- 障がい者雇用での就職を考えている
- おすすめの障がい者雇用に特化した転職エージェントを知りたい
本記事は、上記のようなニーズに対応しています。
障がい者雇用に特化した転職エージェントを活用すれば、効率的に自分の障がいや特性に合った企業と出会えるので、とてもおすすめです。
しかし、どのような転職エージェントがあるのか分からず、二の足を踏んでしまうこともありますよね。
臨床心理士、かつ就労支援員である筆者が、おすすめの障がい者雇用に特化した転職エージェントを13社に厳選してまとめたので、ぜひ就職・転職活動にお役立てください。
本記事を読めば、障がい者雇用に特化した転職エージェントの全体像を把握し、自分に合った転職エージェントを見つけられるでしょう。
障がい者雇用に関する基礎知識
本記事では障がい者雇用に特化した転職エージェントをまとめてご紹介していきますが、そもそも障がい者雇用とはどのようなものかを知りたい方も多いと思います。
以下に障がい者雇用の概要を解説しました。
概要は飛ばして早くおすすめのエージェントについて知りたい方は飛ばしていただいてもOKです。
そもそも障がい者雇用とは?
障がい者雇用は、一般企業の中で、「障がい者枠」として採用される場合を言います。
一般雇用と比べて給料が下がってしまうことが多いのがデメリットですが、長期就労に向けて様々な配慮を受けながら就労できるのが特徴です。
企業には「法定雇用率」と呼ばれる決まりがあり、一定の従業員数を抱える企業は障がい者雇用枠にて障がい者を雇うことが義務付けられています。
2021年には法定雇用率が全従業員の2.3%へと引き上げられており、大企業を中心に障がい者の採用を積極的に行っているので、障がいを抱える方にとって働きやすい環境が整いつつあると言えるでしょう。
障がい者就労の4パターン
精神疾患、身体障がい、知的障がい、内部疾患などを持つ障がい者が就労する場合、主に以下に示す4パターンの働き方が考えられます。
就職活動を始める前に、自分がどのような働き方に合っているのか把握しておきましょう。
パターン①:障がい者雇用枠
一般企業の中に「障がい者雇用枠」が設けられていて、障がい者雇用枠として採用されるパターンです。
障害者雇用促進法43条第1項によれば、「従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を法定雇用率以上にする義務がある」としています。
民間企業には全従業員のうち2.3%は障がい者を雇用することが義務づけられていますので、従業員の多い大企業ほど障がい者雇用枠にて多くの方を採用する傾向にあるわけですね。
障がい者雇用枠の場合、一般雇用と比べると給料が低くなることが多いですが、業務負荷が抑えられていたり、周囲から配慮を得られやすいというメリットがあります。
職種は事務職や軽作業などが多い傾向にあります。
<障がい者雇用枠の特徴>
- 大手企業ほど障がい者雇用枠の採用人数が多い
- 給料は一般雇用と比べると低い傾向
- 業務負荷の軽減や配慮を得られる
- 事務職や軽作業などの採用が多い
また、大手企業などが、障がい者が就労するための子会社として法人を設立している場合は「特例子会社」と呼ばれます。
障がい者雇用枠として採用された場合は周囲で働く従業員が一般雇用で働く健常者であることが多いのに対し、特例子会社の場合は同じく障がいを持つ仲間と働け、配慮もより行き届いているため安心して業務にあたれるメリットがあるのです。
ただし、特例子会社の場合は給料が障がい者雇用枠よりも更に低くなる傾向があるので、自身の障がい特性を把握したうえでどちらを選ぶか決めると良いでしょう。
引用:事業所の方へ|厚生労働省
パターン②:オープン就労
一般企業の中で「一般雇用」として採用されるものの、自身の障がいを会社の方に開示する場合は「オープン就労」と呼ばれます。
雇用形態は一般雇用になるので、給料は障がい者雇用枠として採用されるよりも高くなる傾向にあるのが特徴と言えるでしょう。
一般雇用枠と同じ給料がもらえるうえに、障がいを開示しているので周囲からの配慮も受けやすくなるのでメリットが大きいですよね。
しかし、一般雇用の場合、障がいをオープンにした場合は企業から採用される確率が大きく下がってしまう可能性があること、どの程度の配慮をしてくれるかは職場によって異なることなどのデメリットがあります。
パターン③:セミオープン就労
直属の上司などの一部の方にのみ自身の障がい特性をやんわりと伝えておく場合、「セミオープン就労」となります。
ポイントとしては以下の2点になるでしょう。
- 障がい名を開示するというより「苦手なことがある」とやんわり伝えておく
