- 「心理カウンセラーの資格にはどのようなものがあるの?」
- 「おすすめの心理カウンセラー資格が知りたい」
本記事では、心理カウンセラーという職業に興味を持っている方に向けて、おすすめの民間資格をご紹介します。
この記事を書いている私は臨床心理士なので、心理カウンセラーの就職事情や学ぶべき項目などについて理解しており、根拠のある情報をお伝えできるのではないかと思います。
心理カウンセラーのお仕事に興味がある方、心理学を自分に活かしたい方はぜひ読んでみてください。
臨床心理士がおすすめする心理カウンセラーの民間資格9選
心理カウンセラーの民間資格は数多くあり、以下のポイントを意識して自分に合ったものを選ぶのがおすすめです。
- 資格講座を提供している学校の質
- 学校の中で学べる内容
- カウンセラーの資格をどのようにキャリアに活かしたいか
以下には、臨床心理士目線でおすすめと言える心理カウンセラーの資格10選を記載しました。
メンタルケア心理士®︎
メンタルケア心理士®︎は、メンタルケア学術学会・一般財団法人生涯学習開発財団が認定している心理カウンセラーの民間資格です。
メンタルケア学術学会のホームページに記載されている「メンタルケア心理士®︎」の概要を以下に記載しました。
医療・福祉・教育・産業・公共サービス等での相談援助および心理カウンセリング、心理療法によるカウンセリング業務従事職やコミュニケーション向上で求められる基礎能力を有すことを証明します。
以上の概要から、メンタルケア心理士®︎は自分のメンタルヘルスに役立つ知識を得られるだけでなく、心理カウンセラーを仕事にするうえで十分な能力を証明する資格であることが分かりますね。
メンタルケア心理士のおすすめポイント
メンタルケア心理士®︎を取得するには、ヒューマンアカデミーの通信講座である「たのまな」が開講している「メンタルケア心理士®︎資格取得講座」を受講・修了する必要があります。
メンタルケア心理士®︎資格取得講座では心理カウンセラーにとって必要不可欠な知識をピンポイントで学べるので、内容を以下に記載しますね。
- 精神解剖生理学
- 精神医科学
- 心理療法によるカウンセリング技法
上記の内容を、教材やDVDを通して学べます。
私は臨床心理士の資格を取得していますが、自分自身が痛感していることとして「もっと身体のことを学んでおけば良かった・・!」というものがあります。
心と体はつながっており、体や脳の構造を理解していると、心の問題との関係性を理解しやすくなったり、精神症状のことを正しく理解していると、カウンセリングの方向性なども組み立てやすくなるわけですね。
ヒューマンアカデミーの「たのまな」が開講している「メンタルケア心理士®︎資格取得講座」なら、心理療法などの「心」へのアプローチの前提として「身体についての理解」も深められるので、非常に有益であると感じます。
メンタルケア心理士®︎になるには
メンタルケア心理士®︎を取得するまでの流れを以下に示しました。
- ヒューマンアカデミーの通信講座「たのまな」の「メンタルケア心理士®︎資格取得講座」を受講
- 文部科学省後援「こころ検定®︎2級」を受験
- 受講修了証と「こころ検定®︎2級」の合格証明証を提出して「メンタルケア心理士(R)」の認定を受ける
メンタルケア心理士®︎は、文部科学省が後援しているメンタルヘルスについての検定である「こころ検定®︎2級」に対応しています。
つまり、メンタルケア心理士®︎を取得することは、同時に「こころ検定®︎2級」を取得することにもなるわけですね。
ヒューマンアカデミーによる「メンタルケア心理士®︎資格取得講座」の概要を以下にまとめておきます。
講座名 | メンタルケア心理士®︎資格取得講座 |
運営教育機関名 | ヒューマンアカデミー「たのまな」 |
料金 | 49,000円(分割払い:初回4,222円、月々3,400円) ※2023年2月28日まで期間限定で44,000円に割引き中 |
標準学習期間 | 4ヶ月 |
教材 | ・テキスト「精神解剖生理学基礎」 ・テキスト「精神医科学基礎」 ・テキスト「カウンセリング基本技法」 ・講義DVD ・ポイントグラフィックDVD ・添削問題集 ・解答用紙 |
メンタルケア心理士®︎を取得した方は、上位資格である「メンタルケア心理専門士®︎」の資格取得講座を受けられるようになります。
メンタルケア心理専門士®︎は、各心理療法をより深く学ぶなど、より応用的・実践的なスキルを証明する資格です。
メンタルケア心理専門士®︎を取得後に実務経験を積み、国家資格である「公認心理師」を取得するという例も過去にあることから、メンタルケア心理専門士を「公認心理師への橋渡し」と位置付けることもできます。
引用:たのまな
NLPプラクティショナー
