現役心理カウンセラーが選ぶ、洋画の名作5選

心理学

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

 

今回の記事では、現役心理カウンセラーが選ぶ、洋画の名作5選を紹介していきたいと思います♪

この記事を書いている私は「臨床心理士」という資格を持つ心理カウンセラーなのですが、この記事では、カウンセラーから見ても「良い映画だな~」と感じた洋画の名作を紹介していきたいと思います。良い映画との出会いは、人生を変えると信じています!

  1. フォレントガンプ 一期一会

「人生はチョコレートの箱。食べるまで中身はわからない」

 

この映画は、1995年に公開され、現在でも多くの人に愛され続けている名作です。主演はトム・ハンクス。第67回アカデミー賞作品賞を受賞しています。監督は、「バックトゥザフューチャー」で有名なロバート・ゼメキスです。

 

IQ75という、一般よりも低い知能を持ち、足が不自由な状態で生まれた主役のフォレストガンプ(トム・ハンクス)。幼少期はいじめられて育ちましたが、最愛の母ミセス・ガンプは、いつも彼を信じ、愛情を注ぎ続けていました。そして、彼の唯一の理解者である親友・初恋の相手であるジェニーもまた、彼に無条件の愛情を注いでいたのでした。

脚が不自由であったフォレストですが、ある日、いじめられっこに追いかけられた際に、脚が完治し、自分でも驚くほどに早く走れるようになっていることに気づきます。そして、そのまま彼はまっすぐで壮絶な人生をかけてゆくことになるのでした・・

 

この映画を見て僕が感じたのは、主役のフォレストは人生の中で出会った大切な人たちに、どこまでもまっすぐに、誠実であったということです。最愛の母からの言いつけをひたむきに守るフォレスト。親友との約束を守るフォレスト。そして、初恋の相手をまっすぐに想い続けるフォレスト。映画の中のどのフォレストも、いつもまっすぐに前を向いて全力で走っています。そんな彼は、劇的な人生と素晴らしい出会いを呼び寄せていくのでした。多くの人は平均的なIQを持ちながらも、誰かを一途に想い続けるという一番大事なことをないがしろにしてしまいます。しかしフォレストは、平均的なIQこそ持っていなくても、その一番大事な部分を持ち続けていたのでした。「ひたむきに走っていれば、まっすぐに走っていれば、人生は開ける」そんな前向きな気持ちにさせてくれる映画です。

2. グラン・トリノ

「どうやって、あんな傑作をつくり出すのか分からない」(ニューヨークタイムズ誌)

 

グラントリノは、2008年に公開されたアメリカ映画です。監督、プロデューサー、主演ともにクリント・イーストウッド。舞台はミシガン州デトロイトです。日本アカデミー賞最優秀外国作品賞を受賞しています。因みに、タイトルである「グラン・トリノ」は、1970年代に生産されたフォードの車種の名前です。

この映画を僕がはじめて見たのは高校生の時でした。TsutayaでDVDを借り、実家で鑑賞していると、リビングにお茶を飲みにきた父もいつのまにか隣で見ていました。映画を見終えた後、めったに僕を褒めない父が、「たまには良い映画をかりてくるじゃないか」と言ったのが今でも印象的です。

 

主役のウォルト(クリント・イーストウッド)は、フォードの自動車工を50年勤めあげた元アメリカ軍人。頑固な性格で、息子や孫たちからも敬遠されていました。唯一、「世界で最高の女だ」と称する妻に先立たれ、デトロイトの星条旗を掲げた自宅でビールを片手に愛車のグラン・トリノを見つめ、たまに友人とたわいもない会話をする単調な日々を送っていました。また、朝鮮戦争での罪悪感が、彼の人を寄せ付けない性格の正体でした。

日本車の需要が高まる町、東洋からの移住民が増加する町で、ウォルトの家の隣にも「モン族」というアジア系の家族が越してきます。この家の少年タオはアジア系ギャングにそそのかされて渋々ウォルトの愛車グラン・トリノを盗もうとするのですが、ウォルトに見つかりライフルを突き付けられます。

 

後日、タオから直接謝罪を受け、実際はギャングにそそのかされてやったことであると知ったウォルトは、なりゆきで彼と姉のスーをギャングたちから救います。お礼にとモン族のホームパーティーに招かれたウォルトですが、タオやスー、家族たちの愛情に触れ、差別的な目でアジア系住民を見ていた自らの側面に疑問を抱きます。モン族の家族から「タオに仕事を覚えさせ、一人前の男にしてやってほしい」と頼まれたウォルトは、タオに1つ1つ自らが培ってきた仕事の流儀を教えていくことになります。タオがひたむきに成長していく姿を見て、ウォルト自身も心の変化を遂げていくのでした。

