- 仕事のストレスでメンタルが本当にきつい…。
- 明日も仕事に行くのが嫌でしょうがない…。
上記のようなお悩みを持つ方に向けて、臨床心理士が心を込めて記事を書きました。
仕事では人間関係の葛藤や自分の仕事ぶりに自信が持てないなど、「メンタルがきつい」と感じてしまう場面がたくさんありますよね…。
心の専門家である筆者が、仕事でメンタルがきついと感じた時の理由と対処法を、心理学的な視点を取り入れてパターン別に解説しています。
仕事でメンタルがきついと感じた時にやるべきことをなるべく具体的に解説しているので、記事に書いてあることを実践すれば、少しずつ心が楽になっていくでしょう。
仕事でメンタルがきついときの心構え2つ

まず、仕事でメンタルがきついと感じた時に持っていただきたいのは、以下に記載した2つの心構えです。
- 自分を責めない
- 心と身体を最優先に考える
それぞれについて、詳しく解説しますね。
自分を責めない
仕事でメンタルがつらい状態になってしまうのは、自分一人の問題ではなく社会全体の課題と言えます。
というのも、厚生労働省による「令和4年労働安全衛星調査(実態調査)」では、以下の結果が示されました。
過去1年の間にメンタル不調により連続1ヶ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は13.3%
引用:令和4年労働安全衛星調査(実態調査)|厚生労働省
日本全国の会社のうち、10分の1以上の会社でメンタル不調による休職者や退職者が出ていることが分かりますね。
つまり、仕事でメンタルがつらくて悩んでいる方はとてもたくさんおり、国をあげての課題と言えます。
「仕事でメンタルがつらい」というのは社会問題であると考えることもでき、自分の甘えなどでは決してないことが分かるのではないでしょうか。
心と身体を最優先に考える
仕事でメンタルがつらいと感じた時、何より大切にしたいのは自分の心と身体を最優先に考えることです。
仕事人生は長いですよね。仮に今仕事で上手くいっていなかったとしても、健康さえあれば、これからもっと良くなるチャンスはたくさんあるでしょう。
しかし、うつ病などのメンタル疾患に罹患してしまうと、長期的に自身の症状と向き合っていかなくてはならなくなります。
自分自身をストレスから守ることが、長期的なキャリア形成につながることが分かるのではないでしょうか。
今、一度立ち止まっても、キャリア全体に与える影響はわずかなものでしょう。
逆に、自分のキャリアについて考え、より良い方向へ向かうきっかけとなるケースもあります。
仕事でメンタルがきついまま働き続ける4つのリスク

以下には、仕事でメンタルがきついと感じたまま働き続けるリスクを4つ記載しました。
まずはリスクを知ることで、現状に変化を起こすモチベーションを高めてもらえたらと思います。
精神疾患のリスクが高まる
仕事でメンタルがきついと感じたまま放っておくと、過度なストレスにより精神疾患にかかってしまうリスクが高まります。
仕事のストレスにより罹患しやすい精神疾患を以下に記載しました。
- うつ病
- 不安障害(パニック症・強迫性障害など)
- 睡眠障害
- 適応障害
上記はストレス性の精神疾患と呼ばれ、誰でも罹ってしまうリスクがあるので注意が必要です。
また、「自分はすでに心の病気になっているのではないか?」と感じる方は、精神科や心療内科を受診しましょう。
身体疾患のリスクが高まる
仕事によるストレスがどのように表れるかは、人によって異なります。
メンタル不調は感じていなくても、身体の不調として表れることもあるので、注意が必要です。
仕事のストレスによりリスクが高まる身体疾患の一例を以下に記載しました。
- 自律神経失調症
- 蕁麻疹(じんましん)
- 突発性難聴
- 急性胃腸炎
- 過敏性腸症候群
また、心臓病や脳梗塞などの重い疾患も、ストレスが引き金となってしまうケースは多くあります。
職場のストレスが原因で上記のような疾患に罹ってしまったとしても、その原因となった職場の人々は、あなたの人生に責任をとってくれません。
だからこそ、自分を自分で守る必要があるのです。
成長速度が遅くなってしまう
仕事でメンタルがつらいと感じていると、自分自身のスキルアップにおいて成長速度が遅くなってしまうリスクがあります。
なぜなら、過度なストレスを感じていると脳の認知機能も働きが悪くなり、本来のパフォーマンスが発揮できなくなるからですね。
また、ネガティブな思考や感情に支配され、挑戦しようという意欲を失ってしまうこともあります。
上記の結果、長期的には仕事での成長を妨げてしまうことがあるのです。
「つらい時間」そのものがリスク
今の仕事がつらいと感じている場合、「つらい」と感じながら働いている時間そのものがリスクです。
人生において「仕事をする時間」は大きな割合を占めます。
「つらい」と感じながら働く時間が長いということは、人生における多くが「つらい時間」になってしまうということですよね。
「時間」は自分の人生そのものであり、そして有限です。
どうせ同じ時間を過ごすなら、少しでも楽しく生きたいと思いませんか?
