【2024年版】おすすめの就労移行支援事業所を心理士・就労支援員が解説

転職・キャリア形成

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  • メンタル不調が原因で現在休職または離職中である方
  • 発達障害の特性が理由で会社への適応が難しいと感じている方
  • 一度も仕事をしたことがなく、社会に出て仕事をすることに不安を感じている方

上記のようなお悩みを持つ方には「就労移行支援事業所」の利用を強くおすすめします。

しかし、就労移行支援事業所は数多くあり、どこを選べば良いのか迷ってしまいますよね。

この記事を書いている私は臨床心理士として就労移行支援事業所に在職中であり「どのような就労移行支援事業所がおすすめか」を自信を持って説明できます。

記事を読むことで、自分に合った就労移行支援事業所をスムーズに見つけられるでしょう。

目次

就労移行支援事業所とは?

就労移行支援事業所とは、精神疾患や発達障害、身体障害などを持つ方が一般企業への就職(障害者雇用を含む)を目指して訓練をするための障害者総合支援法に基づく施設のことです。

「就労移行支援事業」は厚生労働省が障害福祉サービスとして民間企業に委託をすることで成り立っており、利用する方のほとんどが無料もしくは安価で通えるのも特徴です。

厚生労働省によると、2021年時点での全国の就労移行支援事業所数は3,353事業所にもなることが分かっており、かなり数が増えていると言えるでしょう。

また、就労移行支援事業所に通うには「障害福祉サービス受給者証」を住んでいる地域の役所にて発行してもらう必要があります。利用期間は原則「一生で最長2年」と決められているため、就労移行支援事業所選びは慎重に行うのがおすすめです。

引用:障害福祉サービス等事業所・障害児通所支援等事業所の状況|厚生労働省

就労移行支援事業所を選ぶ際のポイント5つ!

心理士であり就労支援員でもある私がおすすめする就労移行支援事業所を解説する前に、就労移行支援事業所を選ぶ際のポイントを5つに絞って解説します。

ポイントを押さえたうえで就労移行支援事業所選びを行えば、より自分に合った環境が見つかりやすくなりますよ。

就労実績と定着率

「良い就労移行支援事業所とは?」と聞かれたとき、雰囲気やプログラムの良し悪しは人によって解釈が異なるので、何とも言えません。

そこで大きな目安となるのが「就労実績」でしょう。就労実績は、以下に示す計算式で導き出せます。

  • 就労定着数/利用者数=就労実績

つまり、就労移行支援事業所に通う利用者のうち、何人が就職し、就職後も勤務を継続できているかの割合を示します。

「定着数」は、就職が決まり、就労移行支援事業所を卒業した後に「6ヶ月以上勤務を継続している人の数」を示します。

簡単に言うと、就労実績のパーセントが100%に近い事業所ほど結果を出しているということであり、良いサービスを提供しているということになるでしょう。

通いやすさ

就労移行支援事業所によっては週1〜2日からの利用も可能な事業所もありますが、ほとんどの事業所ではスタッフから少なくとも週4日、できれば週5日通うことをすすめられます。

週4〜5日での通所を目指す理由は、就職後はほとんどの人が毎日会社に通勤するからですね。毎日就労移行支援事業所に通えば自ずと生活リズムも整いますし、実際に勤務してからも「週5日勤務」に耐えられるだけの体力もついているでしょう。

ただ、就労移行支援事業所が遠すぎると、毎日通所するのが苦痛になってしまいます。また、「近ければ良い」というわけでもなく、通勤するための訓練と位置付けるならば、交通機関に乗る必要がある事業所を選んだほうが練習になりますね。

よって、就労移行支援事業所を選ぶ際は、近すぎず遠すぎず、自宅から電車やバスを使って片道1時間以内くらいの場所を選ぶのがベストです!

スタッフの質

「どの就労移行支援事業所を選ぶか」という視点はもちろん大切ですが、一番大切と言っても過言ではないのがスタッフの質やスタッフとの相性です。

どんなに評判の良い就労移行支援事業所であったとしても、スタッフと合わなければ毎日通所するのが苦痛になってしまいますよね。毎日通所するのが苦痛になるということは、就労が遠ざかってしまうということです。

就労移行支援事業所を選ぶ際は必ず「見学」や「体験」に申し込み、実際にスタッフと会話をしてみる中で雰囲気や相性が自分と合っているか確かめましょう。

プログラム内容が自分に合っているか

就労移行支援事業所によって扱っているプログラムは異なりますが、多くの事業所には以下に示すようなプログラムがあります。

  • ビジネスマナー
  • コミュニケーション
  • パソコン講座
  • ストレスへの向き合い方や心理系のプログラム
  • 個別訓練(自習)

事業所によって力を入れているプログラムなども異なるので、「自分の目的」に合ったプログラムに力を入れている事業所を選ぶのがおすすめです。

交通費や食事の提供があるか

就労移行支援事業所は訓練施設であり作業所ではないため、給料は支払われません。

休職中や離職中はお金についての不安も大きくなりがちで、なるべく経済的な負担は少なくしたいですよね。

例えば週5日通う場合、交通費や昼食代なども馬鹿にならないと思います。就労移行支援事業所によっては交通費や昼食をまかなってくれる事業所があるので、経済的な負担をとにかく少なくしたい方は、「交通費・昼食支給」を行っている事業所を選ぶのがおすすめです。

まずは「自分のニーズ」を明確にしよう!

