シングルタスクのコツとおすすめ書籍をご紹介

心理学

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シングルタスクという言葉を聞いたことがありますか?ここ最近、「シングルタスク」という言葉や「マルチタスク」という言葉をよく聞くようになりましたよね。僕はマルチタスクをつい行ってしまい、自ら効率を落としてしまっているなと悩んでいました。ネットでマルチタスクやシングルタスクについて調べたのですが、どこのサイトでも言っていることは大体一緒で、「マルチタスクは効率が悪く、シングルタスクは効率がよい」ということを言っていました。

 

更にシングルタスクに興味を持った僕は、ネットで調べているうちにある1冊の本に出会いました。それが、「Single Task(シングルタスク)“一点集中術”」というデボラ・ザックさんが著者の本です。

Amazonで購入し、僕は1日で8割、次の日の朝、通勤電車の中で残りの2割を読み終えました。つまり、ある程度さくっと読めてしまう分量の本であるということです。また、「面白い」ということです。そして、とても読みやすかったです。

 

それでいて、ネットで調べるよりもより深い情報を得ることが出来ました。

 

この本には「マルチタスク度評価シート」が載っていたり、シングルタスクを実践するために必要な対人面でのスキルが記載されていたりするからです。

 

だから僕は、「シングルタスクについてもっと知り、それを仕事に役立てたい」、さらに大きな視点で言えば、「シングルタスクを実践して、最高の人生を手に入れたい!」と考えているあなたに1つの提案をします。それは、デボラ・ザックの「Single Task」を購入し、1冊読むこと。そして、それを実践することです。

 

原著を読む

 

シングルタスクについて理解を深めたい人にとって、それ以上の解決策が思い浮かびません。また、シングルタスクは1つのことに集中するスキルのこと。この本1冊も読み切ることができなければ、シングルタスク習得は無理でしょう。だから集中力のない僕は、自分を試すためにも、Amazonで1500円かけてこの本を買いました。配達のお兄さんが家のポストまで運んでくれたので、手間はかかりませんでした。

ここからは、僕がシングルタスクについて得た知識を、本を読みながら書くのではなく、何も見ずに、自分の言葉で解説していきます。つまり、僕の血肉化したシングルタスクについての知識です。早く原著を読みたい方は、僕の文章など飛ばして、早いところデボラ・ザックさんの「Single Task”一点集中術」を購入してください。

 

  1. シングルタスクとは

 

シングルタスクは、目の前の1つのことに集中して活動を行うことです。対義語にマルチタスクというものがあり、これは同時に複数の作業を行うことを意味します。さて、ここであなたに問題です。シングルタスクとマルチタスク、どちらが効率的だと思いますか?

 

答えは、もちろんシングルタスクです。もしかしたら、あなたの周りに「自分はマルチタスクが得意だから」と言っている人がいるかもしれません。しかし、それは嘘です。その人は、自分がマルチタスカ―だと勘違いしているだけ。なぜなら、脳機能的に、人間は同時に複数の精神活動を行うことが出来ないように出来ているからです。つまり、マルチタスカ―は存在すらしていないということです。

 

しかし、職場をイメージしてみてください。同僚と情報共有をしながらPCのメールを打ったり、資料を作成しつつ電話対応を行ったりと、マルチタスクの力は必要とされているように感じてしまいますよね。

 

しかし、実はこれも、注意を次から次へと短時間のうちに別のものへと切り替えているだけで、同時に脳が情報処理をしているわけではありません。このような短時間に注意の対象を切り替える情報処理の仕方を「タスク・スイッチング」といいます。マルチタスクの正体はタスク・スイッチングということです。(マルチタスクは人間に存在しない能力なのですが、「短時間のうちに注意の対象を切り替えてしまうこと」という意味で、マルチタスクを定義したうえで、続きを話したいと思います。)

 

  1. マルチタスクの弊害

 

 

マルチタスクは、作業効率が良くないうえに、充実感や幸福感まで私たちから奪ってしまいます。あなたは、職場でいろんな人から仕事を振られ、ストレスが溜まった経験がありますか?また、一日忙しく働いたのに、ちっとも達成感を得られなかったことがありますか?