- 採用がある程度進むか、採用された後、直属の上司など一部の方にのみ伝える
つまり、セミオープン就労はかなり「クローズ就労寄り」と言えますね。
直属の上司など、業務において重要なファクターとなる方が自身の傾向を把握してくれていることにより配慮を受けやすくなり、採用の確率を下げてしまうことも避けられるメリットがあります。
ただし、どの程度配慮を受けられるかは上司や職場によって異なる点には注意が必要です。
パターン④:クローズ就労
自身の障がいを完全に伏せた状態で一般雇用枠として就労する場合、「クローズ就労」となります。
一般雇用枠での採用なので給料は障がい者雇用枠よりも高い傾向にありますし、採用の確率を下げてしまうリスクも回避できます。
ただし、職場の人全員が自分の障がいについて把握していない状態となるので、特別な配慮を受けるのが難しいと考えるのが一般的でしょう。
少しでも、自分にとって負荷が少なく、業務適性のある会社を選ぶのが重要となります。
より安心なのは、障がい社雇用枠(特例子会社を含む)
上記を読んでいただいて分かるように、より確実に周囲に自身の障がいについて理解され、配慮を受けやすいのは、特例子会社を含む「障がい者雇用枠」での就労です。
健康があってこそ就労は成り立つものなので、自身の健康状態を第一に考える場合は障がい者雇用枠での就労が安心と言えるでしょう。
以下、本記事では障がい者雇用枠での採用を前提とした転職エージェントである「障がい者雇用特化型の転職エージェント」についてご紹介していきます。
障がい者雇用特化型の転職エージェントとは?
障がい者雇用特化型の転職エージェントとは、「障がい者雇用枠」での採用を前提として、企業を紹介してくれるサービスを示します。
一般的な転職エージェントと同様、企業の紹介に限らず、履歴書・職務経歴書の添削、面接対策、応募先企業との仲介など様々なサポートをしてくれます。
障がい者雇用枠には専用の書式の履歴書があり、面接では自身の障がいについての説明や配慮事項などについて説明を求められることがほとんどなので、エージェントを活用しない手はないと言っても過言ではありません。
更に、障がい者雇用特化型の転職エージェントでは就職後のサポートを行ってくれることが多いので、就労後に業務や人間関係などで悩みが生じた際、エージェントに相談しながら長期就労を目指せるメリットがあるのです。
障がい者雇用に特化した転職エージェント13選
それでは、障がい者雇用に特化した転職エージェントを13社に厳選したので、詳しく見ていきましょう。
記事を読んで概要を掴んだうえで、気になった転職エージェントがあれば公式サイトに飛んで詳しい情報を把握するのがおすすめです。
dodaチャレンジ
最初におすすめしたいのが、「障がい者のための転職・就職支援サービス」を提供し、障がい者の転職支援数No1.を誇るdodaチャレンジです。
- 大手転職エージェント「doda」を運営するパーソルグループによる障がい者に特化した転職エージェント
- 身体障がい・精神障がい・発達障がい・知的障がいなど、それぞれの障がいに特化した専任スタッフ
- 「仕事を創り出す」という発想
dodaチャレンジは大手転職エージェントである「doda」を運営するパーソルグループによる障がい者雇用に特化した転職エージェントなので、非公開求人を含め、豊富な求人数の中から自分に合った職場を提案してもらえます。
各障がいについての専門知識を持ったスタッフが丁寧に障がいの内容や配慮事項などについて聞き取り、就労先と掛け合いながら、より働きやすい環境を「創り出す」という発想を持っているのが強みです。
つまり、企業と個人をマッチングさせるだけでなく、より働きやすい環境をオーダーメイドで調整してくれるわけですね。
障がい者一人一人に寄り添った対応により、就職率だけでなく、就職後の定着率も高い傾向にあります。
また、以下に示す2点もdodaチャレンジの強みと言えるでしょう。
- 就労移行支援事業所である「ミラトレ」も運営
- ご家族や支援機関との連携を積極的に行っている
就労移行支援事業所とは、障がいを持った方が就労に向けてスキルを身につける支援機関であり、市区町村の役所に申請すれば無料または少額の負担で支援を受けられます。
就労移行支援事業所である「パーソルチャレンジ・ミラトレ」はdodaチャレンジと同じくパーソルダイバース株式会社が運営しているので、働く準備から始めたい方は、どちらも利用することで相乗効果を発揮するでしょう。
ご家族や支援期間との面談も、希望することにより専任エージェントが行ってくれるので、周囲からの一貫したサポートが期待できます。
dodaチャレンジは自信を持っておすすめできる障がい者雇用特化型の転職エージェントなので、無料会員登録をしておくと良いでしょう。