冒頭にて全国には3,000以上もの就労移行支援事業所があるとお伝えしましたが、その中から1つを選ぶ際に重要な視点が、「自分のニーズ」を明確にすることです。

  • なぜ自分は就労移行支援事業所に通いたいのか?
  • 就労移行支援事業所に通って何を得たいのか?

上記2点を明確にすれば、自ずと「どの就労移行支援事業所が自分に合っているのか」が見えてきます。

例えば、「一般事務職として働きたい!」と思っている方であれば、ビジネスマナーやパソコン講座などに力を入れている事業所が合っていますし、「Webデザイナーに転職したい!」と思っている方ならば、クリエイティブ・IT関連に特化した事業所が合っています。

①自分のニーズを明確にする、②事業所を比較検討する、のプロセスを踏むのが、何よりも重要です。

就労移行支援事業所には3つのタイプがある!

就労移行支援事業所には、大きく分けて「一般型」「障害特化型」「スキル特化型」の3タイプがあります。

就労移行支援事業所を利用する目的によって自分に合ったタイプが変わってきますので、しっかりと把握しておきましょう。

一般型

多くの就労移行支援事業所は「一般型」にあたり、ビジネスマナーやパソコン講座、コミュニケーション、ストレスマネジメントなどを幅広く学びます。

大手就労移行支援事業所のほとんどはこの一般型なのも特徴です。

就職先は利用者さんによって異なりますが、事務職や作業系、総務や経理などが多いのが特徴と言えるでしょう。

障害特化型

障害特化型は近年注目されている就労移行支援事業所のタイプです。

「うつ病」「発達障害」「身体障害」など、障害や精神疾患ごとに特化した支援を受けられるので、自らの障害を深く理解し、対処法を身につけたうえで就職を果たせます。

また、同じ障害や精神疾患を持つ仲間とともに就職を目指せるので、「自分だけではない」「一人ではない」という安心感が持てるのもポイントですね。

スキル特化型

スキル特化型も、近年注目されている就労移行支援事業所のタイプです。

現時点ではWebデザインやプログラミングなどのIT系・クリエイティブ系のスキルを身につけることに特化したプログラムを受けられる事業所が多いですね。

  • グラフィックソフトの使い方
  • Webサイト制作のスキル
  • Webマーケティングの知識

上記のような専門的なスキルを学び、IT系やクリエイティブ系の業界に挑戦したい方はスキル特化型の就労移行支援事業所を選ぶと良いでしょう。

【一般型】おすすめの就労移行支援事業所7選

ここからはいよいよ、おすすめの就労移行支援事業所を紹介します!

まずは一般型の就労移行支援事業所を7社紹介していきますね。

LITALICOワークス

LITALICOワークスは、国内最大手の就労移行支援事業所です。

特徴は、累計就職者数が11,000人以上と圧倒的な就労実績を誇っていること。全国に100ヶ所も事業所があるので、住んでいる地域から通いやすい場所に事業所がある確率が高いです。

障害や特性にこだわらず、一人一人に寄り添ったうえで、その人にとっての最適な働き方を一緒に考えてくれます。個人的に魅力と感じるのが、累計4,500ヶ所以上の企業とインターンを行っている実績があり、実際に働く前に試しに企業で業務を経験できることです。

リタリコは定着率も91%と非常に高いのですが、就職率と定着率の高さの「隠し味」は「一人一人に寄り添った視点」と「インターンにより企業とのマッチング率を高めること」にあるのではないかと僕は感じています。

<LITALICOワークスの基本情報>

運営会社名株式会社LITALICO
就労実績累計就職者数11,000人
職場定着率91.3%(2021年度)
対象精神、発達、知的、身体、難病
支援内容就職準備・企業インターン・就職活動・職場定着
事業所がある場所札幌、仙台、東京、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、愛知、静岡、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡、宮崎、沖縄

ポイント:LITALICOは業界最大手の事業所というだけあって、サービスの規模・サービスの質ともに充実しています。事業所数の多さから言っても、ご自宅の近くにLITALICOワークスがある可能性も高いと思いますので、一度は見学に足を運んでみていただきたい事業所です。

引用:LITALICOワークス

Cocorport(ココルポート)

Cocorport(ココルポート)の就労実績は累計3,146名と、近年勢いを増している就労移行支援事業所です。

週2日程度の利用からはじめ、就労に向けて徐々に通所日数を増やしていくことができるので、最初は無理なく通いたい方にも向いているでしょう。

ココルポートは「個別支援」にこだわりを持っており、利用者一人ひとりの適性や希望に合わせて、支援員が親身になってサポートしてくれるのが特徴と言えます。

555種類以上ものプログラムを保有しており、ニーズやタイミングに合わせて受講できるのも魅力ですね。

そして、ココルポートには「交通費応援制度」「ランチ応援制度」があります。

毎日通所する場合交通費やランチは経済的に馬鹿にならないですよね。

ココルポートであれば交通費、ランチ代をかけずに通えるので、経済的にも優しい事業所と言えるでしょう。

<Cocorportの基本情報>

運営会社名株式会社ココルポート
就労実績累計就職者数3,146人(2023年4月時点)
職場定着率88.2%(2021年4月〜2022年3月)
対象うつ病、統合失調症、双極性障害、強迫性障害、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、知的障害、身体障害など
支援内容PCスキル、コミュニケーション、セルフマネジメント、ビジネスマナー・スキル、就職活動、模擬就労、余暇活動など。
事業所がある場所東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、愛知、福岡