仕事でメンタルがきついときの注意サイン

仕事でメンタルがきついと感じる場合、「今の自分はどの程度危険な状態なのか」を正しく把握することが重要です。
以下には、仕事でメンタルがきつい時の「注意サイン」を記載しました。
- 気分の落ち込みが2週間以上続いている
- 睡眠で悩んでいる(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒など)
- 休日に休んでも疲れが取れない
- 休みの日も仕事のことばかりを考えてしまう
- 自分に価値がないように思える
- 好きなことを楽しめない
- 理由もなく涙が出る
- 仕事を休んでしまう
- 肩こり・頭痛・吐き気・下痢などの身体症状がある
- 人と会いたくなくなる
- 「死」について考えることがある
上記のサインが一定期間続いている場合、早めの対処を行う必要があります。
思い当たるサインが出ている方は、この後解説する「仕事でメンタルがきつい状況を改善する3ステップ」を読み、アクションを起こすのがおすすめです。
仕事でメンタルがきつい状況を改善する3ステップ

仕事でメンタルがきついと感じており、対処をする必要があると感じている方は、以下に示す3ステップを実践してみてください。
- 現在のメンタル状態を正しく把握する
- 仕事でメンタルがきつい理由を把握する
- 理由に応じたアクションを起こす
それぞれについて、詳しく以下に解説します。
ステップ①:現在のメンタル状態を正しく把握する
風邪などで医療機関を受診すると、一番最初に体温計で熱を測ってもらいますよね。
それと一緒で、メンタルの問題を解決する際にも最初に行うのが「今の自分の状態を把握すること」です。
具体的には、現在の精神状態がどのような状態なのか、気分の落ち込みや不安の「程度」を測定する必要があります。
現在のメンタル状態を正しく把握するには、以下2つの方法があるので、参考にしてみてください。
メンタル状態を測定する「心理尺度」に回答する
心理学の主要な研究として、心の状態を把握するための尺度(心の状態を質問項目への回答によって把握する方法)の開発があります。
アンケートのようなものに答えることで、自分の状態を客観的に把握できるわけですね。
以下には、「仕事でメンタルがつらい」と感じている方におすすめな、信頼性の高い尺度を記載しました。
- PHQ-9:9つの質問に答えることで、現在の「憂うつレベル」を確認できる。
- GAD-7:7つの質問に答えることで、現在の「不安レベル」を確認できる。
- ベックうつ病調査表:21の質問に答えることで、抑うつ症状の重症度を確認できる。
- CES-D:20の質問に答えることで、うつ状態の症状や有無を確認できる。
※上記の心理尺度は精神疾患の診断ができるものではなく、あくまで「現在の自分の傾向」を確かめられるものなので注意が必要です。正式な診断は、医師のみが行うことができます。
上記のうち、PHQ-9やGAD-7は質問数が少なく、忙しい中でも短時間で行えます。
セルフケアの一環として心理尺度を活用する場合は、定期的なセルフチェックとして行うのがおすすめなので、上記2つの尺度は適していると言えるでしょう。
【Awarefy】という認知行動療法をもとにしたアプリを使うと、PHQ-9やGAD-7をはじめとした様々な心理尺度をいつでも実施できるようになるので、活用してみるのもおすすめです。
興味がある方は、過去の記事も読んでみてください。
医療機関を受診する
上記でご紹介した心理尺度に回答した結果精神疾患のリスクが高いと分かった場合や、抑うつ気分や不安感が強く出ていると感じる場合は、精神科や心療内科などの医療機関を受診しましょう。
医療機関を受診するメリットを以下に記載しました。
- 専門家による総合的な判断が期待できる
- 適切なアプローチを紹介してもらえる可能性がある