 

実はこれらの弊害は、マルチタスクから来ています。マルチタスクは効率が悪く、心の健康にとってもよくない。よくないことだらけなのに、現代社会は私たちにマルチタスクを強要してきています。

 

2-1. マルチタスクを強いられる現代

 

仕事をした経験がある人なら、このように感じるかもしれません。

 

シングルタスクが大事なのは分かった。でも、職場じゃ実際ムリでしょ

 

私も最初はそう思いました。資料を作っていても電話が鳴ったら出なければならないし、メールの返信をしながら同僚と情報共有をしないと、時間がなくなってしまいます。もちろん職種にはよりますが、とくにオフィスで働くタイプの仕事である場合、マルチタスクをしないで仕事を終わらせることなど不可能な気がしませんか?

 

しかし、僕は「シングルタスク」を読んで気づかされました。自分にこう問いかけてみたのです。

 

マルチタスクをして、自分は今日いくつの仕事を終わらせた?

 

そう問われた時、自信を持って答えられる成果が1つもなかった。脳ばかり疲労しているけど、結果は全然伴っていないのです。

 

マルチタスクには2つの特徴があって、それが私たちをだましているように思えます。

 

・「仕事を頑張っている感」を出せる

 

・疲労感が、「自分は仕事を頑張った」という気持ちにさせる

 

という2つです。

 

まず1つ目、「仕事を頑張っている感」を出せるですが、マルチタスクをしていると、いかにも「仕事をしている感」が出ると思いませんか?職場では、あまりサボっていると思われなくないですよね。周囲から認められるために、マルチタスクをしてしまっている可能性があります。

 

もう1つ、疲労感が、「自分は仕事を頑張った」という気持ちにさせるに関してですが、マルチタスクをすると脳が非常に疲れます。タスクを切り替える度に、脳が記憶を呼び起こして再アップデートしなければならないからなのです。つまり、マルチタスクをした後に脳が疲れているのは、脳が無駄に消費されてしまったから。「空吹かし」の状態なわけです。しかし、私たちはその疲労感を「仕事を頑張ったから」と決定づけてしまうわけですね。

 

「仕事を頑張っている感」を出すのではなく、本当の意味で成果をあげたいですよね?

 

 

「空吹かし」で脳を疲れさせるのではなく、生産的な仕事をして、達成感とともに疲れを味わいたいですよね?

 

 

私たちに残されているのは、シングルタスカ―になるという道だけです。

 

22. マルチタスクのメカニズム

マルチタスクは人間の脳を無駄に疲れさせているということを、先ほどお伝えしました。ではなぜ、マルチタスクは非生産的なのでしょうか。メカニズムを聞いたほうが安心する方もいると思うので、簡単に解説します。

 

・マルチタスクをすると、タスク同士が干渉し合ってしまう

 

複数のタスクを短時間のうちに切り替えながら行うと、タスク同士が干渉し合ってしまい、情報が混沌としてしまいます。その結果脳がパニック状態になり、前頭葉機能が一時的に低下し、思考力が鈍ってしまいます。

 

・タスクの内容が長期記憶に移行しない

記憶は、短期記憶と長期記憶に分かれることをご存じですか?短期記憶は、短い時間で忘れてしまう一時的な記憶で、長期記憶は半永久的に覚えておくことのできる記憶です。マルチタスクを行うと、インプットした情報を長期記憶までたどり着かせることなく、短期記憶で止めてしまいます。すると、短期記憶にとどまっている記憶はすぐに忘れてしまうので、情報が蓄積していきません。情報が蓄積しないのであれば、最初から覚える他ないので、そこで脳が余分なエネルギーを使ってしまうのです。

