仕事に行きたくない朝に知りたい、その原因と対処法【臨床心理士が解説】

転職・キャリア形成

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平日の朝、あなたは布団の中で繰り返し鳴り響くアラームの音を消します。

頭の中で考えているのは、昨日上司に怒られたことや苦手な同僚・・。そしてこの後も仕事に行かなければならない現実。

あなたは頭の中でこう呟くのです。「仕事、行きたくない・・

本当に、朝は仕事に行くのが辛いですよね・・。

今回の記事では、そんな朝に自分の心を楽にしてあげられる方法を臨床心理士が解説します。少しでも、あなたの心が楽になりますように!

1. みんな朝は仕事に行きたくない

実は、世の中の多くの人は朝仕事に行くことを「憂鬱」と感じているのです。ここでは、調査の結果やストレスホルモンと関連させてその理由をお伝えします。

月曜日の朝はとくに辛い

あなたは、「サザエさん症候群」という言葉を聞いたことがありますか?これは、日曜の夜6時半、サザエさんが始まる時間になると、「明日は仕事かぁ〜・・」と憂鬱になることを示しています。

それくらい、「月曜日」は皆にとって苦しいものなんですよね。

2018年、江崎グリコ株式会社は全国の働く男女・専業主婦など計1200名を対象に「憂鬱だと感じる曜日」に関する調査を行いました。

調査の結果、ダントツで月曜日を憂鬱と感じる人が多く、20代の働く男女にいたっては男性88%、女性90%が月曜日を憂鬱だと感じているそうです。

参考: 江崎グリコ株式会社

ストレスホルモンとの関係

実は、朝はストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌量が最も多い時間帯であると言われています。

つまり、そもそも朝はストレスを感じやすいということですね。コルチゾールの過剰分泌を防ぐためには、有酸素運動が効果的とされています。朝起きて駅に向かって歩きはじめれば多少ストレスが緩和してくるように感じるのはそのためかもしれませんね。

参考: 小西統合医療内科

2. 「朝」仕事に行きたくない時の乗り切り方

まずは、「朝」仕事に行きたくない時になんとか起きて職場に足を運ぶための方法をお伝えします。

とにかく「行動」する

一般的には「やる気」があるから行動すると思われがちですが、心理学では「やる気」は行動することによって生まれると考えられています。

・掃除をやる気がしなかったが、始めてみたら夢中になる

・勉強を先延ばしにしていたが、やり始めてたら集中できた

こんな経験、ありませんか?

実際、うつ病への治療の1つに「行動活性化療法」と呼ばれるものがあるのですが、これは小さな行動を通して気分の改善を図るものです。詳しくは過去の記事に書いているので読んでみてください。

仕事に行きたくなくて朝起きられない時は、まずは「小さな行動」を起こしてみましょう!おすすめは、「10カウント法」です。これは、10数えたら布団から起き上がるというもの。起きた時には、「よし!偉い!今日のノルマ達成!」と自分を褒めてあげてください。

起きることだけが今日の目標なので、あとは職場でどんなに嫌なことがあっても、あなたのノルマはすでに達成されているのです!

1時間早い電車に乗ってカフェでリラックス

人には、「不快」なことを避け、「快」に向かおうとするという本能があります。朝からバタバタと過ごし、満員電車に揺られ、そのままの足で職場に足を踏み入れるのは、果たして「快」でしょうか?

不快なことなんだから、起きられなくて当然ですよね。そこでおすすめなのが、普段より1時間早く家を出て、職場の最寄り駅のカフェで優雅に過ごすというもの。

すると、朝の時間が「快」になるため、その時間を取るために起きるようになります。出来れば、カフェで過ごす時間は自分が好きなことについての勉強や将来やりたいことに向かった勉強をすると更に良いでしょう。スイーツを食べてもいいですね。朝を起点に、主体的な人生を取り戻せます。

また、電車の中ではリラックスできるような音楽を聴き、副交感神経を高めてあげるのもおすすめです。

3. 仕事に行きたくないと思う原因

ここからは、そもそもなぜ仕事に行きたくないのか?について解説していきます。仕事に行きたくない原因には、「根本原因」と「状況原因」の2種類があるんです。

根本原因

根本原因は、「嫌な同僚がいる」とか「業務量が多い」のような状況的なものではなく、自分の中にある、より本質的な「仕事に行きたくない原因」です。

仕事にやりがいを感じていない

本当に自分がやりたい仕事や、自分が生きたい将来に繋がる仕事、つまり自分の価値観に沿った仕事であれば、多少嫌なことがあってもそれを糧にして乗り越えていくことができるでしょう。

しかし、自分に嘘をついて本当にやりたいこととは別の仕事を続けていると、虚しくなってきてしまい、ストレスを乗り越えるだけのエネルギーが湧いてこなくなってしまうのです。

能力と業務がマッチしていない

事務作業が得意な人もいれば、営業が得意な人もいますよね。これは、人にはそれぞれ違った強みと弱みがあるからです。

自分の強みを活用できていなくて、弱みの部分が浮き彫りになってしまうような職場に身を置くと、十分な結果を出すことが困難になるでしょう。それに伴い自己肯定感も低くなってしまいます。