- 休職の必要性について判断してもらえる
精神科や心療内科を受診すると、精神科医による総合的な判断を期待できます。
うつ病や適応障害などの診断が出て、今の状態で働き続けることが困難と判断された場合には休職をすすめられることもあるでしょう。
休職をする場合、医師に診断書を書いてもらう必要があるので、かかりつけ医を持っておくことで、いざとなった時にも何かと安心です。
現在精神的に危険な状態にある場合は、専門家による正しい判断をもとに今後のアプローチを考える必要があるので、受診のメリットは高いと言えるでしょう。
ステップ②:仕事でメンタルがきつい理由を分析する
現在のメンタル状態を把握した結果、まずはとにかく休養が必要と判断した場合、会社を休職して療養に集中するのがおすすめです。
今は休職が必要なほどではないものの、働きながら何かしらの対処が必要と判断した場合、最初に行うのが「仕事でメンタルがきつい理由の分析」です。
仕事でメンタルがきついと感じる理由は人によって様々です。
これまでの仕事できつかったこと、つらかったことを紙に書き出し、共通点を見つけてみましょう。
やみくもに対処法を実践しても、自分自身が「きつい」と感じている理由に対応していなければ、時間と労力が奪われてしまうケースもあるので注意が必要です。
ステップ③:理由に応じたアクションを起こす
自己分析の結果、なぜ仕事でメンタルがきついのかわかったら、理由に応じたアクションを実行するのが重要です。
例えば、担当部署の環境が劣悪でメンタルがきつい場合、上司や人事に相談して部署異動の希望を伝えるというアクションが考えられるでしょう。
自分自身がネガティブに色々なことを考えてしまってつらい場合、環境を変えるというよりは「より柔軟に考える練習」を行うのが望ましいです。
この記事の続きでは、仕事でメンタルがきついと感じる場合にどのような理由があるのか、また理由別の対処法も解説しているので、ぜひ読み進めてみてください。
仕事でメンタルがきついと感じる理由をパターン別に解説

以下には、仕事でメンタルがきついと感じる理由にはどのようなものがあるのか、代表的なものをパターン別に3つ記載しました。
- ネガティブ思考に支配されているパターン
- 仕事内容が自分の適性に合っていないパターン
- 職場環境に問題があるパターン
それぞれについて、詳しく解説していきますね。
ネガティブ思考に支配されているパターン
仕事でメンタルがきついと感じている場合、自分自身のネガティブ思考に苦しめられているパターンが非常に多いです。
例えば、以下のようなケースが考えられるでしょう。
- 自分の仕事に自信が持てない
- コミュニケーションが怖い
- 職場で萎縮してしまう
上記のような悩みを抱える方の多くは、仕事中に以下のような思考がよく浮かんでくるのではないでしょうか。
- 「自分は周りからできないと思われているのではないか」
- 「分からないことを聞いたら叱られてしまうのではないか」
- 「一度でもミスをしてはいけない」
- 「自分は社会人として失格だ」
上記のようなネガティブ思考が仕事中ずっと頭の中を占めていると、業務への集中力も保ちづらくなり、更なるミスを生んでしまいます。
そして、「ほら、やっぱり自分はできない人なんだ」と考え、つらい気持ちになってしまうわけですね。
まずは、自分の思考と向き合い、より前向きに考える練習をするのが重要です。
仕事と萎縮の関係については過去の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
仕事内容が自分の適性に合っていないパターン
現在の仕事の中で実際に成果を出すことができておらず、「つらい」と感じているパターンも、もちろんあります。
例えば、以下の悩みを抱えている方は業務内容が自分の適性に合っていない可能性があります。
- やりがいを感じられない
- 仕事に興味を持てない