ポイント:ココルポートでは、就職後に最長3年6ヶ月の間、面談や企業との調整などを通して働き続けるためのサポートである「就労定着支援サービス」にも力を入れています。

2021年4月よりサービスを開始したオフィスについては、就労定着率が90.6%にまで上がっています。

引用:Cocorport

ミラトレ

ミラトレの特徴は、有名転職エージェント「doda」を運営するパーソルグループの特例子会社であるパーソルダイバース株式会社が運営している就労移行支援事業所である点にあります。

パーソルダイバース株式会社は障害のある方に特化した就職・転職支援サービスである「dodaチャレンジ」を運営しています。

業界最大級の求人数を保有しているパーソルグループによる就労移行支援事業であるからこそ、就労に向けた準備と就職活動、そして実際の就労が一直線につながったトータル・サポートを実現できているのです。

プログラム内容も充実しており、まずは生活の基盤を整えることをはじめ、模擬職場訓練や企業実習、就職活動と、段階的にステップアップしていけます。

働くための基礎を固めたうえで、膨大な求人数の中から、職場実習を行いマッチングの確認をして就労できるので、基礎から就労までトータルの支援を受けたい方にはとくにおすすめの就労移行支援事業所と言えるでしょう。

<ミラトレの基本情報>

運営会社名パーソルダイバース株式会社
就労実績就職率85%
職場定着率90%(半年間の定着率)
対象発達障害、うつ病、統合失調症、双極性障害、不安神経症、高次脳機能障害、てんかん、その他
支援内容自己理解、生活リズム、基本的コミュニケーション、ビジネスマナー、グループワーク、模擬就労、PCを使用した書類作成、雇用含み実習、就職活動等(webサイトより一部抜粋)
事業所がある場所東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、兵庫

ポイント:運営会社であるパーソルダイバース株式会社が運営する障害者向け就職・転職サービスである「dodaチャレンジ」の求人に応募できるので、障害者雇用を検討されている方にはとくにメリットが大きいです。

引用:ミラトレ

ウェルビー

Welbe(ウェルビー)は全国に106事業所展開している大手の就労移行支援事業所です。

累計就職者数は6,053名、半年定着率は91.3%と高い実績を誇っているのも特徴と言えますね。

プログラム内容は、グループワークを通して会話のキャッチボールやチームで協力する力を育む基礎的なものから、仕事で必要なビジネスコミュニケーションやPC訓練、軽作業などの応用的なものまで、段階的に組まれています。

「オフィスワークシミュレーション」といって、これまでの訓練で学んできたことを活かし、実際の職場を模した状況下で仕事のリハーサルを行うこともできるので、就労経験がない方も、就労経験はあるものの自分の仕事に自信が持てない方も、安心して就労を目指していけるでしょう。

<Welbeの基本情報>

運営会社名ウェルビー株式会社
就労実績累計就職者数:6,053名
職場定着率91.3%(半年間の定着率)
対象統合失調症、うつ、発達障害、双極性障害、知的障害、身体障害、不安障害、その他
支援内容ソーシャルスキル、ビジネスマナー、PC講座、ベーシックトレーニング、オフィスワークシミュレーション(模擬就労)、就職活動支援等
事業所がある場所北海道、宮城、福島、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、石川、長野、富山、石川、長野、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、広島、山口、香川、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島

ポイント:ウェルビーには「WIT(Welbe IT Training:ITスキル向上プログラム)」と呼ばれるサービスがあり、e-ラーニングによる自己学習でこれからの時代に必要なITスキル(Microsoft officeの基礎や応用操作など)を短期間で習得できます。