 

しかし、アジア系ギャングたちのタオやスーへの仕打ちは日に日にエスカレートしていき、彼らの命が脅かされる事態に直面してしまいます。ラスト、親友タオの未来をギャングたちから救うため、ウォルトはある計画を実行します。その計画とは、最も軍人らしく、最も愛のある手段でした。

  1. Big Fish

「これはホラ話なんかじゃない。私はいつも本当のことを語っているよ」

Big Fishは、ティムバートン監督によるファンタジー・ドラマです。ティムバートンは「ナイトメアビフォアクリスマス」に代表されるようにファンタジックな世界観で有名な映画監督ですが、2003年に発表されたBig Fishでは、現実世界で葛藤する親子と、父親の回想記憶のファンタジックな世界観が交互に描かれています。

第一子を妊娠する妻と新婚生活をおくるウィル・ブルームは、父親、エドワード・ブルームに対して葛藤を抱いていました。エドワードは昔から自らの人生を面白おかしく語るのが得意で、いつも周りの人たちを楽しませる人気者でした。しかし、ウィルが大きくなっていくにつれて、「ホラ話ばかり言っている父親の本当の姿を知らない」と、ウィルは疑問を抱くようになります。3年前の自分たちの結婚式ではエドワードが皆の前で息子のウィルが生まれた日に巨大な魚を釣った話しをして、会場は大盛上がり。しかし、息子のウィルだけは、「これは僕の結婚式だ」と父親に対して複雑な感情を抱いていたのでした。

息子ウィルは本当の父親の過去を知るため、過去の父親にゆかりのある人々を訪ねます・・

 

この映画はほとんどが父親の人生の回想シーンなのですが、回想シーンはティムバートンらしい不思議な、ファンタジックな世界観に溢れています。巨人の友達や、訪れた人の「靴」を奪うスペクターという美しい街、狼団長のいるサーカス団、下半身が1つの双子美女、そして運命の女性との出会い・・

父エドワードが出会った奇想天外な人々と、どこまでも前向きな彼の人生が魅力的に描かれています。

話しは現実生活に戻り、ウィルのもとに母から「エドワードが危篤状態になった」と一本
の電話が入ります。

電話を受けて父親のいる病院にかけつけたウィルでしたが、息も絶え絶えに、父親から「物語の結末を語ってほしい」と頼まれます。ウィルは必死に、父親の物語の結末を考えるのでした・・

この映画でファンタジックに描かれる父親エドワードの人生は、本当に魅力的です。この映画を見て、何度「こんな人生を歩みたい」と思ったことでしょうか。
「Big Fish」という言葉は「ホラ話」という意味を持つらしいのですが、物語の中で父親エドワードは、最期の最期まで「私が語っていることは本当のことだ」と言い張っていました。そして、僕が思うに、それは本当のことなのです。自分が語ってしまえば、それは紛れもなく自分の人生。自分の人生を楽しいものにするのも、つまらなくするのも自分自身。結局は「どう語るか」なのです。語りたくなる人生を歩んでいきたいものですね♪

4. グッドウィルハンティング

「おまえは悪くない。ウィル、お前は悪くない」

・監督: ガス・ヴァン・サント
・脚本: マット・デイモン
ベン・アフレック

グッドウィルハンティングは、天才的に恵まれた頭脳を持ちながらも、幼少期に父親から暴力を受けたトラウマから人生を前向きに生きられなくなっている不良青年ウィルが心理学者ショーンマグワイアと出会い、自らの心と向き合い、希望に向かって歩んでいく姿を描いた作品です。

心理カウンセリングがこの映画の中で重要な役割を果たしていることから、心理カウンセラーを目指している方や、興味がある方にもおすすめの映画となっています。

この物語は、著名な数学教授であるジェラルド・ランボー博士がマサチューセッツ工科大学の学生に代数的グラフ理論に関する難題を出すところから始まります。
そして、いわゆる「インテリ」と呼ばれる高学歴な学生達が必死に取り組んでも解けなかった難題をごく短時間で解いてしまったのは、その大学で清掃員としてアルバイトをしていた不良青年・ウィルでした。「大学内を清掃している最中にたまたま問題の板書を見つけ、興味本位に解いてみた」といった感じです。

次の日、ウィルによって書かれた完璧な回答を見て、数学者ランボーは衝撃を受けます。しかし、「この問題を解いたのは誰だ?」と学生に聞いても、誰一人として手をあげません。必死に回答者を探したのち、ランボーはウィルの存在を知ります。