- 努力をしても成果を出せない
そもそも仕事にやりがいを感じていない場合、できるようになるための努力をするモチベーションが低い状態にあることが考えられるでしょう。
モチベーションが低いと、できるようになるための行動を起こす気になれず、なかなか実績がついてこなくなるケースがあります。結果として、自信ばかりが失われてしまうリスクがあるわけですね。
また、努力をしていてもなかなか成果が出ない場合も、今の業務内容の適性が自身にとってベストではない可能性があります。
まずは自分の「強み」を知り、強みを活かせる環境に身を置くことが、突破口となります。
職場環境に問題があるパターン
以下のようなケースに該当する場合、職場環境に問題がある可能性が高いです。
- 「パワハラ」や「いじめ」が横行している
- 安心して職場にいられない
- 業務量が多すぎる
パワハラ やいじめが個人のメンタルに与える悪影響は非常に強く、できるだけ早く環境を変えるのがおすすめです。
例えば、学校でいじめられている生徒に対して、「もう少し、自分でできることを考えてみよう」と言うのは適切でしょうか?
少しでも早く、まずはいじめが生じている現場と距離を置くことが重要ですよね。
パワハラ まではいかなくても、安心して職場にいられない場合や、業務量が多すぎてメンタル不調が生じている場合にも、環境を変えることを視野に入れるのが重要と言えるでしょう。
まずは、信頼できる上司や会社の人事部などに相談してみることが大切です。
仕事でメンタルがきついと感じる方へのパターン別対処法

上記では、仕事でメンタルがきついと感じる理由をパターン別に解説しました。
以下ではパターン別の対処法を解説しているので、参考にしてみてください。
ネガティブ思考に支配されているパターンへの対処法
仕事中に様々なことをネガティブ捉えてしまい、「きつい」と感じている方におすすめの対処法を以下に記載しました。
- 自分の「思考」に気づき、柔軟に考える練習をする
- 「できていること」に目を向ける
- ジョブ・クラフティングを実践する
それぞれについて、詳しく解説していきますね。
自分の思考に気づき、柔軟に考える練習をする
仕事中のネガティブ思考を改善したい場合、①自分の思考に気づくこと、②柔軟に考える練習をすること、の2点が重要です。
ネガティブ思考が強くなると、業務中に萎縮してしまい、実際にパフォーマンスを発揮できなくなることが非常に多いです。
つまり、自分で悪循環を作ってしまうわけですね。
ネガティブ思考を変えるためにおすすめな方法は、認知行動療法という気分を改善するための心理療法の中で使われるワークの1つである「コラム法」です。
コラム法は非常に簡単で、ネガティブな気分になったときに、以下の5項目を書き出すだけです。
<5つのコラム>
- 状況:ストレスを感じた出来事を書き込む
- 感情:その時に感じた気持ちを書き込む
- 思考:その時に頭の中に浮かんでいた考えを書き込む
- 適応的思考:自分にとってより有益で柔軟な考えを書き込む
- 感情の再評価:適応的思考を考えた結果、嫌な感情がどの程度改善したか書き込む
上記のワークを行うことで、少しずつ自分の思考傾向に気づき、より柔軟に考える練習ができるわけですね。
【Awarefy】という自分で認知行動療法を実践できるアプリには「コラム法」の機能が搭載されており、スマホ1つでいつでもどこでもコラム法を実践できます。
また、コラム法そのものについてもっと知りたい方は、過去の記事も読んでみてください。
「できていること」に目を向ける
仕事でメンタルがきついと感じている方こそ、「できていること」に目を向けるのが重要です。
仕事で「できていること」に目を向けるメリットを以下に記載しました。
- ポジティブ感情が増える
- 業務のパフォーマンスが上がる