dodaチャレンジの評判については以下の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。
また、就労移行支援事業所について気になった方は、過去にまとめ記事を作成しているので読んでみてください。
LITALICO仕事ナビ/LITALICOワークス
LITALICO仕事ナビは、株式会社LITALICOが運営している、障がい者雇用特化型の転職支援サービスです。
キャリアアドバイザーが求人を紹介してくれるだけでなく、企業研究から履歴書・職務経歴書の添削・面接練習、面接同行、就労後の定着支援まで一任して行ってくれるのが安心のポイントですね。
株式会社LITALICOでは、障害者のための就労移行支援事業所 LITALICOワークスも運営しています。
LITALICOワークスは国内最大手の就労移行支援事業所であり、200以上のプログラムの中から自分に合ったプログラムを受講して「働く準備」を整えたうえで「興味がある企業へのインターン」を実施。インターンを経て適性を把握したうえで、就職活動を開始できます。
個人的には、この「インターン」が持つ効果は計り知れないと感じています。
なぜなら、その仕事が自分に合っているかどうかは、実際に働いてみなければ分からないからです。
- LITALICOワークスで企業インターンをして適性を把握→LITALICO仕事ナビに登録して適性に合った求人を紹介してもらう
上記の流れは全国展開しており、多くの企業と連携しているLITALICOだからこそできることであり、かなり効果的な「自分に合った仕事の見つけ方」なのではないかと思っています。
理にかなった「失敗しない就職支援」の仕方をしている企業かと思いますので、一度は就労移行支援事業所であるLITALICOワークスに見学に行くのをおすすめします。
見学時に、「LITALICO仕事ナビ」について案内を受けることもできるでしょう。
atGPエージェント
アットジーピー【atGP】は、障がい者専門の転職支援サービスです。
障がい者の就職や転職についての素養を持ったキャリアプランナーがマンツーマンで相談にのってくれ、障がいや希望条件に沿った就労先を一緒に見つけていけるのが特徴と言えるでしょう。
atGPエージェントは20年に渡って障がい者の就・転職をサポートしてきているので、取引先企業の質や、サポートの質が洗練されている傾向にあるのも特徴です。
運営会社である株式会社ゼネラルパートナーズは、うつ病、発達障がい、身体障がいなどの各障がいに特化した就労移行支援事業所である【atGPジョブトレ】も運営しており、atGPジョブトレも利用する場合は、支援者との連携も担当エージェントが行ってくれる仕組みになっています。
障がいのある学生向け転職エージェントである「atGP就活エージェント」、障がいを持つアスリート向け転職支援サービスである「atGPアスリート」、ハイクラスを目指す障がいをお持ちの方向けの転職支援サービスである「atGPハイクラス」などの幅広いサービスを展開しているので、自身の目的に沿って選ぶと良いでしょう。
お金の不安の解消方法や、障がい者就労に関するノウハウを蓄積できるメディアである「atGPしごとLABO」を読んで、情報収集からはじめてみるのもおすすめです。
atGPは障がい者雇用特化型エージェントの中でも老舗であること、サービスが利用者さんに合わせて豊富であることなど、信頼のおける転職エージェントと言えます。
エージェント・サーナ
Agent-Sana(エージェント・サーナ)は、身体障がい・内部障がいの方を主な対象とした転職支援サービスであり、30年以上の実績を持っています。
2020年〜2022年のデータでは「離職者が0」となっており、キャリアアドバイザーによる企業と個人をマッチさせるスキルの高さが伺えます。
「就職率」は大事ですが、実はその後の「離職率」にも注目する必要があるのです。
離職率が低いということは、それだけ業務内容と個人の適性がマッチした仕事を紹介してくれているということですよね。
また、エージェント・サーナを利用した身体障がい・内部障がいを持つ方の実に60%が初回面談から2ヶ月以内に内定を獲得しているというデータもあります。
エージェント・サーナは、身体障がい・内部障がいを持つ方には自信を持っておすすめできる転職サービスです。
ランスタッドチャレンジド
ランスタッドは、1960年にオランダにて設立して以来、世界39の国と地域に拠点を持つ総合人材サービス会社です。
ランスタッドチャレンジドでは障がい者雇用に特化した求人を紹介しているのですが、着目すべき点が「オーダーメイド求人」という言葉です。