NLPプラクティショナーとは、米国NLP協会が認定している、コミュニケーションや目標達成に関する実践的な心理学である「NLP」の知識・技能を保持していることを示す資格です。
NLPとは、Neuro(神経・五感)・Linguistic(言語)・Programming(プログラミング)の頭文字であり、人が五感で得た情報をどのように言語に置き換え、そして自分なりのパターン(=プログラミング)に置き換えるのかを研究する心理学の分野です。
1970年代にアメリカのリチャード・バンドラー氏、ジョン・グリンダー氏がベトナム戦争によりPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に活用した後、1980年代からはコミュニケーションや目標達成にも応用されるようになりました。
NLPは心理カウンセリングに限らず、社内での人間関係や教育などにも活用でき、幅広い分野から注目されている心理学でもあります。
NLPプラクティショナーの特徴
NLPプラクティショナーの特徴として、米国NLP協会、そして創始者であるリチャード・バドラー氏が認定している資格であることが挙げられるでしょう。
NLPミレニアムジャパン、NLPアライアンスなどのNLPに関する国内でも有名な団体がトレーニングマニュアルを作成しており、「本物のNLP」を実践的に学べます。
一般的な心理カウンセリングでは心の問題を扱うことが多いですが、NLPは日常で他者とどのようにしたら信頼関係を築けるのか、自分や他者の目標を叶えるにはどのように考え、行動したら良いのかを学べるので、NLPの技能を応用できる範囲は多岐に渡ります。
- 心理カウンセラーが、NLPの専門性を身に着ける
- 企業の管理者が社内の環境改善にNLPを活用
- 学校の先生がNLPの知識を教育に反映させる
- 家族との関係改善にNLPを役立てる
上記のように、生活の中で実践的に活用できるのが、NLPを深く学ぶメリットと言えるでしょう。
NLPプラクティショナーを取得するには
NLPプラクティショナー資格は、ヒューマンアカデミーが「通学講座」として開講している「米国NLP協会認定NLPプラクティショナー講座」を受講・修了することで得られます。
全国展開している校舎に足を運び、少人数制クラスの中で経験豊かな講師から実践的に学べるのが特徴で、受講期間3ヶ月の中で集中的にNLPの専門性を身につけることになります。
経験豊かな講師が体験的な学びを提供してくれるので、これまで講座を受けた生徒357人中352人が内容に「満足」と答えているのも魅力的ですね。
ヒューマンアカデミーによる「米国NLP協会認定NLPプラクティショナー講座」の概要を以下に示しました。
講座名 | 米国NLP協会認定NLPプラクティショナー講座 |
運営教育機関名 | ヒューマンアカデミー(通学講座) |
料金 | 受講料:451,000円(税込み)+入学金:33,000円(税込み) |
標準学習期間 | 3ヶ月 |
教材 | テキストは通学講座の中で配布(テキスト代は別途必要) |
心理学は「実践的な学問」であるべきであり、通学講座でみっちりNLPを学べるのは、心理の専門家にとっても魅力的です。
受講料は決して安価ではありませんが、「一生もの」のスキルが身に付くでしょう。
引用:ヒューマンアカデミー
引用:マンガでわかる!すぐに使えるNLP|米国NLP協会認定トレーナー&コーチ 藤川とも子
心理カウンセラーベーシック
心理カウンセラーベーシックは、「小高千枝メンタルヘルスケア&マネジメントサロン」が認定している、心理カウンセリングの基礎的な知識を有していることを証明する資格です。
認定団体である「小高千枝メンタルヘルスケア&マネジメントサロン」の主宰者である小高千枝氏は公認心理師として有名人のメンタルケアなどに取り組んできた実績もあり、テレビ番組などにコメンテーターとして出演した経歴もある方です。
心理カウンセラーベーシックの特徴
心理カウンセラーベーシックの特徴として、初めて心理カウンセリングを学ぶ方にとって学習を進めやすい講座内容となっていることが挙げられます。
プロの心理カウンセラーとして活躍するための基礎を学ぶことを目的としており、とくに以下のようなニーズを持った方におすすめです。
- まずは自分のメンタルヘルスに心理カウンセリングの知識を活用したい
- 人間関係や仕事に、心理の知識を役立てたい
標準学習期間は約4ヶ月であり、1日あたりの学習時間の目安は30分ほどと言われています。
仕事や育児、家事などで忙しい方でも学習を進めやすいでしょう。
心理カウンセラーベーシックを取得するには
心理カウンセラーベーシックを取得するには、「生涯学習のユーキャン」が行っている「心理カウンセリング講座」を受講修了し、資格試験に合格する必要があります。
