しました。
- 過度に萎縮し、本来の力を発揮できない→ミスが増えて叱られる→自己嫌悪し、さらに力を発揮できなくなる

上記の内容を見て、「自分のことだ…!」と感じた方もいるかもしれないですね。
上司への恐怖感により萎縮しすぎてしまうことは、「パフォーマンス低下」という形で自分の足を引っぱってしまうのです。
また、パフォーマンス低下により、「自分はできない人なんだ…」と自分自身に対してネガティブなレッテルを貼ってしまうことにもつながります。
上司への恐怖感や萎縮はあらゆるデメリットを生んでしまうからこそ、意識的に対処していくことが重要です。
上司が怖くて萎縮してしまうときの基本的な対処法5つ

まずは、上司が怖くて萎縮してしまうときの、より一般的・基本的な対処法を5つお伝えします。
明日からできる内容なので、どれか1つでも行動に移してみるとよいでしょう。
スキルを身につけることに集中する
上司への恐怖感が強くて萎縮してしまうときは、とにかく「スキルを身につけること」に集中しましょう。
スキルを身につけることに集中すると、以下のようなメリットを得られます。
- スキルを高められる
- 上司のことが気にならなくなる
前提として、「上司から認められるために仕事をしているのではない」と認識するのが重要です。
スキルを身につけることを目的に職場へ行くようになれば、実際にスキルも高まりますし、上司のことも気にしすぎず過ごせるようになるので一石二鳥です。
挨拶や仕事に関するやりとりは欠かさない
上司に対して苦手意識を持っていたとしても、職場で対面した際は「お疲れさまです!」と笑顔で明るく挨拶をしましょう。
こちらの態度が悪くなると、上司との関係悪化はさらに加速し、今よりも職場にいるのがつらくなってしまいます。
また、上司からメールやチャットが来たら即レスする、仕事に関するやりとりはマメに行う、などの対応を取るのが重要です。
こちらの「落ち度」をできる限りなくすことによって、上司と対面したときの不安感を減らすことにつながるからです。
上司の言葉の「内容」だけに意識を向ける
怖い上司は、言い方や態度がきついことが多いですよね…。
しかし、ノンバーバルな部分に注意を向けすぎてしまうと、以下のような悪循環が発生してしまいます。
- 上司の怖い言葉・態度に注目する→肝心な業務に対する内容が入ってこない→聞き逃しが増える→ミスが増えて上司に怒られる
上記の悪循環を避けるためにも、とにかく言葉の「内容」にだけ注意を向け、理解できなかったときには、イライラされても良いので、何回も聞いてメモをとりましょう。
周囲の人に相談する
周囲の人に悩みを相談することは重要と知りながらも、つい自分だけで抱えてしまうこともありますよね。
しかし、自分を守るために、やはり相談は重要です。
とくに、相談には「感情焦点型の相談」と「問題焦点型の相談」があるので、以下に概要を記載しました。
感情焦点型の相談
悩みを話すことで、自分の感情を発散させることを目的とした相談。
家族や友人、同期などに愚痴を話したり、悩んでいることを打ち明けたりするだけでも、心が軽くなることがあります。
問題解決型の相談
悩みを話すことで、具体的な周囲の援助や対処をうながすことを目的とした相談。
例えば、ほかの部署の上司や、人事担当者などに相談し、異動を希望することなどは「問題解決型」の相談にあたります。
上記2つの相談を使い分けて、「心の余裕」を作っていくことが重要です。
異動や転職を検討する
上司への恐怖感を自分の中で強めてしまっているというより、実際にひどい対応を受けている場合にはとくに、異動や転職をして環境を変えるのが重要です。
しかし、ストレスで心が「麻痺」しているときは、上司がひどいのか、自分が繊細なだけなのか分からなくなってしまうこともありますよね。
おすすめなのは、上司から言われたことなどをメモにとっておくこと。
少し時間が経ってからメモの内容を見返し、「やっぱりこれはひどい」と感じた場合には、メモの内容をもとに人事担当者などに相談しましょう。
まずは異動を希望してみて、それが難しい場合には転職を検討するのも1つです。
怖いと感じる上司の3つの特徴