従来の転職支援では、企業が求人票を公開し、その求人にマッチしていると感じる個人が応募する、という流れになるでしょう。
しかし、ランスタッドチャレンジドでは、求人票に個人を合わせるのではなく、担当者が個人の適性や経験、障がいの内容を丁寧に聞き取ったうえで、その方に合ったオーダーメイドな働き方を「企業に対して」提案していきます。
ランスタッドチャレンジドが提供している「オーダーメイド求人」の考え方は、革新的なアイデアでありながらも、「本来あるべき姿」でもあるように感じますね。
もちろん利用は無料なので、まずはお気軽に会員登録をしてみましょう。
マイナビパートナーズ紹介
マイナビパートナーズ紹介は、大手転職エージェントであるマイナビグループの特例子会社であるマイナビパートナーズが運営する、障がい者雇用に特化した転職エージェントです。
特筆すべきなのが、運営会社であるマイナビパートナーズ自体が多くの障がい者を雇用してきている企業であり、障がい者がよりよく働くためのノウハウを蓄積している点にあります。
単に就労をサポートするだけでなく、就労後の「定着」に重点を置き、実際に自社の中で障がい者と共に働き方を共創してきた中で得られた知見を、キャリア面談や定着支援に応用しているのが強みと言えます。
設立から4年で100人以上もの障がい者を実際に雇用してきているマイナビパートナーズだからこそ、「就職」だけでなく「働き続ける」ことをしっかりとサポートしてもらえるでしょう。
個人的に、かなりおすすめ度の高い障がい者特化型の転職エージェントです。
アビリティ・スタッフィング
アビリティ・スタッフィングは、リクルートグループが運営している障がい者雇用特化型の転職エージェントです。
対象エリアは首都圏に絞っており、尚且つ障害は「精神障がい」に絞っているのが特徴ですね。
転職支援サービスへの登録には「精神障害者保健福祉手帳」を持っている必要があるので、注意が必要です。
リクルートグループならではの豊富な求人企業数を活かしており、とくに登録求人の94%が精神障がいの方を対象としているのもポイントと言えるでしょう。
定着支援は精神保健福祉士の資格を持ったスタッフが行っており、94%という高い職場定着率を誇っています。
ソーシャルパートナーズ
ソーシャルパートナーズは、人財サービス会社であるアデコグループが運営してしている転職支援サービスです。
障がい者の転職についての豊富な知識を持つコンサルタントが、内定から就職後までトータルでサポートしてくれるのが魅力のサービスです。
アデコグループの中には特例子会社があり、障がいをお持ちの方が多く勤務されています。
実際に障がい者雇用を行う中で培ったノウハウを転職支援サービスにも応用しており、障がいをお持ちの方それぞれが自分に適した働き方ができるよう工夫してくれるのが強みと言えますね。
紹介を行っているのは厳選された基準を満たした企業のみであるので、今よりも条件を良くしたいと考えている方にもおすすめの転職エージェントです。
マイマイリンク
マイマイリンクは、株式会社スタートラインが運営している「障がい者雇用専門の就職・求人情報サイト」です。
転職エージェントではなく、機能としては求人サイトとなります。
マイマイリンクが提供している主なサービスを以下に記載しました。
- マイマイリンク限定のおすすめ求人を紹介
- 障がい者の就労に関する役立ち情報を動画・記事・メールマガジンなどで提供
マイマイリンクがサイト上で公開している求人は、230社以上、約1,430人の就労実績を重ねる中で得た障がい者にとって働きやすい厳選された求人です。
無料会員登録をしなくても求人への応募が可能なので、気軽に応募もしやすいでしょう。
無料会員登録をすると、就労に役立つ情報をメールマガジンで受け取れる他、会社説明会・見学会・インターンなどの開催情報を受け取ることもできます。
障がい者雇用において実はとても重要なのが「インターン(職場実習)」であり、インターンを通して働くうえでの課題や適性などを把握できます。
マイマイリンクの登録者の約9割は精神障がいまたは発達障がいをお持ちの方なので、精神障がいや発達障がいをお持ちで、かつ役立つ情報を受け取りながら就職活動をしたい方は、他の転職エージェントと併せて活用すると良いでしょう。
リコモス
リコモスは、首都圏、とくに東京都内の求人に特化した障がい者雇用特化型の転職エージェントです。
他の障がい者雇用特化型の転職エージェントと同様に、キャリアアドバイザーが面談を通して希望条件に沿った求人を紹介してくれるシステムですが、以下のような点で独自性があります。
- 希望条件の沿った求人のみのオファーがある
- 職業適性検査を受けられる
- SPI等の筆記テスト対策を受けられる