  1. シングルタスクのコツ

みなさんが最も興味があるのはここかもしれませんね。シングルタスクを実践するためにはどんなコツがあるのか。集中力がもともと高い方は、シングルタスクを習得するのにそんなに苦労しないかもしれません。ですが集中力に自信がなかったり、マルチタスクを強いられたりするような環境に身を置いている方にとっては、以下の知識が役に立つかもしれません。

 

パーキングロッド法

 

これは、自分がある1つのタスクをこなしている間に、別のタスクが介入してきた時に使えるタスクです。介入してきたほうのタスクは素早くメモにとり、自分が元々行っていたタスクに戻るのです。今取り組んでいることが終わったら、メモ、すなわちパーキングに置いてある新たなタスクに取り掛かる方法です。

 

例えば、パソコンで資料を作成している最中に、「契約書のフォーマットを印刷してほしい」という新たな仕事が舞い込んできたとしましょう。「今すぐ印刷しなくては」という誘惑に打ち勝ち、新たに舞い込んできた仕事は一度メモしておくのです。そして、今やっている資料作成の仕事がひと段落したら、そこではじめて契約書のフォーマットの印刷に取り掛かってください。

 

1つ注意なのは、使うメモは1つにしましょう。メモが複数あると、今度は「メモを探す」というタスクが新たに生じ、マルチタスクにつながってしまいます。

 

僕個人としては、このパーキングロッド法が一番実質的に使えるテクニックなのではないかと思いました。

 

1×10×1メソッド

 

これは、時間の使い方に関するメソッドです。出社したら、1分で片付けられることを最初に行い、次に10分で片付けられることをすべて終わらせる。そして最後に、1時間以上を要するタスクに取り掛かるというものです。この時間の使い方が、シングルタスクを実践するうえで最も効率的であるとのことです。

 

ブラウザ画面は毎回閉じる

iphoneやgoogle chromeなどは、一度に複数のブラウザ画面を開いておくことが出来ますよね。しかし、開いたままにして放置しておくと、複数の刺激に脳が曝されやすくなってしまいます。せっかく集中できていても気が逸れてしまうので、ブラウザは閲覧が終わったら毎回閉じるようにしましょう。また、パソコンに限らず、気が散るようなものは予め取り除いておき、視覚に入れないよう工夫することが大切です。

 

  1. シングルタスクの邪魔をする2つの因子

シングルタスクを阻害するパターンは2つです。

 

  • 自分の思考
  • 外部からの刺激

 

まず、自分の思考に関しては、勉強をしている時に他のことを考えてしまい、集中できなくなってしまう時などが例として挙げられます。実はこれもマルチタスクなんですね。行動レベルでは1つのことしかしていなくても、思考レベルで2つのことをしてしまったらそれはマルチタスクです。机に座ってペンを持っていたとしても、思考が勉強の内容ではなく他のところに行っていたら、もちろん勉強ははかどりませんよね。

 

行動と思考が一致している

 

これがマルチタスクの原則です。

外部からの刺激は分かりやすいでしょう。勉強している時に友達が近寄ってきて「ねぇ、ゲームしようぜ」と言ってくる場面は、すぐにイメージできると思います。外部からの刺激は自分の意志でコントロールできないので、「あらかじめ伝えておく」ことが有効です。あらかじめ「~時から~時までは勉強をするから、終わったらゲームをしよう」と約束しておけばいいのです。

 

  1. まとめ

今回は、シングルタスクについてざっと概要をお伝えしていきました。現代社会は情報が散乱していて、マルチタスクになりやすい世の中だと思います。24時間、365日、オンライン状態の世の中で、脳はいつ休ませてもらえるのでしょうか。「今日は頑張った」「いい仕事をした」と充実感を得るため、地に足のついた確かな毎日を歩むために、シングルタスク的生活を一緒に取り戻していきましょう!