怖いと感じる上司の特徴を把握しておくことで、冷静に対処できるようになります。
以下には多くの人が怖いと感じる上司の特徴を3つに絞って解説しているので、思い当たる部分がないか確認してみてください。
言い方や表情・態度などが怖い
怖いと感じる上司は、以下のような言動や態度を取っていることが多いです。
- 大きな声で注意する
- 否定的なニュアンスの言葉が多い
- 表情が怒っているように感じる
- 大きな音を立てて物をあつかったり、歩いたりする
とくに、敏感に相手の気持ちを汲み取る傾向が強い方ほど、上記のような上司の特徴にストレスを感じてしまうことが多いでしょう。
仕事に対する要求水準が高い
上司からいつも「完璧な」仕事を求められると、プレッシャーを感じて萎縮することが増えてしまいます。
一度の小さなミスであっても見逃さず、叱られることが増えてしまうと、「またミスをしてしまうのではないか…」と不安が強まってしまうのです。
人によって態度が変わる
Aさんには優しく接するが、自分には厳しい、といったように、人によって態度が変わる上司に対しては、恐怖感が強まってしまいます。
なぜなら、「自分ができていないから、自分には厳しいのではないか」と感じてしまうようになるからですね。
また、「これから先も自分への対応が悪化していくのではないか…」という不安も強まってしまいます。
上司が怖くて萎縮してしまう心理的な理由

次に、上司が怖くて萎縮してしまう理由を、心理学的に解説していきます。
心理的な理由を理解することは、「萎縮してしまう自分」を変えていくきっかけになるでしょう。
過去に怒られたことがトラウマになっている
過去に強く上司から怒られたことがあると、それがトラウマとなり、上司への恐怖感が強くなってしまうことがあります。
怒られた状況はすでに解決しており、今では上司も自分に対して穏やかに接していたとしても、怒られたときの状況を繰り返し頭の中で「リピート再生」してしまっているわけですね。
過去のトラウマ体験と現在がごっちゃになっている状態ともいえるので、「過去は過去、今は今」と分けて考えることが重要です。
「周りからどう見られるか」を過度に気にしてしまっている
上司への恐怖感がある場合、「怒られている場面」をイメージして怖くなっていることが多いのではないでしょうか。
その「怒られているときの自分のイメージ」を少し冷静に眺めてみましょう。
怒っている上司と怒られている自分の周りには職場の人たちがいて、怒られている自分に対して「恥ずかしい」と感じているのではないでしょうか。
上司と1対1の関係ならさほど怖いとは思わない場合、本当に恐れているのは上司から怒られることそのものではなく、皆の前で怒られて恥をかくことなのです。
視点を変えると、本当の敵は「周囲からどう思われるか」を気にしすぎている自分、ともいえますね。
「人からどう思われてもいいや」と開き直ることで、一気に気持ちが楽になることがあります。
自分の仕事に自信が持てていない
自分の仕事ぶりに自信が持てていないと、上司への恐怖感が強くなってしまいます。
人が不安を感じるのは、以下の2つの思考がセットになったときです。
- 「自分は無力だ」
- 「周囲は脅威だ」
自分の仕事に自信が持てていないと、「自分は無力」と考えるようになり、周囲の脅威を実際よりも高く見積もってしまうケースがあるのです。
ただ、「自分は無力だ」という思考は、本当に100%的を得ているでしょうか?
そう「思っている」だけで、実際は仕事で出来ていることもあったり、助けてくれる人もいたりすることが多いものです。
まずは、「自分は無力だ」という思考に対して、「本当にそうかな?」と疑ってみることが重要です。
上司への怖いイメージを強化してしまっている
上司に対して「怖い」というイメージを自分の中で繰り返し「強化」してしまい、必要以上に上司に萎縮してしまうケースがあります。
- 上司から怒られたこと
- 上司の怖い表情
- 上司が他の社員を怒っている場面
上記のような過去の出来事を繰り返し頭の中で思い出し、実際の上司よりも怖い「偶像」が出来上がってしまうわけですね。
「怖い上司のイメージ」を繰り返し頭の中で再現することで、恐怖感を司る脳の神経回路がどんどん強化されていってしまいます。
「概念としての自己」にとらわれている
「概念としての自己」とは、ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)という心理療法の中で使われる言葉です。
自分自身に対して、「自分はこういう人」とレッテルを貼ってしまっている状態が、「概念としての自己」にとらわれている状態です。
例えば、上司から怒られてしまったとき、「自分はできない人だ…」と思ったとします。これが、「概念としての自己」ですね。