リコモスでは事前に希望条件を伝えておけば、条件に沿った求人のみを紹介してもらえるシステムがあります。
また、職業適性検査を受けられるので、「そもそも自分に合った仕事が分からない」という方は利用してみると良いでしょう。
企業によっては一般常識を問う「SPI」などの筆記テストを設けていることもあるため、筆記テスト対策を受けられるのも嬉しいポイントですね。
都内での就職を考えており、希望条件がある程度明確にある方にはおすすめのサービスです。
障害者雇用バンク(旧:エラビバ)
障害者雇用バンクは、株式会社スペシフィックが運営する、障がい者雇用の求人紹介、ハローワーク求人の紹介、就労移行支援事業所の紹介などをトータルで行ってくれるエージェントです。
面談はwebにて、隙間時間にカウンセラーと行うことが可能。
掲載されている求人数の質が高く掲載数が多いだけでなく、就労移行支援事業所の紹介なども行ってくれるので「障がい者に寄り添ったサービス」と言えますね。
全国対応している求人検索はサイト内で行えるとともに、サイト内には障がい者雇用を実施している企業へのインタビュー記事や就職活動ガイド記事なども掲載されており、まさにトータルで障がい者を支えてくれるサービスという印象を受けます。
記事の内容としては「ハローワークの障害者求人を紹介!良い求人に出会うコツは?」「ナルコレプシーの人に向いてる仕事・おすすめ求人・対策を紹介」など、気になる内容が盛り沢山でした。
ぜひ、一度は公式サイトをのぞいてみてください。
マイナーリーグ
マイナーリーグは、発達障がいを持つ方の「とがりを活かす」という理念を持った就労移行支援事業所であるKaienが運営している、障がい者雇用に特化した求人サイトです。
発達障がいを持つ方の中には、得意な能力と苦手な能力の凸凹が極端であるというケースも多くあります。
マイナーリーグではそういった発達の凸凹を「強み」と捉え、自分の得意な能力を存分に活かせる環境調整が施された就職先を紹介しています。
専門カウンセラーが丁寧に話を聞き取ったうえで紹介してくれるので、企業とのマッチング率を高めることに成功しているのです。
また、定期的に企業の担当者が来訪し、説明会を開催しています。
NTT西日本や明治安田生命などの大企業を中心に説明会を行っており、事前に配慮事項や職場環境などについて疑問点を晴らしたうえで応募ができるのもポイントですね。
説明会ではチャットを通して質問ができるシステムになっているので、その場で言葉にして質問をするのが不安な方でも安心です。
発達障がいをお持ちの方で、自身の特性(=強み)を活かして就職がしたいと思っている方は、ぜひマイナーリーグを活用してみてください。
バブナビ
バブナビは、障がい者雇用に特化した求人サイトです。
サイト上で障がい者雇用枠の求人情報の検索や応募をできるだけでなく、会員登録をすると企業からスカウトメールが届くシステムになっているのが特徴です。
希望職種、資格などの情報を詳しく登録しておくことでスカウトメールが届く確率が高まるので、バブナビを利用する方はしっかりと事前情報を登録しておくようにしましょう。
その他、就職活動に役立つ記事を閲覧できたり、「BABカンファレンス」という、障がい者雇用を行っている企業が集結して企業の担当者と面談ができるイベントなども開催しています。
実際に企業の人事担当者と会って話す機会は貴重なので、有効活用してみると良いでしょう。
障がい者特化型の転職エージェントを選ぶ際のポイント
本記事で紹介してきたように、数多くの障がい者特化型の転職エージェントがあります。
これだけ数があると、どの転職エージェントを選ぶのが良いか分からなくなってしまう方も多いでしょう。
以下には障がい者特化型の転職エージェントを選ぶ際のポイントを記載したので、参考にしてみてください。
就労実績
転職エージェントを選ぶ際に最初に重視したいのは、「その転職エージェントを使ってどのくらいの人が就労を果たしているのか」を示す就労実績です。
就労実績が高いということは、サービスの内容が優れており、契約している企業の数が多いということ。
加えて、利用者の満足度や就労後の定着率なども明記している転職エージェントは信頼できる傾向にあります。
つまり、内定までサポートして終わりではなく、内定後も長期的な就労を維持している利用者が多い転職エージェントは、より利用者の適性に合った企業を紹介しており、就労後のサポートも充実していると考えられるのです。
サポートの質
ほとんどの障がい者雇用特化型の転職エージェントではキャリアカウンセリングや履歴書・職務経歴書の添削、面接対策などを行っていますね。
プラスアルファで、転職エージェントによっては独自のサービスを設けている場合があります。
