臨床心理士が選ぶ!ポジティブ心理学の自習におすすめの本8選【2022年】

ポジティブ心理学

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最近、何かと話題になっているポジティブ心理学。

本を読んでポジティブ心理学をしっかり学びたい!

という方も多いのではないでしょうか?

ポジティブ心理学は、病気を治したり悪い部分に注目するのではなく、もともと人が持っている良い部分を伸ばすことによって、個人や社会を繁栄させていくことを目指す学問です。

今回の記事では、ポジティブ心理学を自習したい方に向けて、臨床心理士から見ておすすめの書籍を8冊紹介ささていただきます!

1. ポジティブ心理学が教えてくれる「ほんものの幸せ」の見つけ方 〜とっておきの強みを生かす〜

こちらは、僕がこれまでに何冊か読んだポジティブ心理学に関する書籍の中で、最も満足度が高いです。

・ポジティブ心理学の創始者であるマーティンセリグマン博士による本である

・文章が平易で読みやすい

・有名なポジティブ心理学の研究がたくさん紹介されている

という特徴があるように感じました。また、著書の中ではポジティブ心理学に関連した11の心理テストが紹介されており、自己理解を深めることもできます。その中には、自分の「とっておきの強み(Signature Strengths)」を知ることができる、ポジティブ心理学が生み出した渾身の「強み診断テスト」であるVIA-ISも含まれています。

上の記事に詳しく紹介しているのですが、VIA-ISは、ウェブ上で無料で受けることができる強み診断ツールですが、紙ベースでこのテストが手に入るというのは、意外とレアなのではないかと思います。

この本のキーワードを1つだけ選ぶとすれば、個人的には「とっておきの強み」なのではないかと思います。「とっておきの強みとは何か」「なぜそれが大切なのか」ということについては、原著を読んでみてのお楽しみです♪

2. マンガでやさしくわかるレジリエンス

この本では、ポジティブ心理学の重要なキーワードの1つである「レジリエンス」について知ることができます。

最近、「マンガでわかる〇〇シリーズ」が流行っていますよね。「たかが漫画」と思うかもしれませんが、個人的には心理学の勉強をマンガを読むことからはじめるのはむしろ賢いやり方だと思っています。

というのも、何事も続かなくては意味がないからです。そして、簡単&楽しいという要素は継続と相性が良いです。まずはマンガで学び、大まかな理解をしたうえで、もっと専門的な本を読むことで理解もより深まるのではないでしょうか。それに、マンガでも監修しているのはポジティブ心理学の第一線で活躍する方なので、十分に専門的です。

3. オプティミストはなぜ成功するか

オプティミストとは、日本語で「楽観主義者」という意味です。この本では、楽観主義者が成功する理由を、心理学的な実験をもとに解説しています。

みなさんは、楽観主義と聞いてどのようなイメージを抱きますか?僕は、この本に出会うまでは以下のようなイメージを抱いていました。

能天気な感じ

問題に誠実に向き合わない

怠惰

パリピ(パーティーを愛する人々の意)

しかし実際は、楽観主義というのは上記のようなものではなく、「ものごとを前向きに捉える」という意味であることが分かりました。

例えば、本の中では多くの売り上げを誇る優秀なセールスマンは、楽観性が高い傾向にあると紹介されています。その理由は、「ほとんどの商品が売れない」という状況の中でも、「基本は売れないのが当然。そのうち売れるさ」と論理的かつ前向きに考える傾向があるからとのこと。つまり、楽観主義により粘り強い行動が促されるため、結果が出るのです。

逆に、悲観主義的なセールスマンは、セールスを開始してすぐに心が折れてしまうとのこと。その理由は、「最初からこんなに売れないんだから、今後も売れるはずはない」と結論づけてしまうからなんだそうです。

悲観主義の人と、楽観主義の人、どちらが豊かな人生を手に入れるでしょうか?答えは出ていますよね。この本では、楽観的になるための方法についても記載されています。

ちなみに、僕も楽観的になるための方法を過去の記事で書いているのですが、この本をベースにして執筆しました。ご興味がある方はぜひ!

4. さぁ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版ストレングス・ファインダー2.0

Amazonの売れ筋ランキングにて1位を獲得しているこちらの書籍。「強みの心理学の父」と呼ばれているドナルド・O・クリフトン博士が開発した才能診断ツールである「ストレングス・ファインダー」の最新版について、強みや幸福についてのコンサルタント・執筆化のトム・ラス氏が紹介してくれている書籍になります。

ポジティブ心理学に関係する「強み」を測定できる、信頼性の高い診断ツールは、主に2つあると考えてください。

VIA-IS(マーティン・セリグマン博士とクリストファーピーターソン博士が作った)

ストレングス・ファインダー(ドナルド・O・クリフトン博士が作った)

の2つです。両者の違いは、VIA-ISが人の道徳的・人格的な意味での強みを測定しているのに対して、ストレングス・ファインダーでは人の「才能」を測定している点にあります。

