アニメ版「鬼滅の刃」の人気の理由を心理学的に考えてみた

心理学×映画

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ここ最近、休日は人気マンガ/アニメの「鬼滅の刃」を見て過ごしていました。ニュースで「鬼滅ロス」という言葉を聞くほどの大人気を博したこの作品。U-NEXTでは見放題(無料:月額料金内で視聴可)で配信されているし、「どんなもんなんだろう」と思って試しに見てみたのでした。

だいたい、この手の作品は一度見ると止まらなくなるんですよね。
結局、休日のうち結構な時間を、このアニメを見ることに使ってしまいました。

つまり、面白かった、ということです。

鬼滅の刃の中にはグロテスクな描写も出てくるんですけど、笑いも適度に出てくるし、何より主人公の炭治郎の人間性に惹かれます。

という訳で、今回の記事では、なぜ鬼滅の刃は多くの人の心を惹きつけたのか、心理学的に分析してみたいと思います!

1. 鬼滅の刃とは

鬼滅の刃とは、集英社の週刊少年ジャンプで連載されていた、吾峠呼世晴による時代劇・ダークファンタジー系のマンガ作品です。アニメ版も、全26話まで放映されています。

大正時代を舞台に、心優しき少年である炭治郎が、鬼に襲われたことにより自分も鬼になってしまった妹、ねず子を人間に戻すため「鬼殺隊」に入隊し、いくつもの試練を乗り越えていく、というものです。

まず、舞台設定が「大正時代」というところにセンスを感じます。

また、「鬼」が出てくるあたり、日本人の深層心理に訴えかけてくるように思います。

1-1. 「鬼」は日本人の深層心理に深く根付いている

突然ですが、「集合的無意識」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?集合的無意識とは、個人ではなく、共同体が共有している深層心理のことです。例えば、日本人は食事の時に箸を使うことが多いので、「ご飯を食べる」ということを想像する際、皆無意識的に「箸を使って食べること」を想像することが多いでしょう。

「鬼」もまた、日本人の「集合的無意識」の中で「怖いものの代名詞」となっているのではないしょうか。

「怖いもの見たさ」という言葉があるように、怖いものって何か見たくなりますよね。その理由は、脳内で快楽物質であるドーパミンが生成されることにあります。つまり、「鬼が出てくる」という設定は、日本人のドーパミンを誘発する上で絶好のものだったのです。

1-2. 個人的エピソードに共感する

このアニメには「鬼」という悪者が出てきますが、鬼も元々は普通の人間であり、他の鬼に襲われてしまうことによって、「感染」してしまったに過ぎません。人間であった時の未練を持ち続けている鬼も多く、その「未練」が、鬼が持つ技や、生息の仕方に現れています。例えば、人間の時に「家族に愛されている」という実感が欲しかった鬼は、鬼になってもなお、その願望を叶えようと、「見せかけの家族」を作りあげます。

主人公、炭治郎は、鬼を切った後、そういった鬼のエピソードに共感し、鬼が悔いなく成仏できるよう手を会わせます。

2. 現代人は、「鬼」に共感し、炭治郎を求めている

鬼滅の刃の人気の訳を、心理学に僕なりに解釈するのであれば、これだと思います。その理由を1つずつ説明させていただきます。

2-1. 現代人は人間関係で多くの悩みを抱えている

ご存知のとおり、現代人は人間関係で多くの悩みを抱えています。とくに、「他者から認められたい」という承認欲求が強い傾向にあります。欲求は、満たされれば減り、満たされなければ増えるものですよね。例えば、お腹いっぱいになれば、食欲は減り、求める必要がなくなります。つまり、承認欲求が強くなってしまうのは、満たされていないからです。

SNSやYou Tubeなどで承認欲求を満たす人が多いですが、これは「条件付きの承認」です。

「◯◯がすごいから人気」「有用な情報を教えてくれるから人気」

全て条件つきです。

でも、本当に現代の人が欲しいのは、「無条件の承認」です。

何かができるからではなく、自分そのものを認め、愛してくれる存在。

「愛す」というのは、恋人に限らないと思います。

家族の愛、友情の愛、恋人の愛、他人への気遣いも愛です。

そういった無条件の承認を求める鬼たちに、現代人は自分を重ねているのではないでしょうか。少なくとも僕は、鬼に自分を重ねました。

2-2. 鬼の黒幕 VS  炭治郎

名前を忘れてしまいましたが、鬼の黒幕というのがいます。全てそいつの仕業であり、鬼のボスです。彼は部下の鬼たちを駒としか思っておらず、個人的な感情を持てばすぐに殺しにかかります。

これは、条件つきで評価される現代社会そのものを表しているのではないでしょうか。そんな中、炭治郎はその人の個人的エピソードを受け止め、その人そのものを受容していきます。

鬼たちは、炭治郎に斬られた鬼たちは、最終的に笑顔で天に召されていくのです。

鬼と自分を重ねる現代人は、炭治郎の共感を疑似体験しているのかもしれませんね。

3. 現代人には共感の力がちゃんとある

このマンガ・アニメが流行ったということは、現代人には共感をする力がちゃんとあるということが言えます。鬼に共感するからこそ、このアニメは深く楽しめるからです。だから、諦めずに、共感の輪を作っていきたいものです。

4. 茂木健一郎氏が鬼滅の刃を語っている

僕は、脳科学者の茂木健一郎氏が好きです。きっかけは、高校生の時に茂木さんの本を読み、「ロマンチック・アイロニー」という言葉に出会ったこと。これについては、また詳しくお話できたらと思います。

茂木健一郎氏がYou Tubeで鬼滅の刃について語っているので、ご興味がある方はぜひ!

まだ鬼

 

 

滅の刃を見ていない方には、U-NEXTがおすすめ!鬼滅の刃アニメ版の全26話を視聴することができます!

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