心理カウンセラーベーシックを取得するための条件を以下に記載しました。
- 講座内の添削課題をすべて提出
- 資格試験にて正答率70%以上
ユーキャンの心理カウンセリング講座は通信講座なので、在宅での学習が可能です。
また、資格試験で不合格であった場合でも3回までは再受験が可能なので安心ですね。
心理カウンセリングの知識を自分自身の生活に活用したい方、気軽に学んでみたい方にはとくにおすすめの資格と言えるでしょう。
ユーキャンの心理カウンセリング講座の概要を以下に記載しました。
講座名 | ユーキャンの心理カウンセリング講座 |
運営教育機関名 | 生涯学習のユーキャン |
料金 | 受講料:35,000円(一括払い) 2,980円×12回(分割払い) |
標準学習期間 | 4ヶ月 |
教材 | メインテキスト:3冊(1.基礎編、2. カウンセリング理論編、3.カウンセリング事例編) 副教材:よくわかる!心理学おもしろBOOK、セルフカウンセリングノート、カウンセリングポイントDVD) その他:添削関連書籍一式、エゴグラム性格診断サービス(オンライン) |
引用:心理カウンセリング講座|生涯学習のユーキャン
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定しているプロのカウンセラーとして活躍するための基礎技能を有していることを証明する資格です。
2ヶ月という短い期間で資格を取得でき、価格も通常価格38,600円と比較的安価であるにも関わらず、学べる内容の専門性が高いと評判の資格となっています。
メンタル心理カウンセラーの特徴
メンタル心理カウンセラーの特徴として、一般社団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定している信頼性のある資格であることが挙げられるでしょう。
大学の心理学部で学ぶ内容の中からプロの心理カウンセラーになるために必要なポイントだけを2ヶ月間の学びの中で習得できるよう凝縮しているのも特徴です。
テキストは初心者にも分かりやすいやさしい言葉で解説されており、DVDと連動しているので、しっかりと理解を深めながら心理カウンセリングに必要な知識を吸収していけます。
また、カウンセリング実習を通して実践的な心理カウンセリングを肌で学ぶことができるので、知識だけでなく実践的なスキルを身につけられるでしょう。
メンタル心理カウンセラーを取得するには
メンタル心理カウンセラーを取得するには、資格のキャリカレが開講している「メンタル心理カウンセラー資格取得講座」を修了し、在宅での資格試験に合格する必要があります。
専属サポーターが受講者ついているので、いつでも無料で質問や相談をしながら学習を進めることが可能で、700日の長期学習サポート制度もあるので、安心して資格取得を目指せるのも強みですね。
心理カウンセリングで開業する場合などにも、資格があったほうが信頼性が高まります。
心理カウンセラーとして勤務したい方だけでなく、独立開業を目指したい方にもおすすめの資格と言えるでしょう。
資格のキャリカレによる「メンタル心理カウンセラー資格取得講座」の概要を以下に記載しました。
講座名 | メンタル心理カウンセラー資格取得講座 |
運営教育機関名 | 資格のキャリカレ |
料金 | 受講料:38,600円(税込) ※左記は「通常価格」の料金で、期間限定にて割引をしていることもあります。詳しくは公式ホームページにて。 |
標準学習期間 | 2ヶ月 |
教材 | テキスト(5冊) 映像講義DVD 無料カウンセリング実習サービスサポートBOOK |
引用:メンタル心理カウンセラー資格取得講座|資格のキャリカレ
メンタルヘルスマネジメント検定
メンタルヘルスマネジメント検定は、大阪商工会議所、施行商工会議所が主催している、職場における心の不調の予防や対処方法に関する知識を習得するための検定です。
試験は「Ⅰ種(マスターコース)」「Ⅱ種(ラインケアコース)」「Ⅲ種(セルフケアコース)」の3種類に分かれているので、それぞれ概要を以下に示しました。
- Ⅰ種(マスターコース):人事労務管理者や経営者向け
- Ⅱ種(ラインケアコース):各部門の管理者向け
- Ⅲ種(セルフケアコース):一般社員向け
自分の職位に合ったメンタルヘルスマネジメントを学び、知識・技能を試せるので、職場環境や職場におけるメンタルヘルスに興味がある方におすすめの検定です。
メンタルヘルスマネジメント検定の特徴
メンタルヘルスマネジメント検定の特徴として、予防やメンタルヘルスに関するシステム作りに焦点を当てている点が挙げられるでしょう。
実際にメンタル疾患に罹ってしまった方への対応を行うスキルを磨けるだけでなく、「どうしたらメンタル面に関する問題を未然に防げるか」という予防的な視点を磨くことができるのです。