VIA-IS →性格の強み

ストレングスファインダー →能力

とざっくり考えると分かりやすいかもしれません。

この本を購入し、袋綴じの中に記されたコードを専用サイトで入力されることにより、ストレングスファインダーを受けることができます。

ストレングス・ファインダーでは、人には34の資質(才能)があると仮定しているのですが、そのうちの「トップ5」の自分の才能を知ることができます。※課金することですべての才能を見ることも可能。

ストレングスファインダーについても、詳しくは過去の記事を読んでみてくださいね♪

5. ポジティブ心理学入門:「よい生き方」を科学的に考える方法

ポジティブ心理学の父」として知られるマーティン・セリグマン博士と並んで、ポジティブ心理学の第一人者としてしられるクリストファー・ピーターソン博士による書籍です。

ポジティブ心理学の全体像を理解することができると共に、各章に1つずつ、合計11個のポジティブ心理学的なエクササイズが用意されているのが特徴です。

本書の中で、「心理学者は本質的に実験主義者であり、実験室の中だけではなく現実の世界でも実験を行う」と書かれていたのが印象的です。ぜひ、エクササイズを実際に行ってみて、ポジティブ心理学を「肌で」学んでみましょう。

ポップな表紙ではありますが、僕が読んでみての感想は、「結構難しいな・・」です(※あくまで個人の感想)。しかし、読めば読むほど味が出てくるでしょう。少しだけ上級者向けかもしれません。時間をかけて読むのがおすすめです。

6. フィーリングGoodバンドブック

僕が愛してやまない書籍です。こちらはポジティブ心理学ではなく、認知行動療法の超有名図書なのですが、実は認知行動療法の考え方は、ポジティブ心理学が大切にしている「楽観主義」という考え方と深い繋がりがあります。

この本では、自分の思考(=ものごとの捉え方)と向き合い、前向きな思考を獲得し、人生を幸せに生きていくことをワークシートに記入しながら学ぶことが出来ます。

うつ病のセルフヘルプ本としても有名ですね。

学習性楽観主義という言葉があるのですが、これは後天的に楽観性を獲得していくことを示しています。

そして、学習性楽観主義を身につける為の方法は、結局は自分のネガティブな思考に反論することなんですよ。

こちらの本に取り組むことは、ポジティブ心理学の思想を理解することに繋がります。僕は、認知行動療法とポジティブ心理学は兄弟のようなものだと理解しています。

7. 心が晴れるノート

さきほど、認知行動療法とポジティブ心理学には深い繋がりがあるとお話ししましたよね。そして、まずは認知行動療法のエッセンスを理解していただくためにフィーリングGoodハンドブックをご紹介したのですが、「少し難しい」という感想もよく聞きます。最高の本であることは間違いないのですが、たしかに分厚く、和訳本であるため、日本の文化に100%調和しているかと言うと、まぁ疑問は残ります。

そこでおすすめなのが、日本における認知行動療法の第一人者、大野裕先生による「心が晴れるノート」です。こちらもワークシートに記入しながら進めていけるタイプの書籍なのですが、文章は平易で読みやすく、イラストもところどころに入っていて進めやすいです。認知行動療法の考え方を理解でき、しかも読みやすいというのは魅力的なのではないでしょうか。

8. 苦しかったときの話をしようか

こちらは、日本を代表する戦略家・マーケターである森岡毅氏による書籍です。森岡毅氏は、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の経営を立て直したことや、西武園ゆうえんちの経営を立て直したことでも有名ですね。

この本は、ポジティブ心理学の本でもなければ、認知行動療法の本でもありません

お父さんが、これから社会人になる子に向けて書いた「愛のビジネス論」です。

そして、著者が強調しているのが、自分の「強み」を生かすことだけを考えるということです。

会社は、君が人知れず短所を克服することにお金を払っているのではない。会社は、君の「強み」にお金を払っているんだ。

苦しかったときの話をしようか:森岡毅著: ダイヤモンド社

僕は、上記の文章に衝撃を受けました。そして、強みを活かすという考えは、ポジティブ心理学の考えそのものなんです。

ポジティブ心理学が言っていることを体現しているビジネスマンが書いた本として、こちらの著書をおすすめします。この本については、過去の記事でも詳しく感想を述べているので、ご興味のある方はぜひ!

まとめ

今回は、臨床心理士である僕がポジティブ心理学を自らの学習に取り入れていく中で読んだ本をご紹介しました。僕自身もまだまだ学習途中ではありますが、心理学を学んでいていつも思うのは、「実践が本当に大切であるというこです。本を読むという行為には、2つの段階があると考えています。

①本を読んで理解する段階

②本に書いてある内容を生活の中で実践してみる段階

という2つです。1冊の本に書いてあることを全て取り組む必要はありません。まずは、自分が「なるほどな」「これは良いな」と思った考えや行動を1つ、生活の中に取り入れてみましょう。そうすることで、その知識はきっとあなたの一部になってくれるのではないかと思います。