「怒られてしまった」という1つの出来事に対して、「自分はできない人」という固定的な決断を下してしまっているのがポイントです。
1つの出来事により「自分全体」が崩壊してしまう感覚になり、不安定な気分で毎日を過ごすことが多くなってしまいます。
上司が怖くて萎縮してしまう自分を変えていく方法

長期的な視点で見て、「上司が怖くて萎縮してしまう自分」を変えていくための方法を臨床心理士としての知識をもとに解説していきます。
大切なのは、「認知(考え方)」と「行動」それぞれに働きかけていくことなので、それぞれ分けてお伝えします。
認知面の対処
まずは、上司が怖くて萎縮してしまったときの「認知(考え方)」に焦点を当てて、対処法を解説していきます。
「怖い気持ち」を味わう
「上司が怖い」という気持ちを回避しようと思えば思うほど、そのネガティブな気持ちは長期間続いてしまいます。
逆に、「あー怖い!今日も怖かったなぁー!」と、ネガティブな気持ちを正面から味わうことにより、自然と恐怖心は薄まっていくのです。
例えば、お化け屋敷に入ったときに「怖くない…怖くない…」と思えば思うほど恐怖心は強まり、「キャー!」と叫んでしまったほうが怖くなくなるのと一緒ですね。
自分のネガティブな感情を受け入れ、解放してあげるのがポイントです。
恐怖への「とらえ方」を変える
恐怖心を「なくすべきもの」と考えることで、その感情は自分にとって「足を引っぱる存在」になります。
逆に、恐怖心を「活用しよう」と考えると、その感情は自分を後押ししてくれる存在になるのです。
心理学のストレス理論では、「ストレスは自分にとってプラスになる」と考えることにより、そのストレスから受けるネガティブな反応を軽減させられると考えられています。
逆説的な話しですが、「上司への恐怖心をエネルギーにしてスキルを身につけよう」「作業に集中しよう」と考えるようになると、上司への恐怖心が減っていくのです。
ぜひ、明日職場へ行ったら、「今日も上司への恐怖心をエネルギーにして、作業に集中するぞ!」と考えてみてください。
ユーモアを活用する
ユーモアを活用することで、上司への恐怖心を軽減させられる可能性があります。
怖いと感じる上司と対面することになった際は、頭の中で以下のような対応を行ってみましょう。
- 「フー!怖え〜!」と頭の中でテンション高く言ってみる
- 怖い上司とユーモラスなイメージを合体させる
例えば、「よく怒っている上司と蒸気機関車のイメージを頭の中で合体させてみる」などの工夫により、ユーモアの力で恐怖感を軽減させられます。
心理学では、刺激Aと刺激Bを関連させることで、新たな反応の仕方を自分に覚え込ませることができると考えられています。
- 上司に対する怖いイメージ(ネガティブ感情)
- 上司に対するユーモラスなイメージ(ポジティブ感情)
上記2つを関連づけることにより、ネガティブイメージとポジティブイメージが中和され、結果として上司への恐怖心が軽減される可能性があるわけですね。
「プロセスとしての自己」を意識する
「上司が怖くて萎縮してしまう心理的な理由」にて、「概念としての自己」にとらわれている可能性があることをご紹介しました。
「プロセスとしての自己」は「概念としての自己」とは反対の性質を持つ心の状態であり、「今この瞬間」に意識を向けている心の状態を示しています。
例えば、仕事でミスをしたときに「概念としての自己」にとらわれていると、以下のような思考が出てきます。
- 「ミスをした自分は、できない人だ」
反対に、「プロセスとしての自己」に意識を向けていると、以下のような思考が出てくるでしょう。
- 「自分はミスをした。落ち込んだなぁ。今、対策を立てている。」