経営者向け、管理者向け、一般社員向けそれぞれの試験が用意されているので、自分の立場に合った試験を受験すると良いでしょう。
メンタルヘルスマネジメント検定を受験するには
メンタルヘルスマネジメント検定の受験は、以下に示す2パターンがあります。
- 公開試験
- 団体特別試験
公開試験は全国15都市にて、年2回一斉に行われます。団体特別試験は、各企業等が任意の試験日時・会場を指定する特徴があります。
試験内容や料金については種類によって異なるので、以下の表に記載しました。
Ⅰ種(マスターコース) | 選択問題:2時間(100点) 論述問題:1時間(50点) 受験料:11,550円 |
Ⅱ種(ラインケアコース) | 選択問題:2時間(100点) 受験料:7,480円 |
Ⅲ種(セルフケアコース) | 選択問題:2時間(100点) 受験料:5,280円 |
各コースともに受験資格などはとくになく、学歴や職歴に関わらず受験することが可能です。
試験問題は2021年7月に発行された「公式テキスト第5版」をもとに構成されており、全国の主要書店(大型書店)にて販売されています。
テキストによる自習だけでは不安な方は、大阪商工会議所が開講しているオンデマンド配信による受験対策講座もあるので、受講を検討すると良いでしょう。
メンタル心理ヘルスカウンセラー®︎
メンタル心理カウンセラー®︎は、日本メディカルセラピー協会(JAAMP)が認定している、心理学の基礎知識やストレスに起因する症状や治療法について十分に理解していることを証明する資格です。
心理カウンセラーを目指す方だけでなく、以下のような人と関わることを生業にしている職種の方が活用できるでしょう。
- 看護師
- 介護士
- 教諭
- 会社の管理者
- 営業
- サロン経営者
上記のような職種の方々は「人」を相手にすることが多いので、一人一人の悩みに対して的確に支援をする技量が求められます。
メンタル心理ヘルスカウンセラーの資格を持っていれば確かな知識をもとに他者と関われるので、自信を持って支援を行っていけますね。
メンタル心理ヘルスカウンセラーの特徴
メンタル心理ヘルスカウンセラーの特徴として、「SARAスクール」が開講している「心理カウンセラープラチナコース」を受講・修了すれば、以下に示す2資格を、試験なしで在宅での学習で同時に取得できる点が挙げられます。
- メンタル心理ヘルスカウンセラー®️(日本メディカル心理セラピー協会認定)
- メンタル心理インストラクター®️(日本インストラクター技術協会認定)
同時に取得できるメンタル心理インストラクター®️は、カウンセリングに加えて医療知識も身につけていることを証明する資格です。
2ヶ月〜6ヶ月、1日30分の学習で講座を修了でき、講座の修了と同時に2資格を取得できるのは魅力と言えますね。
また、テキストは精神科クリニックで勤務するプロの心理カウンセラーが作成しているので、専門性もしっかりと備わっています。
メンタル心理ヘルスカウンセラーを取得するには
メンタル心理ヘルスカウンセラー®︎、メンタル心理インストラクター®️を資格試験なしで取得するには「SARAスクール」が開講している「心理カウンセラープラチナーコース」を受講・修了する必要があります。
合計5回の添削課題の提出と、1回の卒業課題を提出すれば2資格を試験免除で同時に取得することができます。
以下に、SARAスクールの「心理カウンセラープラチナコース」の概要を記載しました。
講座名 | 心理カウンセラープラチナコース |
運営教育機関名 | SARAスクール |
料金 | 受講料:79,800円 ※受験対策のみで試験ありの「心理カウンセラー基本コース」は59,800円 |
標準学習期間 | 2ヶ月〜6ヶ月 |
教材 | ・ガイドブック ・受講証 ・受講カード ・学習テキスト01 ・学習テキスト02 ・練習問題集/解答 ・模擬試験/解答 ・添削課題(5回分) ・質問用紙 ・封筒 ・卒業課題 |
引用:心理カウンセラー資格・メンタル心理ヘルスカウンセラーの通信教育・通信講座|SARAスクール
心理カウンセリングスペシャリスト
心理カウンセリングスペシャリストは、近年注目を集めているオンライン資格取得サービスである「formie」が開講している「心理カウンセリングスペシャリスト資格講座」を受講・修了することで得られる資格です。
スマホ1台で気軽に取得できるからと言って専門性が損なわれているわけではなく、プロのカウンセラーとしての一歩を踏み出せる充実した資格となっています。
心理カウンセリングスペシャリストの特徴
心理カウンセリングスペシャリストを取得するための講座内容は、主要な心理学の理論を網羅する形で構成されているのが興味深い特徴と言えるでしょう。
- 精神分析
- 交流分析
- 自己理論