Welbeの卒業生の就職先は事務職が56%と最も多く、プログラム内容から見ても、事務職を希望される方にはとくにおすすめの事業所と言えるでしょう。

引用:ウェルビー

アビリティーズジャスコ

アビリティーズジャズコは、皆の生活に溶け込んでいるスーパーを運営しているイオングループの特例子会社です。

アビリティーズジャスコが運営している就労移行支援の特徴は、何と言ってもイオングループへの就職を優先的に行えることでしょう。

イオングループに限らず、企業での職場実習を経てから就労する仕組みになっているので、職場とのアンマッチを防ぎ、安心して就労できます。

プログラム内容も、接客応対訓練やレジ操作訓練、商品陳列訓練など、現場で働くことを想定したかなり実践的なものになっています。

各事業所にレジ・商品・お金が用意してあり、実際の売り場での業務に沿った訓練内容となっているのも特徴的ですね。

在庫管理等の事務手続きも詳しく学ぶことができるので、いざ就職してからも全体像を理解してから仕事にあたれるでしょう。

小売業に興味がある、またはイオングループに就職したいと考えている方にはうってつけの就労移行支援事業所です。

<アビリティーズジャスコの基本情報>

運営会社名アビリティーズジャスコ株式会社(イオン株式会社特例子会社)
就労実績2021年度就職者数:25名
職場定着率2021年度の半年定着率:90.5%
対象身体障がい、高次脳機能障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、聴覚障がい(難聴)、視覚障害(弱視・ロービジョン)、難病
支援内容ビジネスマナー訓練、パソコン基礎操作訓練、グループディスカッション、SST、履歴書・職務経歴書等の記入訓練、面接訓練、仮想店舗の実習訓練、商品荷受け、売り場展開、在庫管理、予約注文、電話応対、職場実習、定着支援
事業所がある場所宮城、千葉、神奈川、東京

ポイント:訓練内容も、小売業のプロフェッショナルになることに特化しています。大手イオングループの「仕事術」を直接的に学べるのは大きなメリットと言えるでしょう。

引用:アビリティーズジャスコ

【障害特化型】おすすめの就労移行支援事業所4選

次に、近年注目されている障害特化型就労移行支援事業所のおすすめを紹介していきます。

atGPジョブトレ

atGPジョブトレは、具体的な障害に特化した訓練が受けられる就労移行支援事業所です。

うつ症状、発達障害、統合失調症、聴覚障害、難病の専門コースを設けており、障害理解を深めつつ、「就労後に長く働くことを」に重点を置いた支援を受けられるのが強みですね。

この記事を書いている私は精神科デイケア、就労移行支援事業所での勤務経験がありますが、個人的な肌感覚として、自分の障害や特性をしっかりと理解し、どのような配慮が必要かを周囲に説明する力はとくに重要である印象を受けています。

atGPジョブトレは2022年にメンバーすポップインサイトカンパニーが行った調査にて「利用者の雰囲気が良い就労移行支援事業所」のNo.1に選ばれています。

「良き仲間」に恵まれることは、他者への信頼感を回復し、自信を持って次へと向かううえで本当に必要な側面だと思います。

うつ症状コース(旧シゴトライ)

うつ症状コースの主なプログラムを以下に記載します。

  • 症状理解
  • ストレスマネジメント
  • 認知行動療法
  • アンガーマネジメント

まずは、症状理解を通して自身の抑うつ傾向がどのように生じているかや、服薬や通院のポイントなどを学びます。

そのうえで、ストレスに対する上手な向き合い方を学んでいくのはうつ症状に悩む方に必要な支援と言えますね。

とくに、認知行動療法はものごとに対する柔軟な捉え方を学ぶ心理療法であり、就労移行支援なら集団で受講することになるため、グループダイナミクスによる副次効果も期待できるでしょう。

認知行動療法そのものについて詳しく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。

発達障害コース(旧リンクビー)

発達障害コースの主なプログラム内容は以下の通りです。

  • 障害特性と配慮
  • タスク管理・時間管理
  • 感覚過敏・鈍麻対策
  • 適職発見

個人的な意見ですが、発達障害の特性により就労が困難となっている場合、就労移行支援は発達障害を専門にしている事業所を選ぶのがベストだと思います。

なぜなら、発達障害の場合は「自分はどのような特性を持っているのか」「それをどのようにカバーしているのか」を学んだうえで、自分の強みを活かせる環境を選択できるかどうかが社会適用を左右すると思うからです。

atGPジョブトレの発達障害コースであれば、発達障害への理解のある支援員、共感できる仲間とともに就労を目指せるので非常に効率的でしょう。

統合失調症コース(旧リドアーズ)

統合失調症コースの主なプログラム内容を以下に記載します。

  • 症状理解
  • 服薬管理
  • 自分ヒストリー

統合失調症は、疾患そのものについての理解を深め、ストレスや疲労をため込まないよう留意し、再発を防ぐ視点が非常に重要です。

症状理解や服薬管理を徹底して周囲に説明し、自分ヒストリーを通して生きがいやストレス因を明確にするプロセスは、統合失調症を専門にしている就労移行支援の強みと言えますね。

統合失調症を専門にしている就労移行支援はかなり珍しいので、自身の障害についての理解を深めて安定的な就労を目指したい方には本当におすすめです。

聴覚障害コース(旧いそひと)

聴覚障害コースの主なプログラム内容を以下に記載します。

  • 症状理解
  • ビジネスコミュニケーション
  • どのような環境でも、人とのつながりを持てる力を身につける

聴覚障害の場合、自分がどれくらい「聞き取れて」どれくらい「伝えられるのか」を把握するのが重要と考えられています。

仕事ではコミュニケーションが必須となるため、「話すこと」意外にも「書くこと」「手話」「指文字」などを通して複数の伝える手段を持っておくことが重要と考えられています。

聴覚障害を持ちながらも、周囲とコミュニケーションを取りながら自分らしく働いていくことを目指すプログラムが整っています。

難病コース(旧ベネファイ)

難病コースの主なプログラム内容を以下に記載します。

  • 症状理解
  • 服薬管理
  • ストレスマネジメント

難病の種類は多く、職場の方が特定の疾患について理解しているとは限りませんよね。

難病コースでは、自身の疾患について理解を深め、必要な配慮を職場の人に伝えらえるようになることを目指します。

また、ストレスが高まった時に難病の再発リスクが高まると考えられているので、事前にストレス対処法の引き出しを増やしておくことで、上手にストレスを逃がし、再発を防ぐスキルを身につけることができます。

atGPジョブトレの各種専門コースは「事務職」に強い!