概念としての自己に意識を向けていると「自分という存在そのもの」が脅かされるのに対して、プロセスとしての自己に意識を向けていると、自分の存在が脅かされることはなく、あくまで「今この瞬間」のみに注意が向いていることが分かるでしょう。
「自分は〇〇な人だ」と一般化してとらえるのではなく、「今、自分は〇〇という感情になっている。だから〇〇という行動を取ろう」といったように、あくまで「今この瞬間の事象」として物事をとらえるようにすると、心が楽になります。
行動面の対処
次に、職場の怖い上司に萎縮してしまう自分を変えていくために有効な「行動面の対処」をご紹介していきます。
行動面の対処は、認知面の対処と比べて目に見えるので、実践しやすい特徴を持っています。
認知面の対処が難しそうだなと感じた方は、まずは行動面の対処から実践してみるのも1つでしょう。
「すいません」を「ありがとうございます」に置き換える
職場で「すいません」を連発しているなと感じる方には、それを「ありがとうございます」に置き換えることをおすすめします。
理由を以下に記載しました。
- 言葉を起点として性格も変えられるから
- 上司と対等な関係を築きやすくなるから
それぞれの理由について、詳しく以下に解説します。
言葉を起点として性格も変えられるから
「言語相対性仮説」によると、「人間は使っている言葉によって性格が変わる」と考えられています。
例えば、アメリカ人にオープンな性格な人が多いのは、英語という言語が自己主張をはっきり行う特徴を持っているからであり、日本人に空気を読む人が多いのは、日本語の特徴が「察しの文化」を内包しているからである、と考えます。
つまり、「すいません」とよく言う人は、どんどん気の弱いナイーブな性格になってしまう、ということですね。
逆に、「ありがとうございます」とよく言う人は、ポジティブな性格になりやすくなります。
上司と対等な関係を築きやすくなるから
使っている言葉によって「相手からの印象」も変わります。
「すいません」とよく言う人に対して、相手は無意識のうちに「この人は自分よりも格下の相手なんだな」と思ってしまうようになるのです。(人間の愚かな側面ではありますが…。)
逆に、「ありがとうございます」とよく言う人に対しては、「この人は自分と対等な関係なんだ」と認識しやすくなります。
「ありがとうございます」という言葉を多く使うことで、上司と対等な関係を築きやすくなり、結果的に互いを尊重したやりとりが生まれやすくなるわけですね。
「馴化の法則」を活用する
「馴化(じゅんか)」とは、心理学の中でも「認知行動療法」と呼ばれる分野の中で使われる言葉で、恐怖や不安を感じる刺激に一定期間身をさらすことで、それらの感情が減っていく現象のことを示しています。
簡単にいうと、「慣れ」ですね。
どんなに怖いと感じる上司であっても、互いを鎖でつながれ、24時間一緒に生活することを強いられたら、さすがに上司への恐怖心はなくなるでしょう。(笑)
つまり、上司と関わる機会が増えれば増えるほど、実は恐怖心は減っていくものなのです。
とはいえ、自分が苦手意識を持っている上司である場合、わざわざ自ら関わりたいとは思わないですよね…。
おすすめなのは、その上司を好きになる必要はないので、自分をリラックスさせるために、「馴化の法則を活用しよう」と思って上司と関わることです。
自分の「苦手だな」という気持ちには嘘をつかず、行動だけは関わりを増やしていくのがおすすめです。
「良いこと日記(スリー・グッド・シングス)」を書く
上司への恐怖心によりメンタルが下向きになったときにおすすめなのが、「良いこと日記(スリー・グッド・シングス)」と呼ばれる、ポジティブ心理学で注目されているワークです。
やり方は簡単で、今日1日の中で良かったことやできたことを、夜寝る前に3つ書き出すだけです。
良いこと日記を続けることでポジティブ感情を自ら増やすことができ、上司への恐怖心などのネガティブな感情を中和させることにつながります。
良いこと日記に関しては過去の記事でも解説しているので、興味のある方は読んでみてください。
「マインドフルネス瞑想」を毎日行う
マインドフルネスとは、「今この瞬間に意識を向け、自分自身が体験していることをあるがままに受け入れ、観察している心の状態」を示しています。
上司への恐怖心で萎縮してしまっている場合、仕事中・プライベート問わず、以下のような思考が頭の中をグルグルと巡っていることが多いのではないでしょうか。
- 「ああ、今日も職場に行くのが嫌だなぁ…」
- 「今日は上司に何か怒られて、嫌な思いをするのではないか…」
- 「自分はどこで人生を間違えたのだろうか…?なぜこんな自分になってしまったのだろうか…?」
上記のような終わりのないネガティブな思考のことを心理学では「ネガティブな反すう」と呼んでおり、うつ病の発症や維持要因としてとても大きな要素を占めていると考えられています。
ネガティブな反すうを止めるのに有効と考えられているのが「マインドフルネス瞑想」であり、継続して生活に取り入れることで、気分の改善が見込めると実証されています。
マインドフルネス瞑想に関しては過去の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
大切なのは「心の柔軟性」を高めていくこと

