こんにちは!横浜で心理士として働いているにっしーと申します。
最近、僕は「苦しかったときの話をしようか」という本を読んたので、その感想をお伝えしてみたいと思います。これから読んでみようと思う方にとって、有益な事前情報となれば幸いです。
1.「苦しかったときの話をしようか」とは
「苦しかったときの話をしようか」とは、戦略家・マーケターである森岡毅氏が、これから社会人になろうとしている最愛の娘に向けて綴った「働くことの本質」が書籍化されたものです。なので、お父さんが娘に向けて語っているような文体になっているのが特徴です。
そして、そのメッセージというのは、僕たちのような社会人みんなにとっても価値の高いものです。僕は心理学を学んでいるのですが、「強みを磨け!」という森岡氏のメッセージは、ポジティブ心理学とも相通じるものがあるなと思いました。
※ポジティブ心理学に関する記事はこちら!スマホの方はタイトルをダブルタップしてください。
2. 本の著者、森岡毅氏はどんな方?
世間知らずな僕は、この本を読むまで著者のお名前は認識していませんでした。しかし、実はこの本を知る前から、僕はすでに著者と出会っていたようです。
というのも、僕は2021年の8月に埼玉県所沢市にある「西武園ゆうえんち」に遊びに行ったのですが、そのコンセプトに感動していたのです。
西武園ゆうえんちは言ってしまえば「ボロい遊園地」なわけですが、そこに「昭和」というコンセプトが加わることによって、逆に「新しい」空間が表現されていました。昭和の街並みの中にオシャレをした若い女性が溶け込み、「インスタ映え」を狙って写真を撮る姿が印象に残っています。
そこからインスピレーションを受けて、僕は昭和を題材にしたイラストを描き始めたくらいですからね。
(笑)
そして、この本に出会ってから、著者の森岡氏こそが、その西武園ゆうえんち再建の立役者であることを知ったのです。
詳しくは、こちらの記事が解説してくれています。
僕はその時すでに、遊園地を通して著者と出会っていたことになります。素人の僕は、「この遊園地も、会社の企画部の方が色々と案を練って人気を取り戻したんだろうな」と漠然と考えていたのですが、まさかその張本人こそがこの本の著者だったとは。森岡氏は、ユニバーサルスタジオ・ジャパンの経営を立て直したことでも有名です。
2. 「苦しかったときの話をしようか」の重要ポイント
ここでは、この本を読んでみての、僕なりの「重要ポイント」をまとめてみたいと思います。
2-1. 「パースペクティブ」という概念
著書の中では、「パースペクティブ」という言葉が繰り返し出てきます。これは、「本人が認識できる世界」を意味しているのですが、この本の中ではまさに著者が経験の中で得てきたパースペクティブを余す所なく提供してくれています。
例えば、会社員として、給与のため、会社の為に働くという「パースペクティブ」を一般的なサラリーマンは持っていますが、実は日本などの資本主義社会は「資本家」を中心にシステムが出来ており、投資をして人に働いてもらう、という選択肢もあることを教えてくれています。もちろん、会社員として働くことも、資本家として世の中を回すことも「正解」ではありますが、複数の選択肢があるのだというパースペクティブを持っておくことが大事であると著者は言っているようです。
個人的には、「職能(スキル)を磨け」というパースペクティブが心に残っています。これからの時代、変化が激しくなるからこそ、より人間にしかできない技が重要視されるようになるとのこと。転職をするとかしないとかという次元ではなく、どこへ行っても専門性やスキルを活かせるようになることが重要であるようです。
2-2. 自分の「強み」を磨くこと
会社は、君が苦手分野を人知れず克服することにお金を払っているのではない。会社は君の「強み」にお金を払っているんだ。
この一文は、僕にとって衝撃的でした。著者は、弱みから成功が生まれることはなく、必ず成功というものはその人の「強み」から生まれると言っています。だから、とにかく強みを磨くことに集中することが大切なようです。
この考えは、僕に勇気をくれました。「それでいいのか。強みを伸ばすことに集中していいのか」と思えたのです。僕は、弱い部分を克服することをある程度諦める代わりに、強みを伸ばしていくことにはしっかりと力を入れていきたいと思います。
自分の強みの見つけ方として、著者は「動詞」から考えるワークを推奨しています。具体的には以下の手順です。
①付箋100枚分、自分が好きな「動詞」を書き出す。
例)散歩をする、物語を考える、人と話す など
②付箋100枚分の好きな動詞を書いたら、それを、「T(Think)」「C(Communication)」「L(Leadership)」「その他」に区分けする。
※T(Think)は考えることに関連した動詞、C(Communication)は人と関係を持つことに関連した動詞、L(Leadership)は人に影響を与えたり、人を先導したりすることに関連した動詞です。
実際にやってみたので、ちょっと写真を載せてみますね。
T(Think)・C(Communication)・L(Leadership)の中で、最も付箋が多く貼られたものが自分の「強み」であることが多いようなのですが、僕はTが最も多く、その次にCが多かったです。
付箋に書かれた内容を見ると、T、つまり考えることの中でも、何かのシナリオを考えたり、文章を考えたり、作曲をしたりと、僕は何かを「創る」ことに関連した思考に強みがあるようです。自分の強みを知る一助になると思うので、皆さんもぜひやってみてください。
因みに、自分の強みを見つけるための心理学的な方法も以前の記事で紹介しているので、良かったらご覧ください!
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2-3. 好きなことに熱中しよう
先ほど、「成功は強みからしか生まれない」という言葉を紹介しましたが、「強み」は可能性として持っているものであり、磨く努力をしないと光ることはありません。そこで必要になるのが「継続」なわけですが、自分が好きなことでないと継続することは難しいと著者は言っています。強みを、本当に社会の中で輝けるようにする為には継続が必要であり、その為には好きなことに取り組む必要があるということです。
2-4. コンフォート・ゾーンから出ることの大切さ
コンフォート・ゾーンとは、慣れ親しんだ心地よい環境のことを示します。人間には種を保存したいという本能的な衝動があるため、なかなかコンフォート・ゾーンから出ようとしなくなってしまうわけです。
しかし、死ぬ間際になって、挑戦をせず安全のみを考えた人生に納得できるでしょうか?成長をしたり、深い喜びを得たりする為には、意識的にコンフォート・ゾーンから抜け出し、挑戦する必要があります。挑戦をするからこそ失敗するのであって、失敗は「勲章」とも言えますよね。挑戦せず、失敗せず、死ぬ間際に後悔する人生と、挑戦して、失敗して、死ぬ間際に微笑んで死ねる人生、あなたはどちらを選びますか?
3. まとめ
今回の記事では、戦略家・マーケターである森岡毅氏による著作である「苦しかったときの話をしようか」を読んでみての感想をお伝えしました。ぜひ、この記事を読んでポイントを押さえたあなたも、原著にあたってみてくれると嬉しいなと思います。
また、途中で紹介したワークもぜひ行ってみていただけると嬉しいです♪それでは、今回もお読みいただきありがとうございました!