上記で紹介した各種障害に特化したコースでは。共通して仕事に必要なスキルを目指すプログラムも行われています。

  • ビジネスコミュニケーション研修
  • PC研修
  • 模擬職場トレーニング
  • 企業での実習(インターン)

上記のような「実践」に焦点を当てたスキルを学ぶことで、事務職で活躍できるスキルを段階的に習得できます。

同じ障害を持った仲間とともに障害への理解を深め、事務職への就職を目指したい方にはとくにおすすめの就労移行支援事業所と言えるでしょう。

<atGPジョブトレの基本情報>

運営会社名株式会社ゼネラルパートナーズ
就労実績・事務職での就職率:94.5%   ・1事業所あたりの平均年間就職人数:24名(全国平均は年間3.4名)
職場定着率91%(2019年度実績)
対象・うつ症状(うつ病、双極性障害、適応障害、不安障害)
・発達障害(ASD、ADHD、LDなど)・統合失調症・聴覚障害・難病
支援内容・各障害に特化した専門プログラム+事務職に必要な実践スキル・就職活動サポート等
事業所がある場所・うつ症状コース:秋葉原、横浜、梅田
・発達障害コース:秋葉原第2、大手町、横浜、梅田
・統合失調症コース:お茶の水・聴覚障害コース:大手町・難病コース:お茶の水

ポイント:atGPでは「atGPエージェント」や「atGP転職」などの就職・転職支援サービスも運営しているので、豊富な求人を紹介してもらいながら就職活動を進められます。

引用:atGPジョブトレ

Kaien

Kaienは、発達障害に特化した就労移行支援事業所で、発達障害の特性を「強み」として活かすことを重要視しています。

就労実績は1,700人超、1事業所の年間就職者数は15名以上と高い実績を誇っています。

また、定着率も95%と非常に高いですね。

プログラムの内容としては、自分の特性や強みを理解する自己分析や、「優先順位のつけ方」など発達障害の特性をカバーしつつ就労を継続するための独自性のあるプログラムが展開されています。

「マイナーリーグ」と言う、Kaienが発達障害の特性を持つ方向けに独自に開拓している求人の紹介サービスも運営しており、発達障害の特性を活かしつつ就労を目指したい方におすすめの事業所と言えるでしょう。

<Kaienの基本情報>

運営会社名株式会社Kaien
就労実績累計就職者:1,700人超(1事業所あたりの年間就職者:15名以上)
職場定着率95%
対象発達障害(自閉スペクトラム症, 注意欠如・多動症, 学習障害など)
※診断がなくても、役所にて受給者証が発行されれば利用可能
支援内容ビジネススキル、キャリアプランニング、コミュニケーション、職業訓練、就職活動支援等
事業所がある場所東京(8事業所)、神奈川(4事業所)、埼玉(1事業所)、千葉(1事業所)、大阪(3事業所)

ポイント:Kaienでは実際に職場で実習することにより組織とのマッチング率を高める取り組みも行っています。

引用:Kaien

CONNECT(こねくと)

CONNECT(こねくと)は、精神・発達障害の方を専門とした就労移行支援事業所です。

生活リズムの安定化や安定した通所を支援の土台に据えており、週3日から通所をスタートすることができるのも特徴ですね。

運動プログラムで就労に必要な体力をつけたり、コミュニケーションに関するプログラムで職場の人間関係や業務を効率的に遂行するために必要な対人スキルを学ぶことができます。

基礎的なスキルを身につけた後は企業実習を通して課題点や適性を明確化し、長期的な就労へと結びつけていきます。

CONNECTの特徴として、事務系・製造系・介護職などへの就労実績が高いことが挙げられるので、精神または発達障害をお持ちで、事務・製造・介護職などに興味がある方にはとくにおすすめの事業所となっています。

<CONNECTの基本情報>

運営会社名CONNECT
就労実績※Webサイトに就職者数の記載なし
職場定着率87%
対象発達障害、うつ病・双極性障害、統合失調症、不安障がい系、その他
支援内容運動プログラム、コミュニケーションプログラム、作業訓練、Word・Excel講座、体験実習等
事業所がある場所新大阪、府中、天王寺、梅田、枚方、なんば、四条烏丸、神戸三宮

ポイント:CONNECTは関西地方のみに事業所展開しており、関東には現時点で事業所がありません。ランチが無料で提供されるので、関西にお住まいの方で通所費用を抑えたい方にとくにおすすめです。

