臨床心理士の西井です！
オンラインで行う心理カウンセラーの資格に興味がある。
今回は、このようなお悩みを持った方に向けて記事を書きました。実は、今オンラインの心理カウンセリングへのニーズが非常に高まっているんです。理由として「新型コロナウイルスの流行」があるのは間違いないのですが、それはあくまできっかけにすぎず、今回の出来事を通して「ニーズが浮き彫りになった」と僕はとらえています。
「外出が怖く、カウンセリングに行く勇気が出ない」「カウンセリングに行くほどではないけど、誰かに相談したい」このようなニーズを持った方は実は数多くいて、それでいて、これまでの対面式のカウンセリングは敷居が高く、誰にも悩みを話せなかったわけです。
また、「自分自身が悩みを抱えた方の力になりたい・・！」という志を持った方もいらっしゃると思います。そういった方に向けて、今回はオンラインカウンセリングの資格を3つご紹介します。
1. 一般社団法人日本オンライン資格推進機構（JOCP)： オンライン心理カウンセラー
まず、ご紹介したいのが、日本オンライン資格推進機構（JOCP)が認定している「オンライン心理カウンセラー資格」です。こちらの団体は幅広い年齢層の方に対して技能や知識の向上を促すことを目的に活動しており、新型コロナウイルスの拡大により家庭内での不和や精神疾患への罹患などが増加したことに問題意識を持ち、在宅でも心の支援ができる人材の育成を目的として資格制度を打ち立てたとのことです。
＜資格を取得するには＞
オンライン心理カウンセラー資格は、Smart資格 (スマート資格)というスマホ1本で完結するオンライン資格取得サービスの「オンライン心理カウンセラー」講座を受講し、試験に合格することで取得することができます。なお、試験はSmart資格のサービスの中に含まれるため、受講終了後即日で受けることができます。
「オンライン心理カウンセラー」のおすすめポイント
オンライン心理カウンセラーのおすすめポイントをまとめると、以下のようになります。
- 受講費が27,800円と、他の資格と比べて圧倒的に安い
- 最短1週間で取得可能
- 講座を受講した後、そのまま試験を受け、合否判定も即日で行われる（サービスの中に試験も含まれている）
- オンライン心理カウンセラーとして仕事をするためのノウハウも知ることができる
まず、受講費が27,800円というのは、心理系の資格の中ではかなり安い方です。それでいて、内容もしっかりしているように感じました。
第1章 カウンセリングとは
Smart資格 (スマート資格)
第2章 カウンセラーの3つの基本条件
第3章 コミュニケーションスキル
第4章 心理学について
第5章 精神分析的理論
第6章 自己理論
第7章 行動主義
第8章 特性・因子理論
第9章 実存主義
第10章 交流分析
第11章 論理療法
第12章 ケーススタディー
第13章 仕事の獲得方法
第14章 オンラインカウンセラーのためのZoomの使い方
第15章 個人サロン開設方法
オンラインでの相談に特化した資格ではありますが、第1章から11章までは臨床心理士や公認心理師が大学・大学院で学ぶアカデミックな心理学の分野をしっかりとおさえています。つまり、心理学の勉強やカウンセラーの勉強一般としてもしっかりと中身のある内容だと思うのです。
そして個人的に優れていると感じるのが、「ケーススタディー」「仕事の獲得方法」「オンラインカウンセラーのためのZoomの使い方」「個人サロンの開設方法」といったように、オンライン心理カウンセラーとして実際に仕事をしていくうえで必要な観点を学べることです。これは本当に大きいですよ！
この資格を取ったからといってすぐに仕事につながるわけではないと思いますが、「まずは気軽に心理について学んでみたい」「オンラインカウンセラーとしての仕事に興味がある」「自分や周りの人の心の健康に貢献したい」と考えている方には個人的には最適なのではないかと思います。値段が比較的安価であるため、リスクが少ないのも安心感がありますね。
2. 一般社団法人全国カウンセリング協議会： SNSカウンセラー
全国カウンセリング協議会が認定している「SNSカウンセラー」は、若者がコミュニケーションツールとして使っている「LINE」などのSNSを使用してカウンセリングを行うことができる人材であることを保証する資格です。全国カウンセリング協議会は、ほとんどの若者は電話ではなくSNSを使っているのに、SNSで悩み相談ができる公的なサービスがないことに問題意識を感じ、この資格を作ったとのことです。
＜資格を取得するには＞