- 行動療法
- 特性・因子理論
- ゲシュタルト療法
- 実存主義
- 論理療法
上記の主要8理論をもとに講座が組み立てられているのですが、どれも、より専門性の高い心理系の資格である臨床心理士や公認心理士が必ず一度は学ぶ内容です。
カウンセリングを行う際も上記のような理論から目の前のクライエントさんの問題解決に有効と思われるものを「引用」する形で取り入れることが多く、非常に有益な学びであるように感じます。
専門的な内容を、スマホ1台でどこでも学べて、図解付きで分かりやすいので、心理学を本格的に学び、仕事や生活に活かしたい初心者の方にはうってつけの資格と言えるでしょう。
心理カウンセリングスペシャリストを取得するには
心理カウンセリングスペシャリストを取得するには、オンライン資格取得サービスである「formie」のサブスクプランまたは講座を個別購入し、資格取得講座を受講する必要があります。
サブスクプランと講座の個別購入それぞれのパターンについて、概要を以下に記載しました。
- サブスクプラン:月額3,980(税込)で1ヶ月に1000ポイント(1講座分)が付与される
- 講座の個別購入:38,500円(税込)で資格取得に必要なすべての講座を受けられる
スマホやPCで講座を受けた後、オンライン上で試験を受け、基準点を満たせば合格から3週間程度で認定証が自宅に届きます。
試験は好きなタイミングで、どこでも受けられるので便利ですね。
formieによる心理カウンセリングスペシャリスト資格講座の概要を以下に示しました。
講座名 | 心理カウンセリングスペシャリスト資格講座 |
運営教育機関名 | formie |
料金 | サブスクプラン:月額3,980円(税込) 講座の個別購入:38,500円(税込) |
標準学習期間 | 1〜2ヶ月程度 |
教材 | Web教材(スマホまたはPCのみで完結) |
引用:心理カウンセリングスペシャリスト資格講座|formieの通信講座
キャリアコンサルタント(国家資格)
キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを生業とする国家資格を示しています。
キャリアコンサルティングとは「労働者の職業選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」と定義されています。
人々がより自分らしく持っている能力を発揮して働くことを促す専門家と考えると分かりやすいですね。
相談や助言を通して人々がよりよく働けるよう寄り添いたい方には合っている資格と言えるでしょう。
キャリアコンサルタントの特徴
キャリアコンサルタントの特徴として、心理カウンセラーとの類似性が挙げられるでしょう。
なぜなら、キャリアコンサルタント、心理カウンセラーともに目的を社会のための人材育成ではなく「個人の自己実現」に置いているからです。
相談に応じる中で人それぞれの強みや個性、経験などを整理し、個人にとってベストなキャリア形成を促す、大変意義深い資格です。
キャリアコンサルタントは国家資格であるので、社会的信頼も厚い傾向にあると言えますね。
キャリアコンサルタントを取得するには
キャリアコンサルタントを取得するには、以下に示すステップを踏む必要があります。1. 受験資格を満たす
キャリアコンサルタントの試験を受験するには、以下に示す条件を満たす必要があります。
①受験資格を満たす
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了したもの
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する者
引用:日本マンパワー
より一般的なのは認定講習を受講する方法で、複数の講座が開講されています。
②試験を受ける
キャリアコンサルタントの国家試験は、特定非営利活動法人日本キャリア開発協会と特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協会が行っています。
試験は四肢選択式の学科試験と、ロールプレイと口頭試問からなる実技試験があり、受験料は学科試験8,900円、実技試験29,900円です。
キャリアコンサルタントの試験に合格すれば、厚生労働省の登録者名簿に記載され、晴れてキャリアコンサルタント(国家資格)所持者となります。
5年毎の更新が必要な資格であり、継続的な学習が求められているのも特徴ですね。
キャリアコンサルタントの概要を以下に示しました。
資格名 | キャリアコンサルタント |
資格認定機関名 | 厚生労働省 |
試験実施機関名 | ・特定非営利活動法人日本キャリア開発協会 ・特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 |