例えば、就労に向けた訓練を提供する「就労移行支援事業所」としての機能と、職業を斡旋する転職エージェントとしての機能を併せ持った【LITALICOワークス】では、就労に向けて200以上のプログラムが用意されており、就労後に必要なPCスキルやコミュニケーションスキルを身につけたうえで就職活動を開始できる仕組みになっています。
その他にも、オーダーメイド求人を作成してくれるエージェントや、家族相談にも対応しているエージェントなどもあるので、サービス内容に着目して選んでみましょう。
契約企業の数と質
契約企業が多いということは、それだけ多くの選択肢の中から自分が応募する企業を選べるということです。
また、多くの企業と契約している転職エージェントは契約先企業からの信頼が厚く、安心して利用できると考えることもできますね。
また、大切なのは数だけでなく、優良求人をどれだけ保有しているのかもポイントです。
複数の大手企業と契約しているエージェントもあるので、契約企業数だけでなく、「契約先企業の内訳」も、公式サイトにて確認しておくと良いでしょう。
自分が希望している業界に合っているか
転職エージェントによって、「得意としている業界」というものがあります。
障がい者雇用枠の場合は全体として事務職・軽作業・接客などが多い傾向にはありますが、エージェントによっては「IT系に強い」などの独自性を持っている場合もあるので、自身の希望職種がある場合、その希望職種を多く保有しているエージェントを選ぶと良いでしょう。
障がい者特化型転職エージェントを活用して転職を成功させるコツ
障がい者雇用特化型の転職エージェントを活用すれば自分に合った就労先を効率的に探せます。
しかし、以下に示す活用のポイントを事前に意識しておけば、転職エージェントを活用するメリットを120%にまで引き上げることができるでしょう。
複数の転職エージェントに登録する
転職エージェントに登録する際は、複数のエージェントに登録するのがおすすめです。
なぜなら、エージェントによって取り扱っている案件(企業)の傾向が異なるからですね。
複数の転職エージェントに登録しておけば、より多くの選択肢の中から自分に合った企業・働き方を見つけることができます。
エージェントへの登録は無料なので、複数の転職エージェントに登録したからといって追加料金が発生することは一切ありません。
就職・転職の意志をはっきりと伝える
転職エージェントは非常に多くの転職希望者を抱えています。
そして、転職エージェントのビジネスは、転職希望者が企業に就職した際、紹介料として賃金を受け取ることで成り立っていることを覚えておきましょう。
つまり、はっきりと就職の意志を持っていると思われる方から優先的に企業を紹介し、サポートもより手厚くなっていくわけですね。
転職エージェントに登録し、初回面談の時点で就職・転職の意志をはっきりと伝えた方が、エージェント側はより手厚いサポートを提供し、自身に合った企業を複数紹介しようとします。
自分の希望条件をはっきりさせておく
スキルの高いエージェントほどクライエントの適性とマッチした企業を紹介する力量に優れていますが、彼らもエスパーで人の心が読める、というわけではありません。
予め自分の希望条件をはっきり伝えておくことで、より希望に沿った、ピンポイントの企業を探し出してくれる確率が高まります。
エージェントの紹介が「当たり」である確率を高めるためには、まず自分自身が希望条件を伝える必要があるのです。
エージェントとの連絡はこまめに
エージェントとこまめに連絡を取る人は、エージェントから見れば「この人は転職への熱意が強い方だ」と受け取ります。
転職への熱意が強いということは、実際に転職を果たしてくれる可能性が高いということ。
エージェントはなんとしても利用者さんに転職を成功してもらおうと、より条件に合った求人を多く探し、転職に成功するための書類チェックや面接対策なども念入りに行うはずです。
障がい者特化型の転職エージェントを利用する流れ
障がい者特化型の転職エージェントでは、担当者からの案内に従って転職を進めれば問題ないので、転職エージェント利用の流れについてはさほど心配する必要はありません。
ただ、事前に利用の流れを知っておいた方が安心という方もいらっしゃるかと思いますので、転職エージェント利用の流れを以下にステップに分けて解説します。
ステップ①:公式サイトから登録
まずは気になった転職エージェントの公式サイトへとび、転職エージェントの利用登録を行いましょう。
多くの転職エージェントではサイトに「会員登録をする(無料)」などのボタンが設置されておりますので、そちらをクリックし、必要情報を登録すれば完了です。
数日以内に、登録したメールアドレスに担当者から初回面談の案内が届くでしょう。