その場合は、まずは自分の強みを見つけ、それを活かせるような働き方を模索するのがベストです。自分の強みを見つける方法については、過去の記事をご覧ください。

状況原因

状況原因は、自分の中ではなく自分の外側で起きていることが原因であるパターンです。「満員電車が辛い」「上司と合わない」などは状況原因にあたりますね。

人間関係で悩んでいる

職場を辞める理由のトップ3に常に含まれているのが、「人間関係の悩み」です。職場ではプライベートと違い、関わる相手を選ぶことができないですよね。苦手な人と一緒に仕事をしなければならない時のストレスは半端なものではないでしょう。

生活習慣の乱れ

睡眠時間が極端に少なかったり、食生活が偏っていたりすると、メンタル面にも悪影響が出てきます。疲労感も高まるため、「仕事へ行きたくない」という気持ちが更に強くなってしまいます。

業務量が多すぎる

朝起きた時、「今日も終わりが見えない仕事が待っている・・」と思ってしまうのであれば、当然仕事に行きたくなくなってしまいますよね。明らかに業務量が多過ぎたり、残業が多すぎたりすることも仕事に行きたくなくなる原因の1つです。

相談できる人がいない

家族や友達に相談すれば気持ちが楽になりますし、職場の上司や同僚に相談すれば、具体的な問題解決につながることもあります。しかし、身近に相談できる人がいなければ自分1人で抱えることになりますので、ストレスを発散することができずにどんどん辛くなってしまいます。

通勤が負担

通勤時の満員電車は、その分の給料をもらっても良いレベルの精神的負荷がかかります。これから大変な仕事が待っているうえ、職場に着くまでも大変・・。それは心身の健康を損なわれてしまいますよね。

4. 「仕事へ行きたくない」への対処法

ここからは、仕事に行きたくなくて辛い時の対処法を、「根本原理」「状況原因」のそれぞれについて解説していきます。

根本原因への対処法

そもそも仕事にやりがいを感じていなかったり、強みを活かせていなかったりする根本的な原因がある場合、転職を視野に入れてみるのも1つでしょう。ここでは、そのための手順をご紹介します。

自己分析をする

実際に新しい職場に転職する前に、しっかりと自己分析を行うことが重要です。自分は何をしている時に幸せを感じるのか、どのような作業を得意としているのか、良く考えてみましょう。自分の軸をしっかりとさせてから転職活動をはじめないと、同じことの繰り返しになってしまうリスクもあります。

社会人向けの自己分析方法を過去の記事で紹介しているため、参考にしてみてもらえると嬉しいです。

転職に向けて準備をはじめる

自己分析をして自分がやりたいこと得意なこと苦手なことが明確になったら、今の会社に勤めたままでも良いので、準備をはじめます。憧れている業界があったとしても、「仕事にするほどのスキルはないし・・」と尻込みしてしまうこともありますよね。

しかし、まずは勉強してみないと分からないもの。今の会社に勤めながら、自分が希望している業界の知識やスキルをコツコツと身につけはじめましょう。

転職活動をする

準備が整ったら、いよいよ転職活動をはじめましょう!転職エージェントを活用することで、担当者と話し合いながら仕事探しを進めることができます。

フリーランスという選択肢も

そもそも組織の中で働くことが合わない」と感じる方は、フリーランスとして独立する選択肢もあります。「フリーランスとして働くためにはよっぽどのスキルや才能がないと無理!」と思う方もいるかもしれませんが、継続力と自己管理能力を養えばフリーランスとして働くことはできます。

おすすめはクラウドソーシングを利用すること。クラウドソーシングとは、ネット上で仕事を依頼または受注できるサイトのことです。

・ホームページ制作

・ Webデザイン

・動画編集

・イラスト作成

などのスキルを持っている方はとくに向いていると思います(これから身につけるでもok)。

また、スキルが特にない方におすすめなのは Webライティングの案件です。

ライティングであれば文章を書くことに極度の抵抗がある方でなければ誰でも行えますし、仕事を受注しながらライティングスキルを磨き、文字単価を上げていくことができます。

また、時間給によるデータ打ち込みのお仕事などは経験不問で受け付けていることも多いです。

まずは代表的なクラウドソーシングサービスに無料登録し、経験だと思って初心者向けの案件を受注してみるのはいかがでしょうか?クラウドソーシングで仕事ができるようになると、この時代を生きていくうえで「翼」となりますよ。

<国内最大級のクラウドソーシングサービス3社>

クラウドワークス

ランサーズ

サグーワークス

飛行機はすぐに離陸しない!安全な空の旅を。

飛行機はすぐに離陸することはなく、入念なチェックの後、助走をつけてから離陸しますよね。転職やフリーランスとして独立する場合もそれは同じで、自己分析・準備という段階をきちんと経てから行うことがおすすめです。

とくにフリーランスを目指す場合、今の会社に勤めながらまずは副業としてはじめ、一定の報酬を得られるようになってから会社を辞めるのが安全策と言えます。

状況原因への対処法

「状況」に原因がある場合は、1つ1つのストレス要因に対してアプローチし、働きやすい環境を整えていくことが重要です。

思いきって休む

心身ともに疲れ切っている時には、冷静な判断も難しくなってしまいます。そこでおすすめなのが、まずは休んで仕事から離れ、リフレッシュすることです。

ただし無断欠勤は信頼を失い自分の首を絞めてしまうことにつながるため注意です。有給休暇を取得する、上司に体調不良について相談して休職するなど、計画的にお休みを取りましょう。休むと決めたら、負い目を感じることなく休むことに集中してくださいね。それが、結果的に自分と他者の幸せに繋がります!