受験料: | 学科試験:8,900円 実技試験:29,900円 ※認定教育機関にて講習を受ける場合、別途受講料がかかります。 |
取得までの期間(参考) | 約6〜8ヶ月 |
引用:日本マンパワー
引用:よくある質問|LEC東京リーガルマインド
産業カウンセラー
産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会(JAICO)が認定している、職場での心理カウンセラーを養成するための資格です。
産業カウンセラーは、働く人に対して以下に示す援助を行います。
- メンタルヘルス対策への援助
- キャリア開発への援助
- 職場における人間関係開発への援助
働く人のメンタルヘルスに限らず、キャリア開発や職場の人間関係開発にも介入するのがポイントと言えますね。
産業カウンセラーの特徴
産業カウンセラーの特徴として、相談室の中だけでなく、職場という現場の中で「働く人」に寄り添う視点が挙げられるでしょう。
一般的な心理カウンセラーの場合は相談室にクライエントが訪れ、カウンセリングを行うことが多いです。
しかし、産業カウンセラーの場合は職場という「現場」をクライエントとしており、個人だけでなく環境にもアプローチする視点が重要です。
ただ、産業カウンセラーとはいえ、基本にあるのは目の前の方に対して真摯に向き合い、批評的な態度ではなく受容・共感を心がける「傾聴」の視点が中心にあるのも忘れてはいけません。
産業カウンセラーを取得するには
産業カウンセラーの資格を取得するための方法は、以下に示す2パターンがあります。
- 日本産業カウンセラー協会による「産業カウンセラー養成講座」を修了する
- 大学院にて所定の単位を取得
産業カウンセラー養成講座は、通学制や通信制、e-Learningなどの受講方法を選べ、受講期間は6ヶ月から12ヶ月ほどと、受講形態によって変動します。
大学院にて所定の単位を取得する場合、心理学や隣接科目などの人間科学を中心とした所定科目の単位を取得することで、産業カウンセラーの受験資格が得られます。
産業カウンセラーの試験は毎年1〜2月に行われ、試験内容は以下の通りです。
学科試験(1月実施) | ・カウンセリングの基礎知識:40問 ・事例への対応能力・傾聴の技法の対話分析能力:20問 ※いずれも5肢択一のマークシート方式 |
実技試験(2月下旬〜2月実施) | ・受験者相互によるロールプレイ ・口頭試験 ※合計20分程度 |
実技試験では、産業カウンセラーに関わらず、対人援助職に求められる傾聴の姿勢が問われるロールプレイがあります。
養成講座で事前にトレーニングを重ねておくと安心でしょう。
以下には、産業カウンセラーの概要を記載しました。
資格名 | 産業カウンセラー |
資格認定機関名 | 一般社団法人日本産業カウンセラー協会(JAICO) |
受験料: | 学科試験:10,800円 実技試験:21,600円 ※「産業カウンセラー養成講座の受講」「大学院での所定科目履修」にて別途費用がかかります。 |
取得までの期間(参考) | 約6ヶ月〜10ヶ月 ※産業カウンセラー養成講座の受講期間 |
引用:産業カウンセラーになるには・必要な資格・仕事内容・全国の求人|スタンバイ
引用:産業カウンセラーとは|一般社団法人日本産業カウンセラー協会東北支部
心理カウンセラーの資格を選ぶ際のポイント【心理士視点】
ここまでは、心理カウンセラーのおすすめ資格を9資格ご紹介してきました。
記事を読む中で「これは自分に合っているかも」と思うものがあれば、ぜひ資料請求や公式サイトへのアクセスをしてみてくださいね。
無料で資料請求できる講座も多いので、まずは情報を集めるのがおすすめです。
ここからは、心理カウンセラーの資格を選ぶ際に「こんなポイントを意識すると良い」と心理士である私が思ったことを赤裸々にお伝えしていきます。
ぜひ、資格選びの参考にしてみてください。
「専門性」を持っておくと強い
私自身が心理士になってみて実感したのが、何かしらの「専門性」を持っておくと強いということです。
心理カウンセラーとして最も重要なのが受容的・共感的な態度であることは間違いないのですが、実際に相談に来てくださるクライエントは人生における何らかの「問題」を抱えていることが多く、解決の手がかりが欲しいとすがるような思いでカウンセリングに問い合わせをしてくださいます。
その際、特定の心理療法についてのスキルがあれば、問題解決に向けた具体的な道筋を提案しやすくなるわけです。
また、今働いている会社の中で心理カウンセリングのスキルを活かす際や、就職活動の際にも、「心理カウンセリングができます」だと少し抽象的な印象を持たれてしまいます。
- NLPのスキルを使って、社員の円滑なコミュニケーションを後押しできます!