ステップ②:初回面談
初回面談はオフィスへ足を運ぶ場合、電話で行う場合、Zoomなどを使ってオンラインで行う場合などがあります。
自分で選べることが多いので、希望の面談方法を選択しましょう。
初回面談では、担当エージェントから以下のようなことが聞かれます。
- いつ頃の転職を考えているか
- どのような業界への転職を考えているか
- これまで経験してきたお仕事について
- 希望の条件(業務内容・給料・勤務地・勤務形態など)
事前に自分の希望を明確にしておくと、より面談がスムーズに進むでしょう。
ステップ③:企業を紹介してもらう
面談で担当者に希望の条件を伝えたら、担当者は希望条件に従って就労先を紹介してくれます。
紹介してもらった求人のうち気になるものがあれば、担当者にその旨を伝え求人への応募を開始しましょう。
ステップ④:履歴書・職務経歴書の添削
応募する企業が決まったら、履歴書・職務経歴書の記入に進みます。
障がい者雇用に関しては障がいについての説明や配慮事項などについての記載も重要になりますので、担当エージェントからレクチャーを受けながら進めるのが重要です。
ステップ⑤:面接対策
障がい者雇用の場合、面接においても障がい理解や配慮事項の説明がきちんとできているか、基本的なコミュニケーションが問題なく取れているかなどを見られていることが多いです。
面接対策を行っているエージェントが多いので、何回か練習してフィードバックをもらいましょう。
ステップ⑥:内定後のサポートを受ける
内定が決まってからも、転職エージェントが給料についての交渉、入社日についての交渉などを行ってくれます。
また、障がい者特化型転職エージェントの場合は入社後も職場定着のために親身に相談に乗ってくれ、自分からは言いづらい働き方や休日・給料などに関する希望なども会社に伝えてくれることがあります。
働くスキルを身につけてから就労するなら就労移行支援事業所がおすすめ
障がい者特化型の転職エージェントでは、障がい者雇用枠での就労先を紹介してくれるので、効率的に転職活動を進められます。
しかし、いくらサポートが手厚いからといって、PCスキルやビジネスマナーなどの根本的な「働くためのスキル」までは教えてくれません。
そこでおすすめなのが、就労移行支援事業所です。
就労移行支援事業所は厚生労働省から委託を受けた民間企業が行っているサービスであり、全国各地で事業所の数が増えています。
就労移行支援事業所の主な目的は職場の斡旋ではなく働くための準備を行うことであるため、プログラムを通して働くのに必要なスキルを得たうえで、安心して就労を目指しやすくなるでしょう。
おすすめの就労移行支援事業所をまとめた記事を過去に書いているので、興味がある方は記事を読み、興味を持った就労移行支援事業所の見学に行ってみましょう。
障がい者の就労に関するよくある質問
最後に、障がい者の就労に関するよくある質問と回答をまとめてみたので、今後の就職活動に役立てていただけますと幸いです。
障がい者雇用特化型転職エージェントの利用にはお金がかかりますか?
障がい者雇用特化型転職エージェントに限らず、転職エージェントは確実に無料で利用できます。
なぜなら、転職エージェントは利用者が就労を果たし、就労先企業から紹介料をもらうというビジネスモデルによって成り立っているからです。
よって、利用者側に料金が発生することはありません。
- 利用者は転職エージェントを使って就労を果たしたい
- 転職エージェントは支援サービスを提供し、利用者に就労してもらいたい
上記のように、実は転職エージェントと利用者は運命共同体でもあるのです。
ただし、LITALICOワークスの場合は転職エージェントとしての機能を兼ね備えているものの、基本的には就労移行支援事業所なので、前年度の所得に応じて料金が発生する場合があります。
しかし、就労移行支援事業所であっても無料または安価で利用している方が多いのも特徴です。
障害者手帳がなくても障がい者雇用特化型転職エージェントを利用できますか?
障がい者雇用特化型転職エージェントの場合、基本的には障害者手帳の取得が必要です。
なぜなら、障がい者雇用枠にて就労する場合、必ず障害者手帳が必要だからですね。
障害者手帳を取得するメリットとして、所得税の控除が受けられること、公共施設や公共料金などの減免を受けられることなどもありますので、障がい者雇用での転職を考えている方は、この機会に取得を検討してみると良いでしょう。
今後一般就労へと変更することになったとしても、履歴書に障害者手帳を取得していることを書かなくても問題ありませんし、企業に障害者手帳を持っていることを開示する必要もないので、安心して取得しましょう。
障がい者雇用の給料はどのくらいですか?