生活習慣を見直す

睡眠不足が続いていれば、当然仕事のパフォーマンスは落ちてしまいます。最低でも7時間の睡眠を毎日確保できるようにすることが重要です。寝付けない、朝早く起きてしまうなどの不眠症状が出ている場合は精神疾患のリスクが考えられるため、迷わず精神科や心療内科を受診してください。

周囲に相談する

相談してもどうせ助けてもらえない」「相談しても問題解決には繋がらない」このような相談することにブレーキをかける思考のことを、僕は「相談妨害認知」と呼んでいます。

しかし、実は相談には「話すことそのものによる発散効果」というものがあります。また、周りが協力してくれないかどうかは相談してみなければ分かりませんよね。相談する練習をするつもりで、信頼できる人に悩みを打ち明けてみましょう。

どうしても周囲に相談できる人がいない場合は、オンラインカウンセリングを利用してみることもおすすめです。

過去の記事でおすすめのオンラインカウンセリングをまとめているので、参考にしてみてください。

部署を変更してもらう

会社が合わないというよりは、単に今の部署の人間関係が合わない、というケースもあります。部署変更を上司に依頼してみて、環境が変われば一気にストレスが軽減する可能性もあるのです。

希望通りにいかないこともあるとは思いますが、相談してみる価値はあるのではないでしょうか。

今の仕事を選んだ理由を思い出す

もともと興味があってはじめた仕事のはずなのに、日々の業務に追われてやりがいを感じられなくなってしまうこともありますよね。

そういった時には一度立ち止まり、「自分は何でこの仕事を選んだんだっけ?」と思い出してみましょう。すると、本来の目的を思い出し、やりがいを回復させることに繋がります。

リモートに切り替える

リモートワークに対応してもらえる職場であれば、週5日とまではいかなくても、1〜3日くらいを在宅勤務にさせてもらうのも1つかと思います。とくに職場環境が原因で辛くなっている時には、まずは物理的に距離を取ることができるためおすすめです。

職場の近くに引っ越す

毎朝の通勤が辛くて仕方ない場合、思い切って会社の近くに引っ越してみるのも1つです。少なくとも満員電車のストレスからは解放されますし、時間を有効に使えるようになります。

5. 仕事に行きたくないという悩みを放っておかないほうが良い理由3つ

「仕事に行きたくない」という気持ちを抱えたまま会社に行くことはおすすめできません。ここでは、その理由をお伝えしていきます。

ミスが増えてしまうから

「仕事に行きたくない」と感じるということは、ストレスが溜まっていたり、モチベーションが下がってしまっているということ。そのような状態のまま業務に入ると、ミスが増えてきてしまいます。すると周囲からの評価も下がってしまい、どんどん悪循環にはまっていってしまうのです。

人間関係の悪化につながるから

「仕事に行きたくない」という状態のまま出社すれば業務のミスが増えてしまうと同時に、周囲とのコミュニケーションも減ってしまうことがあります。また、ストレスを感じている時は感情のコントロールも難しくなってしまうため、対人トラブルへと発展してしまうことも。人間関係が過度に悪くなると、精神的にかなりの負荷がかかります。

精神疾患のリスクが高まるから

強いストレスを感じ続けた結果、うつ病や適応障害などの精神疾患にかかってしまうリスクも高まるんです。ストレスによる反応は「警告期→抵抗期→疲はい期」という経過をたどると考えられています。

○警告期・・ストレスを感じ始めた段階。

○抵抗期・・ストレスに打ち勝とうと普段以上に頑張ってしまう段階。

○疲はい期・・心身ともに疲れ切り、動くことが出来なくなる段階。

「疲はい期」ではうつ病や適応障害などのストレス関連疾患にかかってしまっていることもあり、医療機関の受診や専門家への相談が必須になります。

出来れば警告期、遅くとも抵抗期の時点でストレスに気づき、何かしらの対処をすることが重要なのです。

6. 1人で抱え込まないで!まずは誰かに相談してみよう。

この記事を読んでいただき、ありがとうございました。最後に皆さんにお伝えしたいのが、仕事が辛いお気持ちを1人で抱え込まないでいただきたいということなんです。人間の価値は、当然仕事だけで決まるわけではありません。あなたがこれまで出会った人、やってきたこと、そのすべてをトータルして「あなた」が出来ているんです。

人に会わなくなってしまうとネガティブな思考が強まってしまうこともありますので、家族や友達、以前勤めていた会社の同僚など、とにかく相談してくださいね。

「明けない夜はない」。今は苦しいときかもしれませんが、一緒に乗り切りましょう!