ポジティブ心理学では、1日の中で「できた」「よかった」と思うことを毎日書き出すことでポジティブ感情が増え、パフォーマンスも向上することが実証されています。
「でも、実際に自分は仕事ができていないからな…」と思う方もいるかもしれません。
しかし、だからこそ、「できたこと」に注目する必要があります。
ポジティブ心理学の「拡張–形成理論」によると、ポジティブ感情が高まっている時のほうが創造性やパフォーマンスが向上し、結果が出やすくなると言われています。
- 「できなかったこと」に注目→ネガティブ感情が増える→パフォーマンスが下がる
- 「できたこと」に注目→ポジティブ感情が増える→パフォーマンスが上がる
上記のように、悪循環を好循環へと変えることができるわけですね。
ポジティブ感情を高めるためにおすすめなのが、「良いこと日記(スリー・グッド・シングス」というワークです。
やり方はとても簡単で、1日の終わりに「今日できたこと」を3つ書き出すだけです。
良いこと日記(スリー・グッド・シングス)の概要やアプリを活用して継続する方法について、過去の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
ジョブ・クラフティングを実践する
ジョブ・クラフティングとは、今の仕事に対して自分なりの「ひと工夫」を加えることで、より仕事をやりがいのあるものへと変えていく手法です。
アメリカイェール大学経営学大学院教授のエイミー・レズネスキー准教授・ミシガン大学のジェーン・E・ダットン教授によって2001年に提唱されました。
具体的なジョブ・クラフティングのやり方として、以下の3点があります。
- 作業クラフティング:現在の業務内容の中で自分の「強み」を活かせるよう工夫する。
- 認知クラフティング:仕事に対するモチベーションが高まるような「捉え方」を考案する。
- 人間関係クラフティング:職場での人間関係に変化を起こすことで、モチベーションを高める。
上記を実施することで、仕事に対するやりがい(=ワークエンゲージメント)を高めることができます。
実は、仕事を「つらい」と感じにくい方の特徴として、ワークエンゲージメントの高い方が挙げられています。
- Aさん:「上司に怒られないように頑張らなくちゃ…」
- Bさん:「どうしたらもっと仕事を楽しめるだろう?」
上記Aさん、Bさんのうち、より仕事中のメンタルが安定しているのはどちらだと思うのでしょうか?
きっと、Bさんはワークエンゲージメントが高く、仕事で失敗をしても前向きに捉えることができますよね。
ジョブ・クラフティングは仕事中のワーク・エンゲージメントを高め、結果としてポジティブ感情も高まるとても優れた手法です。
興味のある方は、過去の記事にてより詳しい内容をご覧ください。
仕事内容が自分の適性に合っていないパターンへの対処法
次に、現在の仕事内容が自分の適性に合っておらず、「メンタルがつらい」と感じるパターンへの対処法をお伝えします。
仕事内容が自分の適性に合っていない場合、自分の「強み」を認識し、強みを活かせる方向へと少しずつスキル・環境を近づけていくのがおすすめです。
具体的には、以下の4ステップになります。
- 自分の「強み」を認識する
- 今の職場の中で「強み」を活かせるよう工夫する
- 「強み」を活かしたスキルを獲得する
- より「強み」を活かせる会社に転職する
上記内容に関して、ステップに分けて解説していきますね。
ステップ①:自分の「強み」を認識する
現在の仕事内容が自分の適性に合っていないと感じる場合、最初に行うのがおすすめなのは「強み」を認識することです。
キャリア形成においては「とにかく自己分析が大切」とよく言われますが、知りたいのは「強みを認識する方法」ですよね。
心理学的には、自分の強みを認識するための明確な「正解」があるので以下に記載しますね。
- 「VIA-IS」「ストレングスファインダー」を受ける。
