- 仕事中にネガティブ思考がやめられなくてつらい…!
- ネガティブ思考は良くないと思いながらも、ついネガティブに考えてしまう。
上記のようなお悩みを持つ方に向けて、臨床心理士がおすすめの対処法を3つご紹介します。
ネガティブ思考は心の癖なので、自分でも意識しないうちに仕事中のストレスを自ら増やしてしまうことがあります。
本記事の内容を読むことで、ネガティブ思考に対して適切に対処する方法を学び、晴れやかな気持ちで働く第一歩を踏み出すことができるでしょう。
仕事中にネガティブ思考が出てきてしまう状況とは?

仕事中にネガティブ思考が出てくるのは良くないと感じながらも、つい良くない方向へと考えてしまいますよね。
例えば、以下のような状況が考えられるでしょう。
- ミスをしてしまい、上司に叱られたとき
→「こんなこともまともにできない自分は社会人として恥ずかしいな…。」
- 同僚が成果をあげたり、昇進したりしたとき
→「それに比べて自分は仕事ができないな。能力が低いのだろうか…。」
- 上司や同僚の自分への当たりが強いと感じたとき
→「いつも自分は人からイライラされてしまうな…。」
- 新たなプロジェクトへの参加を上司から勧められたとき
→「引き受けてもどうせ上手くこなせないだろう…。」
上記のように考えることで、仕事中にはいつも不安な気持ちが隣り合わせで、自分に自信が持てない状態が続いてしまうこともあるでしょう。
まずは、自分のネガティブ思考がどのようなものなのか、冷静に把握していく姿勢が重要です。
仕事中のネガティブ思考が与える悪影響

仕事中にネガティブに考えることは、あらゆる面に悪影響を与えてしまいます。
代表的なものを、以下に記載しました。
仕事のパフォーマンスが落ちてしまう
人が一度に注意を向けられるエネルギーは限られており、ネガティブ思考が仕事中にたくさん浮かんできている方は、注意の多くが「自分自身のネガティブ思考」に向いてしまっています。
その結果、上司からの指示や同僚間で交わされる連絡事項などに注意が向かなくなってしまい、把握できていないことなどが増えてしまうわけですね。
自身の業務にもネガティブ思考が邪魔をして身が入らなくなってしまい、仕事のパフォーマンスが落ちてしまいます。
職場に行くのがつらくなってしまう
仕事中にネガティブに考えることが多いと、小さなミスや他者から言われたことなどを必要以上に大きく捉え、落ち込んでしまうことが多くなります。
結果として、職場に行くのがつらくなってしまうわけですね。
- 「明日も何かミスをしてしまうのではないか」
- 「誰かに叱られてしまうのではないか」
上記のように考え、いつもビクビクしながら仕事をしなくてはならなくなります。
仕事と「萎縮」の関係については過去の記事でも解説しているので、参考にしてみてください。
自己肯定感が下がってしまう
例えば仕事でミスをしてしまったとき、「再発予防に向けて〇〇のような対策をしよう」と前向きに考えれば、自己肯定感が下がることはありません。
しかし、ネガティブに捉えてしまう方は、「こんなミスをするなんて、自分は仕事ができないな」と「自分全体」に一般化した解釈をしてしまうことが多いと言われています。
結果として、自己肯定感が下がってしまい、仕事以外の時間でも自信がなくなってしまうわけですね。
精神疾患のリスクが高まる
仕事中にネガティブに考える習慣が続くと、精神疾患を発症させてしまうリスクが高まります。
とくに、うつ病や適応障害などのストレス性の精神疾患は仕事中のネガティブ思考と密接に関連しており、放っておくと治療に時間がかかってしまうこともあります。
早めに対策をして、今よりも柔軟に考える練習を始めるのが重要です。
仕事中のネガティブ思考を改善する3つの方法