引用:CONNECT

エンカレッジ

エンカレッジは、発達障害の特性を持つ20〜30代の方向けの就労移行支援です。

近年では大学在学中や卒業をした後、就職の一歩前のステップとして就労移行支援を利用される若年層の方が増えている現状に寄り添った事業所と言えますね。

発達障害の若者を対象とした就労移行支援として10年の実績を持ち、働くために必要なWordやExcelなどのパソコン作業、ビジネスマナー、ストレスマネジメントなどを同世代の仲間と切磋琢磨しながら学ぶことが可能です。

企業での実習体験も行えるので、実際に働く前に職場の雰囲気や自らの強み・課題点を把握しておけるのも嬉しいポイントですね。

エンカレッジが独自開発しているICTツール「Boosterキャリア」を使って自分のプロフィールを作成し企業へのアピールや配慮事項の説明に活用したり、悩み事をチャットツールで気軽に相談できたりと、安心して就労を目指せるコンテンツも豊富です。

<エンカレッジの基本情報>

運営会社名株式会社エンカレッジ
就労実績就職率:95%(2019年度就職者数:72名)
職場定着率半年定着率:91.2%以上
対象・自閉スペクトラム症(ASD)のある方
・注意欠如・多動性障害(ADHD)のある方
・発達障害のある大学生
支援内容オフィス業務体験プログラム、自己理解プログラム、ビジネスマナー、企業実習、ソーシャルクラブ等
事業所がある場所大阪(3事業所)、京都(2事業所)、東京(1事業所)

ポイント:エンカレッジでは「ソーシャルクラブ」という、ともにエンカレッジに通所する仲間と事業所の外で楽しむプログラムも行われています。

目的や行き先などについて話し合い、実行するプロセスが、自然と対人スキルや計画力などを養うことにつながります。

引用:エンカレッジ

【スキル特化型】おすすめの就労移行支援事業所4選

スキル特化型の事業所は、手に職をつけたい方におすすめです。

傾向として、ITやクリエイティブ系のスキルを身につけられる就労移行支援事業所が多いのも特徴ですね。

以下に、おすすめのスキル特化型就労移行支援事業所を4社記載しました。

atGPジョブトレIT・Web

atGPジョブトレIT・Webは、Webデザイナーやシステムエンジニア、プログラマーなどを目指せる就労移行支援事業所です。

IT・Webに関するスキルを身につけられるだけでなく、ビジネスマナーやストレスマネジメントなどの「働き続けるための力」も身につけられるのが、就労移行支援ならではの魅力ですね。

通常では28万円ほどの受講費用がかかる「デジタルハリウッド」による動画講座が受け放題であったり、自分で購入すると4万円ほどのAdobeソフトも使い放題であったりと、非常にメリットが大きいです。

現役のWebデザイナー、システムエンジニアであるスタッフが常駐しているので、相談をしながらIT・クリエイティブ業界への就職を目指すことができます。

障害者転職サービスとしては業界最高峰の実績を持つatGPが運営している就労移行支援ですので、履歴書の添削や面接対策もマンツーマンで指導してくれるのも特徴ですね。

atGPジョブトレは20年以上障害者雇用をサポートしてきた実績、2,500社以上の求人企業ネットワークを保持しており、信頼のおけるサービスと言えるでしょう。

<atGPジョブトレIT・Webの基本情報>

運営会社名株式会社ゼネラルパートナーズ
就労実績Webサイトに記載なし(新しい就労移行支援事業所であるため)
※参考:atGPジョブトレ(障害特化型)の実績
・事務職での就職率:94.5%   ・1事業所あたりの平均年間就職人数:24名(全国平均は年間3.4名)
職場定着率・職場定着率:91%(2019年度実績)
対象精神障害・発達障害・身体障害(内部障害)・難病
支援内容・Webサイト制作に必要なWebレイアウト・デザインの基本
・HTML5やJavascriptなどのコーディングスキル
・Photoshop、Illustratorなどのグラフィックソフトの使い方
・WordPressの使い方
・データベースと連携するシステム開発の基礎
・Webサイト、アプリ、ゲーム開発に必要なスキル
・PHPに関するスキル
・職場を想定したオリジナル課題によるポートフォリオの作成
・ビジネスマナー、ストレスマネジメントなどの「働き続ける」ためのスキル
事業所がある場所東京(渋谷・秋葉原)、千葉(船橋)、埼玉(大宮)、大阪(心斎橋)

ポイント:atGPジョブトレIT・Webでは1人1台PCを完備しています。通所型のサービスであり、訓練時間は原則週4日以上・10:00〜16:00と就労移行支援事業所の中ではハード目ですが、その分きちんと手に職をつけられるサービスと言えます。

引用:atGPジョブトレIT・Web

就労移行ITスクール

就労移行ITスクールは、未経験からでもプログラミング、Webデザイン、動画編集、e-スポーツなどを学び、希望する業界への就職を目指せる就労移行支援事業所です。

お笑いコンビの「EXIT」が公式アンバサダーとなっていることでも有名な事業所ですね。

元エンジニアやデザイナーなどの専門スキルを持ったスタッフが在籍しており、IT系・クリエイティブ系の業界へと就職するためのスキルを丁寧に教えてもらえるだけでなく、ビジネスマナーやコミュニケーションなどの安定就労を実現するための訓練も用意されています。