「VIA-IS」はポジティブ心理学で注目されてきた「強み研究」の集大成であり、自分自身の「性格的強み」を知ることができる検査です。(インターネット上で無料にて受検可能)
「ストレングスファインダー」は、心理学者によって開発された「自分の才能を知れる検査」です。(書籍購入またはWeb上で有料にて受検可能)
上記2つを受検し、自分の上位にある「性格的強み」「才能」を知りましょう。
また、より詳しい「自分の強みの見つけ方」に関しては過去の記事を参考にしてみてください。
ステップ②:今の職場の中で「強み」を活かせるよう工夫する
ステップ①で自分の上位にある「性格的強み」「才能」を認識したら、まずは現在の職場の中で自分の強みを活かせる方法を模索してみましょう。
- 仕事が合わない→転職する
上記のように考えてしまいがちですが、いきなり転職をしても「希望業界に未経験から入ることは難しい」「入社しても歯が立たない」などの壁に当たってしまうことも多いです。
大切なのは、今の環境の中で「ある程度強みを育ててから」環境を変えることです。
今の環境がつらい場合、今の環境を「強みの活かし方を模索するためのフィールド」と考えるようにすると、少し気持ちが楽になることもあるでしょう。
ステップ③:「強み」を活かしたスキルを獲得する
現在の職場の中で自分の強みを活かす工夫を取り入れつつ、徐々に転職に向けて「スキルの獲得」を目指していきましょう。
例えば、自分の強みが「論理的思考」や「思慮深さ」であると分かり、プログラマーに転職することでより自分の強みを活かせるのではないか、と考えたとしましょう。
上記の場合、仕事が終わった後や休日にプログラミングの勉強をしたり、資格取得をしたりする中で、徐々にスキルと実績を高めていきましょう。
スキルを獲得することで、希望業界への転職も叶いやすくなりますし、本当にその業界の仕事内容が自分の強みにマッチしているのか確かめることにもつながります。
ステップ④:より「強み」を活かせる会社に転職する
ステップ①〜③が完了したら、いよいよ転職活動を開始し、自分の強みをより活かせる会社へと転職しましょう。
転職の際に重要なのは、「業界」や「会社」ではなく、「作業内容」で転職先を選ぶことです。
なぜなら、仕事はあらゆる「作業」の集合体だからですね。作業に適性が合えば、自ずと結果は出しやすくなります。
例えば、自分の強みが「創造性」だと分かり、クリエイティブな企業に転職したとしましょう。
しかし、実際の業務内容のほとんどが「事務作業」だとしたら、この方は自分の強みを活かしきることができません。
- 「やっていて苦ではない作業」
- 「努力をさほどしなくても自然と上達しやすいこと」
上記は自分の「才能」です。才能と業務内容がマッチすることで、結果が自然とついてくるようになるでしょう。
強みや才能を十分に仕事の中で活かせていると「自分はよくできている」「人々に貢献している」と思えるようになり、自ずと仕事中にメンタルがつらくなることが少なくなります。
私が運営しているカウンセリングルームである心理相談室Happy Feelingでは、「自分の強みを見つけて理想のキャリアを手に入れる5日間プログラム」というカウンセリングプログラム(オンライン)を実施しています。
「カウンセラーによるマンツーマンのサポートを受けたい」と思われる方は、以下記事に詳細を記載しているので読んでみてください。
職場環境に問題があるパターンへの対処法
職場の人間関係が理由で安心して働けない、「パワハラ 」や「いじめ」が横行しているなどの場合、以下の3点が重要です。
- 信頼できる職場の人に相談する
- 「アサーション」を身につける
- 「パワハラ 」や「いじめ」が横行している場合は迷わず危機対応
それぞれについて、詳しく解説していきますね。
信頼できる職場の人に相談する
すぐに転職するほどではないものの、職場の人間関係や業務量が理由で「つらい」と感じる場合、とにかく信頼できる人に相談するのが大切です。