上司が怖くて萎縮してしまう自分を変えていく方法として、以下8つをご紹介してきました。
<認知面の対処>
- 「怖い気持ち」を味わう
- 恐怖への「とらえ方」を変える
- ユーモアを活用する
- 「プロセスとしての自己」を意識する
<行動面の対処>
- 「すいません」を「ありがとうございます」に置き換える
- 「馴化の法則」を活用する
- 「良いこと日記」を書く
- 「マインドフルネス瞑想」を毎日行う
上記のような、「自分自身を楽にしてあげるための工夫」を総称して、心理学では「心の柔軟性」と呼びます。
メンタルの問題は、「心理学の知恵」で解決しましょう。
心の柔軟性を高めていくと、「自分はメンタルの問題に効果的に対処することができる」と認識できるようになります。そしてその自信が、メンタル面を安定させることにつながるのです。
心の柔軟性を身につけるために有効なのは、「柔軟に考える練習を毎日行うこと」です。
そして、柔軟に考える練習を毎日行ううえで近年注目されているのが、メンタルヘルスアプリの活用です。
メンタルヘルスアプリはかかるお金が少ないうえに、スマホ1つで心理面のエクササイズを継続できるため、日常に組み込みやすいわけですね。
過去の記事ではメンタルヘルスを目的としたアプリをご紹介しているので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
「本当にすごい上司」の特徴を知っておくのも有効

上司が怖いと感じている自分の負担を軽減するために有効なのが、「本当にすごい上司」の特徴を知っておくことです。
上司が怖くて萎縮しているとき、「自分がダメだから…」と責めてしまうこともありますよね。
しかし、上司のコミュニケーションの取り方に問題がある可能性は大いにあります。
上司の役割の1つは部下のマネジメントなので、部下を萎縮させる上司に関しては「マネジメントが上手くできていない」と考えることもできるのです。
コミュニケーションの取り方を含め、「本当にすごい上司の特徴」を知っておけば、「自分だけが悪い」と思ってしまうのを予防できます。
以下には、「本当にすごい上司の特徴」を3つ記載しました。
「肯定」から入る
部下のマネジメントに長けた上司は、例えば新人からの意見であったとしても、まずは「良いね!」と肯定から入ります。
なぜなら、部下からの意見が的を得ていないものであったとしても、それを頭から否定することは、部下のモチベーション低下につながることを知っているからですね。
肯定から入ることで、部下は安心して自分のスキルを伸ばしていくことができるようになり、長期的には「業績」という形で会社に還元されます。
部下を肯定できる上司は、部下の成長を促進させ、長期的には会社にとっての利益につなげることができるのです。
「人間性」には触れない
部下のマネジメントに長けた上司は、業務に関して注意することがあったとしても、特定の「事象」に対する注意のみを行います。
それも、ただ叱るのではなく、原因の特定と再発予防策を求めます。
対して、部下のモチベーションを低下させてしまう上司は、ミスをした部下の「性格」「人間性」など、プライベートな部分に対するダメ出しをしてしまうことがあるのです。
プライベートな部分に対するダメ出しをされた部下は、強いショックを受け、仕事に行くこと自体がつらくなってしまいます。
部下がミスをしたこと以上に、人間性に対してネガティブな言及をする罪は深いと言えるでしょう。
「失敗を活かすこと」をうながす
「本当にすごい上司」は、部下がミスをした際に、「そのミスを次回にどう活かすか?」を考えさせます。
なぜなら、ミスをただ責めたところで、生産性にはつながらないことを理解しているからですね。
ミスに対して、「なぜミスが生じたのか」「繰り返さないために何ができるか」を検討することが、生産性の向上へとつながるのです。
【本質】怖い上司との関わりよりも重視すべきこと