それでは、仕事中のネガティブ思考を改善する方法を臨床心理士が解説していきます。
具体的には、以下に示す3つの方法があります。
- ネガティブ思考に気づき、変えていく方法
- ネガティブ思考を受け流す方法
- ネガティブ思考を「すぐできる行動」により解消する方法
以下にそれぞれの詳細を記載するので、まずは「やれそうだな」と思ったものから実践してみると良いでしょう。
ネガティブ思考に気づき、変えていく方法
ネガティブ思考を改善する最もオーソドックスな方法が、以下2つの手順でより柔軟な思考を身につけていく方法です。
- 自分のネガティブ思考に気づく
- より柔軟な思考を考える
以下に、それぞれの詳細を記載しますね。
自分のネガティブ思考に気づく
認知行動療法といううつ病への治療効果が高いとされている心理療法では、気分を落ち込ませてしまったり、不安を強めてしまう思考の特徴を「認知の歪み」と呼んでいます。
以下に、10種類の「認知の歪み」を記載しました。
| 認知の歪みの名称 | 説明 |
| 全か無か思考 | 「私は仕事ができないorできる」といったように、全か無か(0か100か・白か黒か)と2分して考えてしまう。 |
| 一般化のしすぎ | 1回のミスで「自分は社会人失格だ」と考えてしまうなど、すぐに一般化して考えてしまう。 |
| 心のフィルター | ネガティブな色眼鏡を通して世界を見てしまう。 |
| マイナス化思考 | 失敗した時には「ほら、やっぱり自分はダメなんだ」と考え、成功した時には「今回はたまたま上手くいっただけ」と考えてしまう。 |
| 結論の飛躍 | 1.心の読みすぎ「あの人は自分を下に見ているに違いない」など、確認なしに相手が自分をどう思っているか解釈してしまう。 2.先読みの誤りまだ起きていないことに対して「悪いことが起きる」と勝手に解釈してしまう。 |
| 拡大解釈・過小評価 | 失敗したことは過度に大きくとらえ、成功したことや自分の強みは過小評価してしまう。 |
| 感情的決めつけ | 「こんなに不安なんだからプロジェクトに参加するのをやめよう」と考えるなど、今の感情だけを理由に行動を決定してしまう。 |
| すべき思考 | 自分や他者に対して「〜すべき」「〜すべきでない」など、厳格なルールを課して苦しくなってしまう。 |
| レッテル貼り | 「できる人」「できない人」など、自分や他者に対して固定的なレッテルを貼ってしまう。 |
| 個人化 | ネガティブなことが起きた時、自分のせいだと勝手に解釈してしまう。 |
まずは、仕事中に出てきているネガティブ思考の中で、上記10項目に該当しているものがないかチェックしてみるのがおすすめです。
「とくにこの認知の歪みが多いな」という気づきが得られれば、今の状況を改善するのに重要な切符を手にしたと言えるでしょう!
より柔軟な思考を考える
自分が仕事中にどのようなネガティブ思考を抱くことが多いか分かったら、次に「柔軟に考える練習」を開始しましょう。
認知行動療法の中でも代表的なワークである「7つのコラム」を活用すると、より効果的に自分の思考を改善させることができます。
「7つのコラム」では、名前の通り以下に示す7項目に沿って出来事や感情、思考などを記載するだけで柔軟な思考の練習ができます。
<7つのコラム(例)>
| 1. 状況(出来事) | 会議中に上司から意見を求められたが、良いアイデアを伝えられなかった。 |
| 2.感情 (%) | 落ち込み(80%) 焦り(80%) 不安(70%) |
| 3.思考 | 「上司から使えないやつだと思われただろうな」 「意見を言えないなんて、今まで自分は何を学んできたんだろう。社会人として恥ずかしい」 「また意見を聞かれても、どうせ上手く発言できないだろう」 |
| 4.根拠 | ・実際にありきたりな意見しか言えなかった ・自分の意見への上司の反応は薄く、すぐに次の話題に移った |
| 5.反証 | ・何も意見を言えなかったわけではない ・上司から何かネガティブな返答が返ってきたわけではない |
| 6.適応的思考 | 「何も言えなかったわけではないし、次回の会議までに知識を広げて、より有意義な意見を言えるよう努力すれば良いだろう」 「これと言って意見がないときに、無理に捻り出す必要はない。良いアイデアがあるときに発言すれば良い」 |
| 7.感情の変化 | 落ち込み(40%) 焦り(20%) 不安(30%) |
上記のように、7項目に沿って自分の考えを書き出す練習をしていくことで、少しずつ柔軟な思考が養われていきます。
7つのコラムについてより深く知りたい方は、過去の記事を参考にしてみてください。
ネガティブ思考を受け流す方法
最近の心理学では「ACT(Acceptance and Commitment Therapy:アクセプタンス&コミットメントセラピー)」の考え方が注目されています。
ACTでは、自分のネガティブ思考を無理に変えようとするのではなく、受け入れる、あるいは受け流す、という考え方をします。
その代わりに、自分の価値観に基づいた行動にコミットすることを重視するわけですね。
- 従来の認知行動療法:ネガティブ思考をより柔軟なものに変えることを目指す。
- ACT:ネガティブ思考を受け入れ、自分の価値に基づく行動にコミットすることを目指す。
例えば、仕事でミスをしてしまい落ち込んでしまったとき、「自分はダメだなぁ」と思ったとします。
従来の認知行動療法なら「これは偏った思考だから、より柔軟な思考に修正しよう」と考えます。
しかし、ACTでは「”自分はだめだなぁ”という思考が出てきたな」とそのまま価値判断をせず観察し、「ところで、仕事で自分は何を達成したいんだっけ?どんな行動が必要?」と自分にとって必要な行動に意識を向けるわけですね。
「ネガティブ思考を改善する」という従来のやり方が合わないと感じた方は、ACTを学んでみるのも1つでしょう。
ACTに関しては、過去の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
ネガティブ思考を「すぐできる行動」により解消する方法
仕事でネガティブに考えてしまって気分が落ち込んでしまう場合、ネガティブに考えてしまう自分の「癖」にアプローチしていく必要があります。
具体的には、以下に記載する2つの方法がありましたよね。
- ネガティブ思考に気づき、変えていく方法
- ネガティブ思考を受け流す方法
上記は確かに重要なのですが、自分の思考を柔軟に変えたり、ネガティブ思考を受け流すスキルを身につけるには少し時間がかかります。
すぐにできる行動としては、以下のようなものがあるでしょう。
- 運動をする
- 自分の趣味に没頭する
- 仲の良い人に相談する
- 美味しい物を食べる etc…
とくに、運動にはストレス解消効果があり、作業効率を高めてくれる効果もあるのでとてもおすすめです。
上記のように、ストレスがたまったときに意識的に行動に移すことを心理学では「ストレスコーピング」と呼びます。
思考へのアプローチと組み合わせ、すぐにできることとして「自分だけのストレスコーピングリスト」を作ってみるのもおすすめです。
仕事中のネガティブ思考で悩んでいる方におすすめのアプリ