プログラミング、Webデザイン、e-スポーツ、動画編集、Microsoft Officeなどのスキルを身につけることができるので、上記のような業界を目指している方は、ぜひ見学に行ってみてください。

<就労移行ITスクールの基本情報>

運営会社名LOGZGROUP株式会社
就労実績<IT企業就職率>エンジニア:52.2%Webデザイナー:26.1%その他:動画編集、Webライター、IT事務職など
職場定着率IT職:41.1%事務職:26.1%
対象うつや発達障害など
支援内容・プログラミング講座・Webデザイン講座・動画編集講座・Microsoft Office講座・ビジネスマナー、コミュニケーション講座<学べる言語やソフト>HTML、CSS、Javascript、Ruby、Illustrator、Photoshop、PremierePro、AfterEffect、Word、Excel、PowerPoint等
事業所がある場所東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道、東北、中部、関西、中国、九州
※OPEN予定
東京:秋葉原、渋谷、海老名、茨城:水戸愛知:丸の内・金山・名古屋兵庫:神戸

ポイント:就労移行ITスクールでは通所ペースなどを支援員と話し合って柔軟に決められ、在宅での訓練も可能です。

引用:就労移行ITスクール

manaby

manabyは、一人ひとりのペースや「自分らしさ」を尊重し、就労に向けてデザイン・IT・事務系のスキルを学べる就労移行支援事業所です。

manabyの特徴として際立っているのが、独自開発のe-ラーニングによってスキルを身につけられることでしょう。

  • デザイン・Web制作スキル
  • プログラミングスキル
  • 事務系スキル

上記のようなスキルを、集中力を維持し、理解しやすいように徹底的に改良を重ねたe-ラーニングシステムによって自分のペースで身につけられます。

近年広がりつつある「在宅勤務」という働き方に対して前向きな考えを持っており、在宅で仕事をできるようになりたいと考えている方にもおすすめの事業所です。

<manabyの基本情報>

運営会社名株式会社manaby
就労実績在宅就労率:20.4%(全体の就労実績はWebサイトに記載なし)
職場定着率85.7%
対象精神障害・発達障害・身体障害・知的障害・難病など
支援内容・独自開発のe-ラーニングシステムによる学習→デザイン・Web制作スキル、プログラミングスキル、事務系スキル、ビジネスマナーやセルフコーチングなど
・自由参加できるセルフケア勉強会、コミュニケーション力向上を図るゲームや茶話会、ビジネスマナーや最新動向を学ぶ講座など
・支援員との面談
事業所がある場所山形、宮城、福島、埼玉、茨城、東京、神奈川、千葉、大阪、兵庫

ポイント:e-ラーニングを独自開発している就労移行支援事業所は、僕が知る限りではmanabyだけです。自分のペースで質の高いコンテンツを使って学習したい方にはとくにおすすめの就労移行支援事業所といえますね。

在宅訓練も行っているので、自宅で就労移行支援を受けたい方にもおすすめです。

引用:manaby

Neuro Dive

一般型就労移行支援事業所である「ミラトレ」と同じく、大手転職エージェント「doda」を運営するパーソルグループの特例子会社である「パーソルダイバース株式会社」によるスキル特化型の就労移行支援事業所です。

Neuro Diveの特徴は、何と言ってもでAI・機械学習・データサイエンス等の先端ITスキルを学び、先端技術を活用できる業界への就職を目指せることでしょう。

企業側が求めているスキルと、利用者一人ひとりの「強み」を分析したうえで、IT業界のスペシャリストが厳選した講座を受講し、スキルを身につけていきます。

先端技術を取り扱う業界への就職は「ポートフォリオ」の提出が非常に重要ですが、プロのスタッフによるフィードバックを適宜受けながら成果物を作成し、そのままポートフォリオとして企業に応募できるのも魅力ですね。

希望する企業でのインターンシップも行えるので、実践と学びを繰り返しながら、AIなどのこれからの時代に必要な技術を先取りできるでしょう。

<Neuro Diveの基本情報>

運営会社名パーソルダイバース株式会社
就労実績Webサイトに記載なし
職場定着率定着率:96.9%(2022年12月1日時点)
対象身体障害・知的障害・精神障害・発達障害・難病等
支援内容・ビジネススキル習得・先端ITスキル習得・先端IT分野でのインターンシップ・先端IT分野特化の就職活動サポート・定着支援
事業所がある場所東京、神奈川、大阪、福岡

ポイント:職場定着率が96.9%であり、他の就労移行支援事業所と比較してもかなり高い数字ですね。企業と個人の適性をマッチングさせられる支援が充実していることを示していると言えるでしょう。

引用:Neuro Dive

就労移行支援事業所に関するQ&A

最後に、就労移行支援事業所に関する知識を深めたい方に向けて、よくある質問にお答えしてみました。

Q. 利用料金はいくらかかりますか?

就労移行支援事業所の利用料金は前年度の世帯収入や状況によって異なりますが、多くの方が月額0円で利用しています。

一覧表を以下に記載しますね。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)
※入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者を除く
9,300円
一般2上記以外37,200円