しかし、ウィルは不良青年。ランボーから贈られた数学者としてのキャリアをあざけ笑いながら蹴飛ばすような輩です。

しかし、ウィルの才能に惚れたランボーは諦めません。あらゆる心理カウンセラーにウィルの更生を依頼しましたが、高知能なウィルはどの学派の心理カウンセラーであってもすぐに怒らせてしまいました。

ランボーに残された最後の一手は、学生時代の級友であり心理学者のショーン・マグワイアでした。

心に闇を抱える天才不良青年ウィルと、心理学者ショーン・マグワイアの初回カウンセリングにて、ウィルはいつものようにカウンセラーをからかいます。そして、ショーンが愛していた今は亡き妻についてウィルが触れた時、心優しき心理学者ショーンマグワイアはウィルの首を掴み、激怒します。

他の多くの心理カウンセラーと同じように、ショーンマグワイアもウィルに激怒しましたが、二言目が他の心理カウンセラーとは違いました。他の心理カウンセラーがウィルに言ったのは「もう2度とくるな」でしたが、ショーンがウィルに投げかけた言葉は、「必ずまたこい」でした。

そこから、2人の心の交流とウィルの人生の夜明けがはじまっていくのでした。よき心理カウンセラーとクライエントとの関係は、「専門家と患者」ではなく、かけがえのない「出会い」なのです。

5. ショーシャンクの空に

「希望はいいものだよ、たぶん最高のものだ。いいものは決して滅びない」

・1994年 アメリカ
・監督: フランク・ダラボン
・原作:スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワーク」
・出演: ティムロビンス/モーガン・フリーマンほか

ショーシャンクの空には、「妻とその愛人を射殺した」という無実の罪を問われ、冤罪にもかかわらず劣悪な留置所に投獄された若き銀行員副頭取・アンドリュー・デュフレーン(アンディ)と、彼の投獄後の人生と仲間との出会い、逆境に負けない強い信念を描いたヒューマンドラマです。ラストには衝撃のどんでん返しが待っているので、一度見たらかならず最後まで見てほしい映画です。もっとも、「最後まで見よう」と努力しなくても、自然に画面に釘付けになる素晴らしい作品ですけどね(o^^o)


若き有能な銀行員アンディは、裁判所の被告人席にいました。彼は、「妻とその愛人を射殺した」という罪に問われていたのです。アンディは無実を訴えますが、判決は有罪。まもなく、劣悪な留置所であるショーシャンク刑務所に送還されます。そこで彼が目にしたのは、ハドリー主任刑務官やノートン所長による過剰かつ残酷な受刑者への暴力・悪行でした。もはや、施設の管理者のほうが、受刑者たちよりも重い罪を生成している現場と化しています。しかし、刑務所という閉ざされた環境故に、受刑者たちのもがき苦しむ声が外壁の外の世界に届くはずもありません。

そんな逆境の中、アンディは長い間服役していて出所を訴えるも却下され続ける囚人エリス・ボイド・レディング(レッド)に出会います。レッドは囚人たちの間では「調達屋」と呼ばれ、あらゆる物資を裏口に手に入れるプロでした。

ある日、アンディはレッドに「趣味の鉱物収集のためにロックハンマーを調達してほしい」と依頼をします。その後の服役生活の中で、アンディはレッドや他の服役者たちと仲良くなり、資産運用をはじめとした銀行員時代のスキルを活かして彼らの生活を豊かなものに変えていきます。アンディは、ハドリー主任刑務官やノートン所長を手玉に取り始めたのです。しかし、彼らの劣悪さはそう甘くなく、アンディを自らの欲望のために身体的な懲罰を利用しながら酷使していくことになります。しかし、アンディは最後まで希望を持ち続けました。アンディの希望が形になったものは、アンディがレッドに注文した2つ目の品の裏に隠れていたのです・・

この映画が僕に教えてくれたのは、人間が自分の希望を叶えるうえで、環境は関係ないということと、希望は信じるのではなく、持ち続けることが大切であるということです。人生、良いこと時もあれば苦しい時もあります。しかし、状況に自分を左右されることなく、希望を捨てずに持っておくことで、必ずその希望は形になります。この映画は、諦めない心の大切さを教えてくれるものでした。

6. まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、現役心理カウンセラーが選ぶ洋画の名作5選をご紹介しました。この記事を書いていて、それぞれの映画を見ていた時の自分の生活状況や心情、近くにいた人などを思い出し、胸が熱くなる感覚を味わいました。映画のフィルムは何回見ても一緒ですが、映画を見るという行為そのものが、自分の人生と交わっていくものです。映画とともに、素晴らしい思い出を刻めることを願っています。