- 認知行動療法をベースにした心理カウンセリングを行えます!
- ポジティブ心理学の考え方を社内研修に取り入れられます!
上記のように、特定の心理療法を突き詰めて学んだほうが、実質的に仕事には活かしやすくなると私は考えます。
カウンセリングを実技で学べると良い
スポーツなら実際に体を動かし、楽器なら演奏してみないと、上達はしませんよね。
心理カウンセリングに関しても同じことが言え、指導者のもとでカウンセリングを実践的に学ぶプロセスがなければ、いくら本を読んで学んでもスキルが身につきません。
クライエントと対面したときの間の取り方、傾聴する際の相づちや表情、ワークの導入のタイミングなど、実践の中でのみ身につけることができるのです。
実技研修があるタイプの講座を選ぶと、より質の高い学びが得られるでしょう。
通学して通うタイプの研修に参加し、グループワークなどを通して「肌で学ぶ」ことも非常に質の高い学びにつながります。
学びやすさが重要
心理カウンセラーは他者の人生に影響を与える、大変意義深く責任の伴う職業だと思います。
ただ、心理カウンセラーの資格に興味がある段階であれば、とりあえず学んでみなければ、適性を判断できませんよね。
心理カウンセラーを目指すかどうか自体に悩んでいる方におすすめなのが、スマホやオンラインで比較的手軽に学べるタイプの講座を受講してみることです。
まずは自分にとって学びやすい形態で「心理カウンセリングってこういうものなのか!」と気付きを得て、それを本当に職業にしたいと思ったら、長期的な講座や大学・大学院などへの進学を検討してみるのでも遅くはないと思うのです。
心理カウンセラー資格に関するよくある質問
心理カウンセラーへの転職を考えている方や、心理カウンセラーの仕事に興味がある方からよくある質問をまとめたので、以下に記載します。
心理カウンセラーの仕事内容は?
心理カウンセラーの仕事内容は、職域によって大きく異なります。
以下には代表的な職域における心理カウンセラーの仕事内容を記載しました。
- 医療領域:心理カウンセリング・心理検査・デイケアの運営など。
- 学校領域:スクールカウンセラーとして、児童や保護者のカウンセリング、教師へのコンサルテーションを行う。
- 産業領域:社内の心理カウンセラーとして、従業員への相談窓口として活動。メンタルヘルスの予防研修や、職場と個人の調整役を務めることも。
- 福祉領域:障害者支援施設の支援員として、心理カウンセリングの知識を活用しながら勤務。利用者向けの講座などを担当することも。
職域によって業務内容が大きく異なるので、自分がどのような現場で働きたいのかを事前に明確にしておくと良いでしょう。
心理カウンセラーはそもそも仕事にできる?
少しリアルな話をすると、医療領域や学校領域の心理職採用では、採用条件に「臨床心理士もしくは公認心理士を持っていること」とあることがほとんどです。
これは個人的な意見ですが、臨床心理士・公認心理士ではない方が心理カウンセラーを仕事にする場合、以下の2つのルートがあると考えます。
- 民間の心理カウンセラー資格を取得後、福祉施設などで実務経験を積み、公認心理師(国家資格)を目指す。
- 心理カウンセラーとして個人開業する。
1つ目ですが、民間企業が経営している福祉施設などの場合、心理系の資格がなくてもスタッフの1人として採用されることが多々あります。
例えば、民間資格の中でも専門性に強みを持つ「メンタルケア心理専門士®︎」を取得後、資格をアピールして民間施設で実務経験を積むのはいかがでしょうか。
国家資格である公認心理師には実務経験と心理学の一定の知識を有する資格を持っていることを受験資格とするルートもあるため、ゆくゆくは公認心理師を取得できる可能性も見えてきます。
カウンセリングの個人開業に日本国内では資格を必要としないため、最初から開業をして、個人事業主として心理カウンセリングを行う道もあります。
ただし、精神医学に関する最低限の知識や、心理カウンセリングの基本的な考え方について理解していることが望ましく、やはり資格を取得しておくメリットは大きいでしょう。
心理カウンセリングを学ぶメリットは?