「負担上限月額」とは、月に何日間福祉サービス(就労移行支援事業所)を利用したとしても、一定の額以上は負担しなくてもよくなる上限月額を示します。

上限月額を超えた額は国が負担してくれているということですね。

世帯での前年度の収入が概ね670万円以下で市町村民税課税世帯の場合は「一般1」、概ね670万円以上の場合は「一般2」に該当すると考えましょう。

前年度の市町村民税が非課税の場合や、生活保護を受給している場合の負担上限月額は「0円」になります。

自分がどの区分に該当するか分からない場合は、お近くの役所の障害福祉課などに問い合わせてみましょう。

引用:障害者の利用者負担|厚生労働省

Q. 障害者手帳がなくても利用できますか?

そもそも障害者手帳とは、厚生労働省によると以下のようなものであるとされています。

障害者手帳は、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種の手帳を総称した一般的な呼称です。制度の根拠となる法律等はそれぞれ異なりますが、いずれの手帳をお持ちの場合でも、障害者総合支援法の対象となり、様々な支援策が講じられています

引用:障害者手帳|厚生労働省
  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類がある
  • 障害者総合支援法の対象となり、様々な支援を受けられる。

上記2点がポイントとなりそうですね。

「障害者手帳がなくても就労移行支援事業所を利用できるのか」という疑問に関してですが、結論として利用できます。

ただ、就労移行支援事業所を利用するには役所にて「障害福祉サービス受給者証(受給者証)」が発行される必要があるので、覚えておきましょう。

受給者証の発行をするには、現在、病気や障害によって就労が困難な状況にあることを証明する必要があります。

障害者手帳がなかったとしても、以下に示す書類の提出があれば、受給者証が発行されることが多いです。

  • 自立支援医療受給者証
  • 医師による診断書

もちろん、障害者手帳を持っている場合は証明書類の1つとなりますが、「障害者手帳が必須なわけではない」ということですね。

引用:就労移行支援は障害者手帳なしでも利用できる?わかりやすく解説|CONNECT

Q. 平均どれくらいの期間で就労できますか?

就労移行支援事業所の利用を開始してから、晴れて就労を果たすまでの期間は、人によって異なります。しかし、平均して6ヶ月〜1年半くらいの方が多いでしょう。

期間が短すぎるときちんと訓練を受けて「長く働くためのスキル」を身につける前に就職してしまうことになるので、再休職や早期離職につながってしまうという見方もできます。

最低でも3ヶ月〜6ヶ月ほどは就労移行支援事業所に通い、訓練を受けることをおすすめします。

Q. 最長でどれくらい利用できますか?

就労移行支援の最長利用期間は、「一生で2年」と決められています。

つまり、就労移行支援事業所を満2年利用した場合、再び利用することはできないということですね。

「在籍期間が最長2年」ということなので、週2日通っていても、週5日通っていても、在籍期間としてカウントされてしまいます。

また、例えば就労移行支援事業所に1年通い就職し、再度離職や休職をしてしまった場合、残っている1年間は就労移行支援事業所に通うことができます。

ただし、2年以上利用することが望ましい正当な理由があり、市区町村の役所が判断した場合は利用期間が2年を超えても良くなる場合もあります。

決して一般的なケースではありませんが、利用期間の延長がどうしても必要と感じている方は、役所に相談してみましょう。

Q. 週1〜2日からの利用も可能ですか?

就労移行支援事業所によって、週1〜2日からでも通えるか否かは異なっています。

週5日通えることを原則としている事業所もありますし、無理なく週1〜2日からの通所をOKとしている事業所もあるのです。

ただ、多くの就労先では基本的には週4〜5日は勤務することになるかと思いますので、最初は週1〜2日からスタートしたとしても、段階的に週4〜5日の通所へと近づけていくのがおすすめです。

Q. 事業所ではどんなことをするんですか?

多くの事業所で取り入れられている基本的なプログラムを以下に記載します。

  • ビジネススキル
  • コミュニケーション
  • PCスキル
  • ストレスへの対処法などのセルフマネジメント
  • 就職活動準備(応募書類添削や面接対策など)

上記に挙げたのは、各事業所に共通する基本的なプログラムです。

加えて、各事業所ごとの特色を表したプログラムが用意されているわけですね。

例えば、障害特化型の事業所であれば障害理解などに関するプログラムが充実していますし、スキル特化型の事業所であればITスキルなどに関するプログラムが充実しているでしょう。

模擬職場訓練や企業実習などに力を入れ、職場とのマッチング率を高める取り組みに力を入れている事業所も増えています。

就労移行支援事業所は見学や体験に足を運んだうえで決定しよう!

本記事では、臨床心理士であり、就労支援員でもある筆者がおすすめする就労移行支援事業所を合計13事業所紹介させていただきました。

就労移行支援事業所の利用期間は「一生で2年間」と決められていますので、自身の目的を明確にし、見学や体験で実際に事業所の雰囲気やスタッフとの相性を確認したうえで利用を決定するのがおすすめです。

同じ運営会社の事業所であっても、事業所ごとに雰囲気やスタッフの質などが異なることもあるので、「目で見て確かめる」というのは本当に大切なんです。

どこの事業所も見学や体験は行っていますので、まずは今回ご紹介した事業所の公式Webサイトから、見学のお問い合わせをしてみるとスムーズでしょう。