今回の記事では、仕事中のネガティブ思考を改善させる為の方法を3つご紹介しました。
- ネガティブ思考に気づき、変えていく方法→「7つのコラム」
- ネガティブ思考を受け流す方法→「ACT」
- ネガティブ思考を「すぐできる行動」により解消する方法→「ストレスコーピング」
上記3つでしたね。
筆者も愛用している【Awarefy】という認知行動療法をもとにしたアプリでは、上記3つの要素がすべて機能として搭載されています。
7つのコラム
Awarefyでは、「3コラム法」「5コラム法」「7コラム法」と、用途に合わせて3種類のコラム法を簡単に実践できる機能が搭載されています。
7コラム法が最もオーソドックスですが、3コラム法や5コラム法は短縮版なので、時間がないときにも無理なく続けられるでしょう。
スマートフォン上で「柔軟な思考」の練習ができるので、仕事の休憩や帰りの電車の中でも記録を続けられて非常に便利です。
マインドフルネス瞑想の導入音声(ACTの基礎を実践できる)
上記でご紹介した「ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)」の基礎にあるのは、マインドフルネスという心の状態です。
マインドフルネスは「自分の思考に価値判断をせず、今この瞬間に意識を向けること」と定義されており、ネガティブ思考を受け流すうえで欠かせない考え方です。
マインドフルネス瞑想を習慣化することにより「ネガティブ思考を受け流す心の状態」を作ることができるのですが、Awarefyの中には200種類以上の導入音声が搭載されています。
「朝の瞑想」「夜の瞑想」「電車の中で行える瞑想」など、状況に合わせた豊富な音声を聴けるので、マインドフルネスを習慣化しやすくなるでしょう。
コーピングリスト
Awarefyには「コーピングリスト」も搭載されています。
コーピングリストとは、ストレスへの対処法を意味する「ストレスコーピング」を記録しておける機能です。
実際に行ってみて「自分に合っているな」と思ったストレスコーピングを記録しておけるので、いざストレスが蓄積した時に見返せば、迷わずストレスへの対処法を実践することができるでしょう。
「おすすめの行動」も記載されているので、自分にはどのようなストレスコーピングが合っているのか分からないという方も、おすすめ行動をもとにストレス対処の引き出しを増やしていくことができるのではないでしょうか。
スマホ1つでネガティブ思考への対策ができ、しかも認知行動療法の枠組みに沿ったワークが搭載されているAwarefyは、仕事上でのメンタルヘルスを追求したい方にとくにおすすめなアプリです。
興味がある方は、過去の記事も読んでみてください。
まとめ:仕事中のネガティブ思考に対しては、積極的に対策するのが大切!

本記事では、仕事中のネガティブ思考が及ぼす悪影響や、具体的な対処法をご紹介しました。
まずは、本記事でご紹介した内容のどれでも良いので、とにかく「アクション」を起こしてみるのがおすすめです。
ネガティブ思考をそのままにしておくと、仕事だけでなくプライベートにもネガティブな考えが悪影響を与えてしまう可能性があるので、早めに対処するのがおすすめなのです。
アプリを活用することでアクションを起こすハードルを下げることができ、ネガティブ思考を改善するための習慣も身につけやすくなるのでとてもおすすめです。