「話をするのが上手い人」がコミュニケーション能力が高いと、一般的には思われていますよね。
しかし、実際は話を聴くのが上手い人が、他者と良好な関係を築けることが多いのです。
一般的な話の利き方と、心理カウンセラーが訓練をして身につけた話の利き方は大きく異なっているのですが、会話の例を以下に記載してみました。
話し手の悩み:「恋人が欲しいなぁ」
一般的な回答:「まずは、人が集まるところに足を運ばなきゃ。行動が大事だよ。」
カウンセラーの回答:「恋人が欲しい気持ちが強くなっているのですね。どんな時に、そういった気持ちが強くなるのですか?」
一般的な回答とカウンセラーの回答は、どこが異なるかお気づきでしょうか?
カウンセラーの回答は、アドバイスや価値判断をせず、相手の気持ちを受け入れたうえで、その人自身が問題に気付けるような問いかけをするのです。
傾聴の技法が身に付くと、日常での人間関係においても信頼関係を築きやすくなります。
心理士の給料は?
心理士の給料は、常勤の場合は手取りの月給が20〜25万円ほど、非常勤の場合は時給1,000〜2,000円ほどが多いです。
職域ごとに給料が異なるので、目安を以下に記載しますね。
- 医療機関の心理士採用(常勤):月給20〜25万円ほど
- 福祉施設に支援員などとして採用(常勤):月給20〜25万円ほど
- スクールカウンセラー(非常勤):時給3,000〜5,000円ほど
- 公務員心理職採用(常勤):年収350〜500万円ほど
- 大学教授(非常勤講師〜教授):年収150〜1,000万円ほど
- 開業カウンセラー:年収0〜1,000万円以上
心理職として経済的な安定度が高いのは、公務員の心理職として働くことでしょう。
ただし、倍率が非常に高く、公務員試験に合格する必要があります。
大学の非常勤講師や教授になる場合は、心理カウンセラーとして臨床に立つというよりは、大学院にて論文を書き、博士号を取得する必要があります。
心理カウンセラーというよりは「研究者」であるわけですね。
心理カウンセラーとして開業する場合は臨床心理士や公認心理師などの権威性のある資格がなくても開業できるうえに、求めてくれる方が多くなれば年収は上限なく上がっていきます。
質の高い心理カウンセリングを提供できることを前提に、マーケティングや宣伝、webサイト運営などの手腕も重要度を増すでしょう。
心理カウンセラーはどんな人に向いている?
完全に僕の私見ですが、心理カウンセラーに向いているのは、「温かいハートと冷静なハートを併せ持った人」ではないでしょうか。
つまり、相談者の話に心から共感し、寄り添ってあげられるような温かい気持ちが必要であるのと同時に、相談者の話をどこか分析的に聞いており、必要なプロセスを冷静に判断する面も重要なのです。
また、心理カウンセラーも人間なので、相談者に共感しすぎてしまい、自分も一緒に沈んでしまうリスクと隣り合わせです。
良い意味で適度な距離を保てる方、「なんとかしてあげなきゃいけない!」と焦るのではなく、興味を持って「ほうほう」と問題を見つめられるような方が、心理カウンセラーには向いているのではないかと感じるのですが、いかがでしょうか?
まとめ:心理カウンセラーの資格は「内容」で選ぼう!
今回の記事では、心理カウンセラーのおすすめ資格を9資格ご紹介しました。
最後に少しぶっちゃけたことを言ってしまうと、医療機関や教育機関などで常勤の心理職として働く場合は、臨床心理士や公認心理師の資格を持っていることが「採用条件」であることがほとんどです。
よって、上記2資格以外の民間の心理カウンセラー資格だけで、心理士として就職するのは簡単なことではないでしょう。
ただ、なぜ今回僕が臨床心理士や公認心理師ではない民間の心理カウンセラー資格をご紹介したかというと、本質は「学ぶこと」だと思ったからです。
大切なのは資格ではなく、臨床心理学や周辺領域(とくに精神医学)をしっかりと学び、トレーニングを受け、目の前で悩む方にとって必要な支援を行えることではないでしょうか。
そういった意味では、資格のブランドで選ぶのではなく、まずは自分が「学んでみたい!」と思った領域を学び、その領域で必要なスキルをしっかり磨いていくことが重要と考えます。
ぜひ、この記事を読んでみて純粋に「興味がある」と感じた講座を選んでみていただけると嬉しいです。