上司に対して恐怖心を感じて萎縮している場合、「怖い」というより、本当は「苦手」であることも多いです。
「心無いことを言われた」など、過去に「苦手」を裏づける出来事があり、それが恐怖心へと変化していった可能性があるわけですね。
私たちは単に厳しい人に萎縮するのではなく、「愛のない厳しさ」に萎縮します。
本質としては、そういった人に時間と労力を注ぐ必要はなく、「自分の人生にとって大切なこと」に時間と労力を注いでいくことが重要です。
以下には、時間と労力を注ぐことが望ましい3つの分野について記載しました。
大切な人との関わり
職場の人間関係は、会社を辞めれば「ゼロ」にリセットされます。
職場で信頼関係を築いていた人とは退職後も会うことがありますが、苦手だった人に関しては本格的に「他人」になりますよね。
だからこそ、自分の家族や恋人、友人など、「大切にしたい」と思う方との関係性に、より多くの時間と労力を注ぎましょう。
最も悲しいのは、職場の人間関係上のストレスが原因になって、大切な人との関係を犠牲にしてしまうことです。
つまりそれは、「どうでも良い人」によって、「大切な人」との関係性を間接的に奪われてしまったことになるわけですね。
上記のような悲劇を起こさないためにも、自分自身のメンタルケアが重要です。
自分の「強み」を活かすこと
職場で上司から指摘を受けると、「改善点を直すこと」に多くの労力を注がなければならない気がしてきますよね。
しかし、世の中に貢献できるのは、自分の強みを活かした仕事です。
なぜなら、自分にとって「弱み」であることが、Aさんにとって「強み」である場合、その仕事はAさんが行えば解決することだからです。
しかし、自分の「強み」に関しては、自分自身がそれを活かさないことによって、世の中にとって「損失」となります。
まずは、自分の「強み」を認識し、それを最大限に活かす方法を考えましょう。
過去の記事では、自分の強みの見つけ方について解説しているので、興味がある方は読んでみてください。
自分のやりたいことや目標
「上司に怒られないこと」を目的に仕事に行くようになると、毎日から楽しみが消えてしまいます。
逆に、「自分のやりたいことや目標」を実現するために仕事に行くようになると、毎日に対して「ときめき」を感じられるようになります。
そして、副産物的に「上司への恐怖心」などのネガティブな感情を抱きにくくなるのです。
「自分のやりたいことや目標なんてとくにないな…」と感じる方におすすめなのは、「5年後の月曜日、どんな1日を過ごしていたいか?」を想像してみることです。
月曜日といえば、多くの方にとって仕事がはじまる「標準的な1日」でしょう。
その1日について、「朝○時に起きて、近くに誰がいて、何をしている」といったように、具体的に想像してみるのです。
その想像を実現するために、今日自分は仕事へ行くのだと考えてみましょう。
まとめ:上司が怖くて萎縮してしまう悩みには、心理学が有効

本記事では、上司が怖くて萎縮してしまうというお悩みに対して、臨床心理士の視点から、対処法をお伝えしました。
執筆にあたって、「臨床心理士だからこそ伝えられる対処」を盛り込みました。
心理学の知見を活用しながら生活にメンタルヘルスケアを取り入れるのに注目を集めているのが「アプリ」の活用です。
過去の記事ではおすすめのメンタルヘルスアプリを解説しているので、自分に合ったアプリを見つけてみるのがおすすめです。