とくに重要なのは「誰に相談するか」ですね。
悩みの原因になっている相手に相談したとしても、解決につながりにくいことが多いでしょう。
- 信頼できる上司に相談:部署変更や業務変更などを検討してくれる可能性あり。
- 信頼できる同僚に相談:悩みに寄り添ってくれて気持ちが楽になる可能性あり。
上記のように、日頃から「信頼できるな」と感じている相手に相談すると、状況を改善する機会になり得ます。
また、職場で自分から見て近い関係にある人々ではなく、本社の人事や相談窓口など、少し距離のある相手に相談することで、客観的な視点で解決策を考えてくれるケースもあります。
とにかく、「一人で抱えない」ことが重要です。
「アサーション」を身につける
仕事上で不満が蓄積していたり、業務量が多すぎて「つらい」と感じたりする場合、「アサーション」を学び、身につけることで長期的なメリットを得られます。
アサーションは「自分も相手も大切にしたコミュニケーション技法」であり、スキルを身につけると、相手を尊重しつつも自分の本音を適切に伝えることができるようになります。
例えば、定時間際に上司から以下のような依頼があったとしましょう。
- 「この資料(2時間はかかる)、明日までに仕上げてもらえる?」
上記のケースにて、自己主張ができていないと以下のような結末になります。
- 「え・・分かりました・・。」→帰宅後、多大なストレスを感じ、上司に怒りを爆発させ、嫌な気分で退勤後の時間を過ごす。楽しみにしていた予定も台無しに。
アサーションを学ぶことで、以下のように答えられるようになります。
- 「大変申し訳ありません。今日はこの後大事な予定があって、残業が難しいんです。明日の午前中までに終わらせることはできるのですが、いかがでしょうか?」
上記のように答えれば、ストレスを溜めることもなく、退勤後の大事な予定も楽しめますよね。
アサーションには「DESC法」と呼ばれる作法のようなものがあり、何度も練習すると自然と実践できるようになります。
【Awarefy】というアプリでは、アサーションやDESC法に沿って自分の発言を書き込み、どのように伝えたら良いかを練習できる機能があります。
アプリを使えば「アサーションの練習」を日常生活に溶け込ませることができるので、とてもおすすめです。
「パワハラ」や「いじめ」が横行している場合は迷わず危機対応
「パワハラ 」や「いじめ」が横行している場合、自分の努力がうんぬんなどの話ではなく、「迷わず危機対応を行う」が正解です。
これは、学校で「いじめ」が発生した場合と一緒ですね。
人間関係に起因するトラウマは、長期的な人間不信や自らのメンタルをむしばむ結果になりかねません。自分を守るため、対応しましょう。
具体的には、以下のステップを踏んでください。
- 「パワハラ 」や「いじめ」の詳細を記録しておく
- 信頼できる会社の人に相談
- 部署異動を希望
- 3が難しい場合は転職
とくに重要なのは「1.パワハラ やいじめの詳細を記録しておく」です。
「いつ」「どこで」「何があったのか」を、加害者の発言内容や行動を含め、具体的に記録しておきましょう。
そして、その記録をもとに会社の人に相談することで説得力が増し、会社としては具体的な対応をせざるを得なくなります。
会社側が対応を行ってくれない場合、厚生労働省による「総合労働相談コーナー」などに相談しましょう。
とにかく、一人で抱えないことが大切です。
すでにメンタル不調が表れている場合、心療内科や精神科、カウンセリングなどを受けるのがおすすめです。
国内最大級のオンラインカウンセリングサービス【Kimochi】などのオンラインカウンセリングサービスなら、医療機関の敷居が高いと感じる方でも相談しやすいのではないでしょうか。
上記オンラインカウンセリングサービスは、国家資格である「公認心理師」がメンタル面の相談に乗ってくれるので、安心して利用が可能です。