SNSカウンセラーは、「①心理カウンセラーの専門資格を保持している方」「②隣接国家資格を保持している方」「③心理カウンセラーの資格も隣接国家資格も保持していない方」の3者で受けるべき講座が異なります。
①・・協議会認定のSNSカウンセラー講座を受講し、心理カウンセラー専門資格の証明書類と講座修了証を添えて認定手続きを行う。
②・・協議会認定の「カウンセリング50時間講座」、「SNSカウンセラー講座」を受講し、隣接国家資格の証明書類と講座修了証を添えて認定手続きを行う。
③・・心理カウンセラーの専門資格または隣接国家資格を取得したうえで、①または②のプロセスを踏む。
もともと資格を持っているか否かで、受けるべき講座が変わってくるので注意が必要です。詳しくは、全国カウンセリング協議会のホームページでご確認ください。「心理カウンセラーの専門資格」の内訳や、認定講座を行っている機関などについての情報も得ることができます。
SNSカウンセラーのおすすめポイント
SNSカウンセラーは、「若者」をターゲットとした資格になります。ですので、思春期や青年期の若者への支援に興味がある方にはうってつけの資格と言えるでしょう。LINEをはじめとした、若者が日常の中で使っているツールを通して心理的な支援を行うことになるため、若者と同じ目線で相談にあたり、近い心の距離で支援にあたりたい、という想いがある方には合っています。
3. 株式会社Nimbus Creation： インターネットカウンセラー（IC)
株式会社Nimbus Creationが認定している「インターネットカウンセラー（IC)」は、メールやチャットなどを使って、悩んでいる方々のサポートをするための資格です。従来のカウンセリングで重要視されてきた「傾聴」のスキルにとどまらず、セラピーやワーク（心理演習）などを取り入れることのできるカウンセラーを目指すことができます。
＜資格を取得するには＞
インターネットカウンセラー（IC)は、株式会社Nimbus Creationが開講している「インターネットカウンセラー養成講座」を受講し、修了することで得ることができます。
インターネットカウンセラー(IC)のおすすめポイント
株式会社Nimbus Creationが運営しているインターネットカウンセラー資格を取得するための講座では、カウンセリングのスキルだけでなく、開業をして事業を起動に乗せるためのノウハウも重視しています。「ニーズを把握する」「サービス設計を行う」「競合と違う価値を提供する」といった知識を学ぶことができ、カウンセラーとして開業をしたいと考えている方におすすめの資格といえます。
4. オンラインで行う心理カウンセラーとして仕事を得るには
新型コロナウイルスが流行したことをきっかけに、オンライン上での心理カウンセリングが注目される時代になりました。例えば、大手のカウンセリングサービスには以下のようなものがあります。
また、おすすめの大手カウンセリングサービスについては過去の記事でもまとめているため、興味がある方はご覧ください。
しかし、上記のような大手カウンセリングサービスにカウンセラーとして登録するためには、公認心理師や臨床心理士の資格を所持しており、なおかつ一定の臨床経験を有しているなど、厳しい基準が設けられています。
公認心理師や臨床心理士などの資格を持っていない方は、「開業」という方法によってオンラインカウンセリングを行う必要があります。
5. カウンセリングスキルだけでなく、「開業」する力を養う必要がある
オンラインで心理カウンセラーとして仕事を得る場合、臨床心理士や公認心理師ではない場合は自ら開業し、集客を行い、クライエント（相談者様）に出会う必要があります。つまり、心理学やカウンセリングについての知識やスキルをも磨くだけでなく、開業するためのノウハウを学ぶ必要があるわけですね。ですので、①心理学やカウンセリングの基礎を学ぶ、②オンラインサロンを起業するためのノウハウを学ぶ、という2つが必要になってきます。
6. まとめ
今回の記事では、オンラインで行う心理カウンセラーの資格についてまとめさせていただきました。とくに強調してお伝えしたいのは、オンラインにて心理カウンセラーの仕事を得るためには、臨床心理士や公認心理師などの専門資格をすでに所持している場合を除いて、自らサービスを作り、「開業」する必要があるということです。そういった意味でも、まずはSmart資格の「オンライン心理カウンセラー」資格に挑戦してみて、適正を判断することがおすすめです。オンラインカウンセリングはこれかも成長していく領域であると言われており、今からカウンセラーを目指したいと感じている方にはオンラインで行うカウンセリングを学ぶことの意義は大きいのではないかと思います。