企業によって障がい者雇用枠の給料は異なりますが、一般雇用枠と比べると少なくなることが多い傾向にあります。
厚生労働省が平成30年に行った「障害者雇用実態調査」では、各障害の1ヶ月あたりの平均賃金は以下のようになっています。
- 身体障害:21万5千円
- 知的障害:11万7千円
- 精神障害:12万5千円
- 発達障害:12万7千円
厚生労働省による「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く一般雇用者の月給平均は31万1,800円になっています。
一般雇用と比べると、給与額は減ってしまう傾向にあることが分かるしょう。
ただし、障がい者雇用枠の方が安心して働ける環境が整っているため、「働き続ける」という観点で見れば、離職や休職などの数が減る分、コツコツと収入を確保できるメリットがあると言えます。
引用:平成30年障害者雇用実態調査|厚生労働省
引用:令和4年賃金構造基本統計調査|厚生労働省
障がい者雇用の採用率はどのくらいですか?
障がい者雇用の採用率は右肩上がりに上昇しており、厚生労働省による「障害者雇用状況の集計結果」では令和3年度に障がい者雇用として採用された方が59万7,778人にも上ると公表されています。
大企業を中心に障がい者雇用の採用率は年々高まっているので、その分内定を受ける間口も広がっていると言えるでしょう。
引用:令和3年障害者雇用状況の集計結果|厚生労働省
就職後に勤務を継続できるか不安です。
障がい者雇用の場合、面接の段階で配慮事項をきちんと職場に伝えておくことが重要です。
入社後も、上司や同僚にどのような配慮が必要かを伝えておくことで、十分な配慮が受けられ、勤務を継続しやすくなるでしょう。
自分で伝えるハードルが高い場合は、障がい者特化型転職エージェントが代わりに企業に配慮事項を伝えてくれることもあるので、相談してみるのがおすすめです。
更に、障がい者が就労するための環境を整えることを目的として設立された「特例子会社」の場合は更に配慮が行き届いており、一緒に働く仲間も障がいを持っているので、より安心して働くことができます。
配慮の充実度としては特例子会社に軍配が上がりますので、より多くの配慮を必要とする場合は特例子会社を受けてみると良いでしょう。
障がい者雇用の採用面接ではどのようなことを聞かれますか?
障がい者雇用の採用面接では、以下のようなことが聞かれる傾向にあります。
- 自身の障がいについての説明
- 体調悪化の際の対応
- 通院や服薬の状況
- 配慮事項
- 安定して勤務することができるか否か
とくに、配慮を受けながら、毎日安定して出社できるか否かを重視する企業は多いです。体調管理を自ら行えており、突発的な欠席なく勤務に従事できることをアピールしましょう。
障がい者特化型転職エージェントでは、面接に備えて経験豊富なアドバイザーから効果的な受け答えについてレクチャーを受けられるので、積極的に活用するのがおすすめです。
ブランクがあると不利になりますか?
就労していない期間が長かったり、転職回数が多かったりする場合は、企業からその理由を問われることが多いでしょう。
その場合、「ブランクの間に就労に向けてどのような準備をしていたか」を伝える視点が重要になります。
そういった意味でも、例えば就労移行支援事業所に通ってPC講座やコミュニケーションスキル、メンタル調整スキルなどについて学んでいたことをアピールできると、企業も安心して採用してくれやすくなるのです。
単なるブランクではなく、「就労に向けた前向きな期間であった」と伝えられるとベストでしょう。
障がい者雇用特化型転職エージェントと就労移行支援事業所、どちらを利用するのがおすすめですか?
就労に必要なスキルがすでに身についている場合や、すぐに転職を考えている場合は、最初から障がい者雇用特化型転職エージェントを利用するのも一つでしょう。
しかし、時間をかけて転職準備をしたい場合や、就労スキルに自信が持てず、まずはスキルを身につけたい場合は、就労移行支援事業所で訓練を積んでから転職エージェントに登録し、本格的に就職活動を始めるのがおすすめです。
転職エージェントと就労移行支援事業所の併用は可能なので、確実に障がい者雇用での就職に成功したい方は、①就労移行支援事業所で就労スキルを身につける、②障がい者特化型転職エージェントに登録し、本格的に就職活動を始める、の順番がおすすめです。
例えばLITALICOワークスは就労移行支援事業所としての機能と転職エージェントとしての機能の両方を兼ね備えているため、一石二鳥と言えますね。
まとめ
本記事では、障がい者雇用枠での就職・転職を考えている方に向けて、おすすめの障がい者雇用特化型の転職エージェントを13社厳選してお伝えしました。
まずは複数の転職エージェントに無料登録し、より多くの就労先の選択肢を増やすのがおすすめです。
また、そもそも就労に必要なスキルを身につける必要があると考えている方は、まずは就労移行支援事業所を利用し、スキルを身につけてから転職エージェントを活用して就職口を見つけるとスムーズでしょう。
読者の皆様が障がい者雇用枠に関する支援サービスを効果的に活用し、長期的な就労を達成されることを願っています。