仕事でメンタルがきつくて環境を変えたほうが良いケース

最後に、仕事でメンタルがきつく感じており、環境を変えた方が良いのか迷っている方に向けて、判断枠となる情報をお伝えします。
以下のケースに該当する場合は、部署異動・休職・退職・転職のいずれかの対応を行うのがおすすめです。
すでにメンタル不調が生じている
職場でのストレスが原因となり、「睡眠に問題が生じている」「2週間以上気分の落ち込みが続いている」などの場合は、すでにメンタル不調が生じていると言えます。
心療内科や精神科を受診し、診断書をもらって休職をするか、経済的に問題がなければ一度離職して休養期間を作るのも1つでしょう。
「休職」と聞くと尻込みしてしまう方も多いかもしれませんが、社内に休職制度がある場合は、経済的不安を減らしながら休養を取れるので、安全な策でもあります。
休職中にどのように過ごしたら良いか分からない場合、認知行動療法をもとにしたアプリである【Awarefy】に搭載されている「学習コース」を一度受けてみるのがおすすめです。
「職場復帰に備えるスキルが身につく」という学習コースがあり、こちらに取り組めば、休職中の「道標」となってくれるはずです。
職場環境が劣悪
「いじめ」や「パワハラ 」が生じている場合、基本的には今の環境から離れたほうが良いでしょう。
例えば、学校で「いじめ」が起きている場合、いじめられている生徒に「もう少しコミュニケーションを改善して頑張ってみよう」と言うのはナンセンスですよね。
パワハラやいじめの場合は個人が改善策を探すのではなく、「危機対応」と考えるのが正しいのです。
自分を守ることを最優先に考えて、信頼できる会社の人や外部機関に相談しましょう。
メンタル疾患の診断があるのに休職できない
メンタル疾患の診断が医師から出ているにも関わらず、会社で休職が認められない場合、その環境に身を置くことは危険と言えるでしょう。
メンタル疾患は、放っておくと回復に時間がかかったり、再発リスクが高まったりする特徴を持っています。
うつ病や適応障害などの診断が出ているにも関わらず休職が認められない場合は、離職後にハローワークにて失業給付の手続きを行い、失業手当をもらいながら回復に努めるなどの方向が考えられます。
メンタル疾患をお持ちの方の就職支援を目的とした福祉サービスである「就労移行支援事業所」などもあるので、離職中は専門家によるサポートを受けながら再就職に向けた準備をするのもおすすめです。
就労移行支援事業所については、過去の記事を参考にしてみてください。
本当は「やりたいこと」がある
本当は経験してみたい職業があって、それを我慢しながら現在の職場で働き、メンタルを消耗してしまっている場合、やはり現在の会社を辞め、希望業界への転職を検討してみるのがおすすめです。
実は、「自分に嘘をつき続けること」はメンタルを消耗します。
「こんなはずじゃなかった」という思いが日々膨らみ、現在の業務に集中できなくなったり、メンタルが落ち込んでしまうケースなどもあるでしょう。
「仕事がつらい」と感じる本質的な原因はここにあるケースも多いです。
ただし、やみくもに転職活動を行うのはおすすめできません。
まずは、経験してみたい職種について調べてみたり、スキルを身につけてみたりと、空いている時間に少しずつ「準備」をはじめましょう。
まとめ:「仕事でメンタルがきつい」理由に応じた対処法の実践が大切!

今回は、仕事でメンタルがきついと感じるパターン別の理由や対処法を臨床心理士の立場から解説しました。
記事に書いてある「パターン」の中に該当するものがあった方は、ぜひそのパターンに対応した対処法を実践してみてください。
仕事でメンタルがきついと感じる理由は人によって異なるからこそ、理由に応じた適切な対処が必要なわけですね。
まずは、小さな変化を起こしていくことが重要です。
